73 / 150
バターの微笑み
05 ー 初めての屋台
しおりを挟む
その夜もまたクッキーを焼きまくった誠は、いささか疲弊していた。こんなに焼き菓子を作るのは、各種イベント前か年末くらいだろう。
今年のハロウィンとクリスマス用の菓子は、喫茶店やスイーツ専門店の他の遠野が何とかしてくれるという話になっていたが、やはり誠は自分の手で作りたかったなと思ってしまう。自分が生まれ育った家であり店だからこそ、余計にそう思うのだろうが。
キリの良いところで一息入れると、ダイニングに移動してテーブルの上に携帯型鳥居を置いた。統括の神へのお供えだ。長々と近状を書いた手紙も一緒に添えて送ったが、これ以上統括の神の胃がダメージを受けないことを祈るばかりだ。
誠はまた厨房に籠ると、今度はメレンゲクッキーを作り始めた。
ここ二、三日で、別館はすっかり甘い匂いが染み付いてしまっている。誠は朝の新鮮な空気を吸いながら、また屋台を出すべく移動していた。ちなみにアレクセイ達に渡した今日のおやつは、マドレーヌだ。形は縦長のよくあるシェル型を選んだのは、ここ港街にちなんでだった。
通りに近付くにつれて人通りが多くなるのはいつものことだが、今日はやけに多い気がする。誠は人混みを上手くすり抜けながら、屋台や露店などの出店可能地区へと辿り着いた。前回と同じ地区での出店手続きをする。また生活雑貨が多い箇所しか空いていなかったが、隣はトマーだという。その逆隣はチーズの屋台だそうだ。
「絶対にチーズを買おう」
誠はそう密かに決意しながら出店場所へと向かった。
昼前だからか、生活雑貨の店が集中する辺りは人が多い。この通り全体も人が多いし、今日か近いうちに何かあるのだろうか。チーズの屋台の店員に挨拶をしてから、トマーにも挨拶をする。トマーは隣が誠だったことに喜んでくれたが、一瞬にして苦笑いを浮かべていた。
「何かあったんですか?」
「いや、なあ。兄ちゃんが売ってたクッキーだよ。あれがかなり評判になったようでな」
「本当ですか?でも、半分以上はアレクセイのおかげなんですけどね」
「あの騎士殿につられて買ったにしても、美味かったんだろうよ。かく言う俺も、兄ちゃんの菓子のファンになっちまったんだけどな」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
誠が笑っていると、トマーは腰に下げていたマジックバッグから小さな麻袋を取り出して渡してくれた。
「開けてみな。上手くできてると思うぜ」
言われるがままに麻袋を開けると、そこには手のひらに収まる大きさの狼のシルエットがあった。
「わぁ…!ありがとうございます。可愛い」
「あと、興が乗ったからよ、他の動物も作ってみたんだ」
トマーはまた麻袋を渡してくれた。中には、伸びをしている猫や走っている馬、羽ばたく鳥など、デフォルメされて可愛らしい形となった型たいくつも入っていた。
「凄い…これでクッキー作ったら、絶対可愛いですよ」
「だろ?その図案は、俺の嫁さんが手伝ってくれたんだよ。嫁も兄ちゃんのクッキーが気に入ったらしくてよ。…すまんが、先にクッキーを買わせてくんねえか?」
言いづらそうにしているから何かと思ったが、どうやら自分用と奥さん用に多めに欲しいそうだ。そんなことならお安い御用だし何なら他の型のお礼に渡したいと言ったら、そこはちゃんと買わせてくれと、やや強引に料金を渡された。
それでは…と、新作として用意したビスコッティを渡した。
「トマーさんが俺を職人だと敬意を表してくれてるように、俺もトマーさんを職人だと敬ってるんで」
ニッコリと笑い、こちらもやや強引にトマーの手にビスコッティを押し付けた。
「兄ちゃんよ…分かった。ありがたく貰うぜ」
「どうぞ。あ、これはコーヒーか甘口のワインに浸すと、もっと美味しいんです」
「へえ…甘口のワインは嫁が好きなんだ。あいつも喜ぶよ」
強面が緩んだところで話を切り上げ、誠は出店準備を始めることにした。その間にも人通りは多くなり、気付けば店の前には列ができていた。
