上 下
100 / 691

第90話 受け継がれるチート能力

しおりを挟む
2人して突っ込まれた俺は、顔から汗が滴り落ちているが、どう説明すればいいのか悩んでいた。

う~ん、なんて説明しよう。

あっ、そうだ

「俺が魔法の訓練をした結果のチート能力だよ。」

本当の意味のチートと言うのは不正行為のようなことを言う。

でも自分のチート性は前世のアルベルトからだ!

でも、そこを言うことができない。

変な目で見られることが、1番、怖い。

そして、それを知られてしまうのも。


アリシアにも話すつもりで、ソフィアに話し始める。

「俺が、いつも魔法を勉強したり練習している事は知っているよね」

俺たちが住んでいる屋敷の地下2階の部屋に、以前住んでいた住人の魔法書がいっぱいあったんだ。

俺は最近そこにこもるようになって、いろいろな魔法を開発したり新しい魔法を学んだりしているんだ。

その結果としての能力なんだ。

と説明したが、ソフィアはまだ納得していないような顔をしていたが、それ以上言う事はなかった。

「俺が使った魔法の事は誰にも話さないで、黙っていてね」とソフィアに言って、ソフィアはうなずいた。

なんだか、まだ頭の中が混乱しているようなソフィアだ。

当然だろうけど。




しばらく俺たちは洞窟を見張っていたが、なんだか、こちらまで熱くなるくらい洞窟が燃えているみたいだ。

ここまで蒸し暑さが来る。


もういいだろうと思うところで、感知魔法で確認してみると、全滅していることがわかった。

あまり焼け焦げたゴブリンを見たくなかったので、入り口を被っている魔法の膜を解除して、土の魔法で入り口を全体的に覆って閉じ込めた。

入り口が開いたままだと他の魔物が入ってくるから。

アリシアが近づいてきて、「クリス、休憩しなくて大丈夫?」とかわいいことを言ってくれたので、「うん大丈夫だよ、村に帰ろうか」と言って3人で現場を離れた。


村に帰ってくると、物見櫓の高いところから人が手を振っている。

俺たちは手を振り返して、門番がいるところから村の中に入っていった。

村に帰ってくる直前で、何かが焼けているような匂いがしたが、気のせいだろうと思うことなく、説明しなければいけないなと思った。

そして一緒にいたソフィアが、先頭を切って今あったことを話してくれる。

もちろん俺の能力は言わないで10匹のゴブリンが洞窟に逃げ込んだので焚き火で洞窟を焼いたといった。

帰り際に10匹のゴブリンの死体を確認したと言って安心してもらえた。

この日は村全員でお祭りのような宴会をすることになった。

たまたま俺たちがソフィアとともに裏にいたことで村人に危険が及ぶこともなく解決できたから。

普通だったら、村人が襲われているだろうと言うことで。

村長さんや村人たちから本当に感謝をされたり握手を求められたりお酒を勧められたけど、俺は飲めないと言ってソフィアに飲んでもらった。

本当に楽しい宴が行われていたが、どこか俺の心は覚めていた。

そのわけは、だんだんと魔法の能力が上がってきているのもあるが、使う機会が多くなっているような気がするから。

いつかは、どこかで利用される可能性が大きくなっている!

自分で、やらかしたことだけど!

自分でやっている事だけど、時代の流れに逆らえないのかと考えることもある。

自分が王様を救って、謀反を解決したことから伯爵を押し付けられたことも1つの要因かもしれない。

でも悪事が起きているのに、一度、知り合った人を無視して殺されてしまうことになる方が恐ろしい。

俺が伯爵になったのも、そういうことの結果だから。

本当は嫌だったんだけど、街の人にも知れ渡ったみたいだし、謀反を起こそうとしたのが伯爵だったから。

それほど重大事故だったと言う事だ。

俺が伯爵になるのも、他の貴族全員が一致で会議を終えたそうだ。

なので伯爵位を拒否することができなかった。


今度はどこかで戦争が勃発しなければいいが。

特に俺たちが住んでいる国は豊かなので、狙われやすいと思う。

しかし戦争が勃発しても、今の国力では押し切られてしまうだろう。

あまりにも平和だったのが長すぎた!

伯爵が王様を狙ったのも、大きな事件が起きたのも久しぶりだったらしいから。

平和ボケと言うのも怖いもんだね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。 ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。 どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。 死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。   「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」 鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。 加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。 ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。 道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。 今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

処理中です...