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第78話 前世と現世

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自分の母親を病気から救うために、俺は後悔は無いけど魔法を使ってしまった。

そしてそれをアリシアと母親に見られてしまった。

もう、ここまできて、ごまかしや嘘はつきたくない。

俺は少し心が落ち着かない感じがするけど、正直なところを話そうと思う。

納得してもらえなければ、家から出ればいいから。

家族全員が起き出して、朝食をとって、母親とアリシアが片付けをしながら、全員のコップをテーブルの上に置いた。

何から話始めようか迷っていたけど、本当のことを話したいと思うので、以前、アリシアの両親が殺された事件を回想しなければいけない。

アリシアにとっては両親が殺された、つらいことだけど!

その場面は言わないで、俺は話し始めた。

「以前、村で魔物に襲われたことを覚えている?」

今でもその時の記憶は明確だが、太い木に登って遊んでいるときにゴブリンが村を襲ってきて、村人が殺されたり、俺とアリシアも襲われた。

すごく痛い思いをしたけど、その時に自分が300年前に生きていた記憶が蘇ったと説明した。

「僕の前の名前は、アルベルトと言うんだ」

あなたの名前はクリスでしょと母親が言ったが、俺は顔を横に振った。

僕には前世の記憶があって、300年以上前に、魔法使いをしていたんだ。

すごい魔法使いで、それを国が利用しようとして戦争に巻き込まれたんだ。

戦争に巻き込まれて、人との戦いになって、多くの人を死に至らしめたんだ。

でも人を殺すと言う事は自分の心を傷つけてしまうことにもなるので、どんどん人を殺しながら自分の心も傷ついていったんだ。

それで人を殺すことができなくなり、力つけたときに自分も殺されてしまったんだ。

そして自分が死にそうになっているときに、こうなるために生まれてきたんじゃない、と思ったんだ。

そしたら村を襲ったゴブリンの先に痛い思いをしたせいか、また死んでしまうのかと思った時に以前の記憶が蘇ったんだ。

それからはアルベルトの記憶は封印したまま、クリスとして生きてきた。

母親は、「とても信じられないわ…」

父親は、「俺も信じられない」

その時、

アリシアが、とても信じられないけど、納得がいくことが何回もあったのと母親に言った。

そしてアリシアが話し始めた。

クリスと一緒に、近くの街へ行って冒険者になったんだけど、そこから王都に行く人の声を受けたの。

もちろん自分たちが急に受けられるような依頼じゃなかったんだけど、たまたま人がいなくて、護衛もついているからといって依頼を受けたの。

その人を護衛しながら王都に向かっていたんだけど、盗賊が襲ってきたの。

その盗賊を、護衛と協力しながら、ほとんどがクリスが倒したの。

それは、もうびっくりしたけど、クリスが何も言わなかったから聞かなかったの。

その護衛対象が、この国のお姫様だったの。

お姫様を王都まで送り届けることが依頼だったけど、私たちはお城の中に案内されて、しばらく待たされたんだけど、この国の第一王子様が毒殺されそうになった事件が起きたの。

その時にお姫様も危険だからと言うことで私たちが護衛に着いたの。

もちろん兵士や騎士もいるからと。

護衛しているときに、お姫様が毒殺されそうになったの。

それをクリスが見破って、お姫様を救ったんだ。

そしてそれだけじゃなく、王様や第一王子様も殺されそうになったときに、何故かわからないけど、クリスがお城にいて、救ったの。

犯人は、この国の伯爵だったんだけど、自殺したらしいんだよね。

そういうことがあって、クリスがすごく活躍して、王様からすごく感謝されて、クリスは今は伯爵なの。

そこまで聞いていた両親が唖然としたような顔と驚愕の顔をした。

なんだか意味がわからないような感じだった。

母親が「クリス本当なの?」と聞いてきたので、俺は「本当のことだよ」と答えた。

ほとんどはアリシアが説明してくれたので自分ではほっとした感じがした。

自分から話すことなく、アリシアが話してくれたことに感謝する。

母親も父親も信じられない感じだったので、俺は証明としてギルドカードを見せた。

今のランクは、まだBランク、そして下のほうに名前と伯爵と書いてある。

ギルドカードを見た母親が、「嘘、信じられない」と言ったので、信じてもらえないのかなと思った。

アリシアが、「お義父さん、お義母さん、本当のことだから」と言ってくれた。

私も信じられなかったけど、クリスの凄いところを見るたびに、信じられない思いだけど、全部本当のことなの、とアリシアが説明してくれた。

俺では上手に説明できなかったかもわからないが、アリシアは上手に説明をしてくれた。

数時間に及ぶ説明の結果、母親も父親も多少の疑問はあるけど、何とか納得してくれた。

父親が「それで今はどうしているんだい」と聞いてきたので、王都の貴族街に王様から屋敷をもらった」と言った。

そこでも両親から驚かれたが、アリシアも屋敷に部屋をもらって住まわせてもらっているのと付け加えてくれた。

それからアリシアが屋敷の事についていろいろ語ってくれた。

なんだかアリシアが今まで疑問に思ったことを自分でも納得するように喋っていた。

そして今の仕事として、冒険者を時々しながらポーションを作っていると説明した。

そうすると母親が、昨日飲んだポーションかしら?と言ったので俺はうん、そう、と伝えた。


実はそのポーションだけの影響で回復したわけではないんだが、そういうところは言う必要はない。

母親もだいぶん回復してきたみたいなので、2~ 3日して様子を見て王都の屋敷に帰ることにした
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