「え…もしかして俺のとこの列?」
通りを振り返ると、幾人もの目が誠を凝視している。誠は慌てて列の先頭から捌いていった。
あれだけ作ったのに、売れる時は一瞬だった。途中、昼休憩で立ち寄ってくれたレビが居なければ、どうなっていたか分からない。前回よりも早く店を早々に畳んでいると、何人かにもう店じまいかと聞かれてしまった。
「いやー…マコトの菓子の人気が良く分かったわ」
妙に疲れているレビが、しみじみと言う。アレクセイ効果があったとは言え、ここまでとは自分でも思わなかったのだ。
「これでコーヒーと甘口ワインの売り上げが上がってたら笑うね」
「いや、上がるだろ。そのまま食べても美味かったもん」
昨日おやつに渡したビスコッティだが、レビはもちろん全員がその日のうちに全部食べてしまったと言う。また焼くので、その時は絶対にコーヒーに浸すと、レビは拳を握りながら豪語していた。
「なあ、マコト。隣の御仁って、もしかして…」
全てバッグにしまうと、レビが小声で聞いてくる。トマーのことを話した時に、真っ先に食いついて来たのだ。誠はそうだと頷くと、レビの尾は元気に揺れた。
「ファンなの?」
「おう!親父がトマーさんが作った剣を持っててさ。それ見た時から」
「そうなんだ。挨拶だけでも、大丈夫かな…?」
誠はレビに少し待っててと言い残し、客が途切れたタイミングでトマーに話をつけに行った。職人によってはこういうのを嫌うタイプが居るのでどうかと思ったが、トマーは誠の知り合いならと快諾してくれた。
レビは半泣きになりながらトマーと握手をしていた。
改めてトマーに礼を言うと、誠は隣の屋台でチーズを買った。何でもこの港街とスイール村とで行商をしているそうで、売っているチーズはスイール村産のものだという。
だったら買うしかないだろう。まだまだチーズは残っているが、次にまたあんな良質なチーズに会えるかは分からない。沢山買うから少しまけてくれと言うと、誠のクッキーついでにチーズも売れたからと、その店員は値引きをしてくれた。
「…クッキー効果、凄ぇな」
再びしみじみと言うレビに、誠は苦笑いを浮かべるしかなかった。
途中までレビに送ってもらい別館に戻ると、誠はまたせっせとクッキーを焼き始めた。
夜になり全員が集まって夕食を食べていると、アレクセイが皆の手を止めた。
「出発する日が決まった」
もうそろそろかと思っていたが、出発日は明後日になるそうだ。
「班長、ルートはどうなるんですか?」
「隣のカルトーフィリ村を経由してから王都に飛ぶ」
レビの質問に答えたアレクセイは、話を一旦切るようにワインで口を湿らせる。
「どうやら各地できな臭い動きがあるようだ。我々は先に帰還するようにと部隊長からのお達しだ」
ワイングラスを置くと、一瞬にして空気がピリついた。
何かが始まろうとしているのか、始まっているのか。
誰も口にしないが、そういうことだろう。アレクセイは大丈夫だと言うように、誠の手を握っていた。
今年のハロウィンとクリスマス用の菓子は、喫茶店やスイーツ専門店の他の遠野が何とかしてくれるという話になっていたが、やはり誠は自分の手で作りたかったなと思ってしまう。自分が生まれ育った家であり店だからこそ、余計にそう思うのだろうが。
キリの良いところで一息入れると、ダイニングに移動してテーブルの上に携帯型鳥居を置いた。統括の神へのお供えだ。長々と近状を書いた手紙も一緒に添えて送ったが、これ以上統括の神の胃がダメージを受けないことを祈るばかりだ。
誠はまた厨房に籠ると、今度はメレンゲクッキーを作り始めた。
ここ二、三日で、別館はすっかり甘い匂いが染み付いてしまっている。誠は朝の新鮮な空気を吸いながら、また屋台を出すべく移動していた。ちなみにアレクセイ達に渡した今日のおやつは、マドレーヌだ。形は縦長のよくあるシェル型を選んだのは、ここ港街にちなんでだった。
