【 異能の転生者 】勇者への道、救世主への道、英雄への道……

第114話 夜営

色々な人や馬車とすれ違いながら、徐々に人通りが少なくなっていき、夕方ごろには人や馬車とすれ違うことがあまりなくなってきた。

薄暗くなる前に、今日の野営するところを見つけなければいけないので、無理をせず野営できるところを探す。

できたら川が近くにあるところがいいんだが、あまり道から外れるのも良くない。

俺は感知魔法を使って良い場所を探す。

そうすると、たまたまいいところがあったので、そこに行って野営することにした。

その場所に行ってみると、かなり遠くの方でも火の光が見えるので他の人も川沿いに野営をしているんだろう。

近い距離では無いけど声が聞こえる距離ではない。

変なやつじゃないことを願いながら、野営の場所を決める。

俺たちは女性4人と、男1人だから注意しなければいけない。

まぁ、俺の魔法があれば大丈夫だろうと思うけど。

馬車から降りて、野営の準備を始める。
まずは、土魔法を使ってアリシアにかまどを作ってもらう。

そして俺は、周辺から枯れ木を集めてくる。

魔法で火をつけて、鍋に水を入れて、昨日、買って異空間収納に入れておいた魚を出す。

沸騰した鍋に魚を入れて、魚で出汁をとりながら、野菜を入れていく。

おいしそうな匂いだ。


俺は焼いた魚の方が好きだが、今日は鍋で出汁をとりながら野菜と魚を食べる。

ソフィアにお皿に、よそってもらいながら、熱々のスープを飲んで、ほくほくの魚を食べていく。

最近は、少しだけ寒くなってきたので、魚で出汁をとったスープがすごくおいしい。

今日の夕食は肉は無いけど、出汁が効いていて、すごくおいしかった。

夕食を食べた後、女性陣は、川に髪を洗いに行くそうだが、夜なので俺もついていくことにした。

水浴びするわけじゃないからね！

女性たちが川で髪を洗っている。

朝、お風呂に入ってきたんだが、馬車に揺られていると髪がゴワゴワして汚れているそうだ。

川で洗いやすいところに4人で移動して、髪を洗っている。

あたりは少しもう薄暗い。

俺は離れたところから、4人が川で髪を洗っているのを見ている。

なんか、すごい景色だなぁと思う。

髪を洗い終わったあと、タオルで拭きながら戻ってきた。

そして4人と一緒に俺は、食事したところまで戻ってきた。

今日はここで野営するので、真っ暗になる前に馬車で準備する。

馬車に1人俺だけ入って、異空間収納から、先日、買った一番大きなクッションを取り出す。
馬車の中でクッションを下に引いて寝やすくして、寒くないように毛布を置いておく。

それを全体に引きながら、平らにしていく。

そこに枕にするクッションを4つ出していく。

一応、寒いかもわからないので予備の毛布も4つ用意して置いておく。

俺は馬車から出てきて、焚き火の横に行く。

女性陣が焚き火でタオルで拭きながら髪の毛を乾かしていたが、乾かし終わったみたいだ。

俺たちは、ここで食後の紅茶を楽しむことにした。

日が落ちて、少し寒くなってきたけど、焚き火が温かく寒さは守ってくれる。

そしてそれに、温かい紅茶。

最高だなと思う。

フーフー言いながら温かい紅茶をすする。

久しぶりのパーティーメンバー全員で来たことで、こう言うのもいいなと感じながら紅茶を飲んでいる。

しばらく紅茶を飲みながら話していたが、そろそろ眠くなったので寝ると女性陣が言い出した。

4人とも馬車に戻りながら、場所の扉を開けると驚いたようにしていた。

「わ、クッションが引いてある」とソフィアが言った。

「毛布も暖かそう」とアリシアが言った。

中を確認した4人が、こちらを振り返って、ありがとうとお礼を言われた。

でも俺は焚き火の横なんだよね。

馬車の中には入れない。

1人寂しく焚き火の横！

女の子4人は馬車の中に入って行った。

しばらくは、よく聞こえなかったが話し声がしたが、徐々に静かになっていったから寝たんだろうと思った。

そして馬車を覆うように透明の膜の魔法である結界魔法をかけた。もちろん呼吸はできるように。

そして俺も川に顔と髪の毛を洗いに行った。
洗いに行って帰ってきた俺は焚き火で乾かしながらタオルで拭いていた。

徐々に髪が乾き始めたので、俺も寝ることにした。

異空間収納から、シートを引いた後に毛布2枚とクッションを取り出して、その上に寝転がりながら魔法の透明な膜を俺にもかけた。

おやすみなさいと誰が聞いてるわけでもないけど言った。