通りに近付くにつれて人通りが多くなるのはいつものことだが、今日はやけに多い気がする。誠は人混みを上手くすり抜けながら、屋台や露店などの出店可能地区へと辿り着いた。前回と同じ地区での出店手続きをする。また生活雑貨が多い箇所しか空いていなかったが、隣はトマーだという。その逆隣はチーズの屋台だそうだ。
「絶対にチーズを買おう」
誠はそう密かに決意しながら出店場所へと向かった。
昼前だからか、生活雑貨の店が集中する辺りは人が多い。この通り全体も人が多いし、今日か近いうちに何かあるのだろうか。チーズの屋台の店員に挨拶をしてから、トマーにも挨拶をする。トマーは隣が誠だったことに喜んでくれたが、一瞬にして苦笑いを浮かべていた。
「何かあったんですか?」
「いや、なあ。兄ちゃんが売ってたクッキーだよ。あれがかなり評判になったようでな」
「本当ですか?でも、半分以上はアレクセイのおかげなんですけどね」
「あの騎士殿につられて買ったにしても、美味かったんだろうよ。かく言う俺も、兄ちゃんの菓子のファンになっちまったんだけどな」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
誠が笑っていると、トマーは腰に下げていたマジックバッグから小さな麻袋を取り出して渡してくれた。
「開けてみな。上手くできてると思うぜ」
言われるがままに麻袋を開けると、そこには手のひらに収まる大きさの狼のシルエットがあった。
「わぁ…!ありがとうございます。可愛い」
「あと、興が乗ったからよ、他の動物も作ってみたんだ」
トマーはまた麻袋を渡してくれた。中には、伸びをしている猫や走っている馬、羽ばたく鳥など、デフォルメされて可愛らしい形となった型たいくつも入っていた。
「凄い…これでクッキー作ったら、絶対可愛いですよ」
「だろ?その図案は、俺の嫁さんが手伝ってくれたんだよ。嫁も兄ちゃんのクッキーが気に入ったらしくてよ。…すまんが、先にクッキーを買わせてくんねえか?」
言いづらそうにしているから何かと思ったが、どうやら自分用と奥さん用に多めに欲しいそうだ。そんなことならお安い御用だし何なら他の型のお礼に渡したいと言ったら、そこはちゃんと買わせてくれと、やや強引に料金を渡された。
それでは…と、新作として用意したビスコッティを渡した。
「トマーさんが俺を職人だと敬意を表してくれてるように、俺もトマーさんを職人だと敬ってるんで」
ニッコリと笑い、こちらもやや強引にトマーの手にビスコッティを押し付けた。
「兄ちゃんよ…分かった。ありがたく貰うぜ」
「どうぞ。あ、これはコーヒーか甘口のワインに浸すと、もっと美味しいんです」
「へえ…甘口のワインは嫁が好きなんだ。あいつも喜ぶよ」
強面が緩んだところで話を切り上げ、誠は出店準備を始めることにした。その間にも人通りは多くなり、気付けば店の前には列ができていた。
「え…もしかして俺のとこの列?」
通りを振り返ると、幾人もの目が誠を凝視している。誠は慌てて列の先頭から捌いていった。
あれだけ作ったのに、売れる時は一瞬だった。途中、昼休憩で立ち寄ってくれたレビが居なければ、どうなっていたか分からない。前回よりも早く店を早々に畳んでいると、何人かにもう店じまいかと聞かれてしまった。
「いやー…マコトの菓子の人気が良く分かったわ」
妙に疲れているレビが、しみじみと言う。アレクセイ効果があったとは言え、ここまでとは自分でも思わなかったのだ。
「これでコーヒーと甘口ワインの売り上げが上がってたら笑うね」
「いや、上がるだろ。そのまま食べても美味かったもん」
昨日おやつに渡したビスコッティだが、レビはもちろん全員がその日のうちに全部食べてしまったと言う。また焼くので、その時は絶対にコーヒーに浸すと、レビは拳を握りながら豪語していた。
「なあ、マコト。隣の御仁って、もしかして…」
全てバッグにしまうと、レビが小声で聞いてくる。トマーのことを話した時に、真っ先に食いついて来たのだ。誠はそうだと頷くと、レビの尾は元気に揺れた。
「ファンなの?」
「おう!親父がトマーさんが作った剣を持っててさ。それ見た時から」
「そうなんだ。挨拶だけでも、大丈夫かな…?」
誠はレビに少し待っててと言い残し、客が途切れたタイミングでトマーに話をつけに行った。職人によってはこういうのを嫌うタイプが居るのでどうかと思ったが、トマーは誠の知り合いならと快諾してくれた。
レビは半泣きになりながらトマーと握手をしていた。
改めてトマーに礼を言うと、誠は隣の屋台でチーズを買った。何でもこの港街とスイール村とで行商をしているそうで、売っているチーズはスイール村産のものだという。
だったら買うしかないだろう。まだまだチーズは残っているが、次にまたあんな良質なチーズに会えるかは分からない。沢山買うから少しまけてくれと言うと、誠のクッキーついでにチーズも売れたからと、その店員は値引きをしてくれた。
「…クッキー効果、凄ぇな」
再びしみじみと言うレビに、誠は苦笑いを浮かべるしかなかった。
途中までレビに送ってもらい別館に戻ると、誠はまたせっせとクッキーを焼き始めた。
夜になり全員が集まって夕食を食べていると、アレクセイが皆の手を止めた。
「出発する日が決まった」
もうそろそろかと思っていたが、出発日は明後日になるそうだ。
「班長、ルートはどうなるんですか?」
「隣のカルトーフィリ村を経由してから王都に飛ぶ」
レビの質問に答えたアレクセイは、話を一旦切るようにワインで口を湿らせる。
「どうやら各地できな臭い動きがあるようだ。我々は先に帰還するようにと部隊長からのお達しだ」
ワイングラスを置くと、一瞬にして空気がピリついた。
何かが始まろうとしているのか、始まっているのか。
誰も口にしないが、そういうことだろう。アレクセイは大丈夫だと言うように、誠の手を握っていた。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
乙女ゲームに転移したけど無理ゲー過ぎて笑える(仮)
鍋底の米
BL
ある日、高校からの帰り道、とある事故に巻き込まれたせいで、おれは異世界に転移させられた。
『ハーレム学園 どきどき♡サバイバル ~乙女の本気モード~』
そこは、乙女ゲームの世界であった…
称号:聖女? いや、おれ男だし。
しかもなんといきなり2作目? ふざけんな!
突然迫る命の危機?! ハードモード過ぎるだろ!!
—— どうやらこれは、ただの恋愛ゲームではなさそうだ…。
------------------------------------------------
ファンタジー色強め。
だが、BL。されど、BL。
けれど、R18指定はしておりません。
ゲームのタイトルがアレですが、
学園物ではありませんし、
カップリングも固定です。
この時点でかなり読者層が狭まると思います。
それでもオッケーよ、と受け入れてお付き合い頂けると嬉しいです。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
賢者となって逆行したら「稀代のたらし」だと言われるようになりました。
かるぼん
BL
********************
ヴィンセント・ウィンバークの最悪の人生はやはり最悪の形で終わりを迎えた。
監禁され、牢獄の中で誰にも看取られず、ひとり悲しくこの生を終える。
もう一度、やり直せたなら…
そう思いながら遠のく意識に身をゆだね……
気が付くと「最悪」の始まりだった子ども時代に逆行していた。
逆行したヴィンセントは今回こそ、後悔のない人生を送ることを固く決意し二度目となる新たな人生を歩み始めた。
自分の最悪だった人生を回収していく過程で、逆行前には得られなかった多くの大事な人と出会う。
孤独だったヴィンセントにとって、とても貴重でありがたい存在。
しかし彼らは口をそろえてこう言うのだ
「君は稀代のたらしだね。」
ほのかにBLが漂う、逆行やり直し系ファンタジー!
よろしくお願い致します!!
********************
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる