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第九章 最終章 それぞれの門出
5 あれから 2年目晩春 1
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「メア、僕は婚約で終わりになんてしないよ。」
「アル、わたくしも婚約白紙にはしてあげませんわよ。」
ヨアンシェル・レンバーグことアルと、イメルダリア・ユラベルことメアは、去年のこの日、婚約をした。
そして、今年のこの春麗らかな日、二人は結婚する。
レンバーグ公爵家の習わしで、結婚式は身内だけで、厳かに行う。家族の前で神に愛を誓い、誓いの口づけをする。会場を出たまま馬車に乗り込み公爵邸へ向かう。
「メア、僕のお嫁さん。ますます可愛いくなったね。」
「もう、アルったら。皆様の前ではそれは禁止ですわよっ!」
イメルダリアが顔を赤らめて、プィッと横を向く。ヨアンシェルから見ると、その仕草がまた可愛いらしい。
イメルダリアは、決して可愛いらしいという雰囲気ではない。ちょっとつり目の顔と、自分自身の優しさを恥ずかしがってしまう態度で、キツイ美人だと評されている。
それでも、ヨアンシェルは、「綺麗だ」ではなく、「可愛い、可愛い」とところ構わず言うのだ。イメルダリアは、その度に顔を赤くしている。ヨアンシェルにとっては、何より可愛いのだから、仕方がない。
公爵邸に二人の馬車が到着すると、降りる前から拍手が鳴り響く。
まず、紳士然としたヨアンシェルが降り立ち、招待客に軽く会釈し、イメルダリアにエスコートの手を差し伸べる。その手をとったイメルダリアが、馬車からゆっくりとおり、ヨアンシェルの隣に並び立つと、二人で招待客へ頭を下げる。
そのままヨアンシェルのエスコートでサロンから続く広いテラスへと進む。
二人の装いは、レモンイエローを基調として、春らしいさわやかなものだ。全体的にシンプルに見えるが、そこかしこに金糸で手縫いの刺繍がしてあるので、風が少し吹き、まわりの木々がゆれるだけで、二人もキラキラとする。さらにイメルダリアのふんわりとしたドレスにはたくさんのスワロフスキーが縫い込まれており、歩くごとに輝いていく。
美しい若人たちに、招待客は微笑みを隠せない。
ヨアンシェルたちの馬車の次の馬車からは、これまた、新郎たる装いをしたユラベル侯爵家長男シェノーロンド・ユラベルと、新婦たる装いをしたバランド子爵家次女マリレーヌ・バランド令嬢が降りてきて、招待客へ一礼すると、同じくテラスへと進む。
実は、シェノーロンド・ユラベルとマリレーヌ・バランド令嬢の結婚パーティーも含まれているのだ。シェノーロンドたちは、結婚式も、公爵家に合わせ、ヨアンシェルたちの隣で、同時に執り行われていた。
バランド子爵は、20年以上医務局に勤める副大臣である。さらに、シェノーロンドと、マリレーヌが揃って来月から医務局へ仕えることが決まっていることもあり、医務局からも招待客が多く来ている。
レンバーグ公爵は財務大臣だし、ユラベル侯爵は建設大臣だし、ヨアンシェルは政務局勤務が決まっている上にすでに2年に渡り政務局で勉強をしているのだ。まさに、一般文官から、高官文官まで多くがお祝いに駆けつけている。
招待状は配りきれないので、各部局の前に置き自由にとってもらい、当日の会場入口で、一人一人記帳と身分証明をしてもらう形とした。平民であっても、王城の文官証明があり、ドレスコードさえしっかりしていれば入れるとあって、エスコートしてきた女性に見栄を張りたい一般文官も来ていたりする。祝いの心は持ち合わせているし、みな、大なり小なりお祝いの品を持ってくるので、ご理解いただきたい。
記帳席では、ユラベル侯爵家の執事が、記帳された名前の脇に番号を書き、お祝いで頂いた品にその番号を振りどちらのカップルへの品かを左右に分けていく。大体、片方を知らずとも二つ持ってくる方が多いのだが。会場入口となる玄関ホールはすでにお祝いの品でいっぱいで、こちらもメイドが端から部屋やら、侯爵家の馬車やらに運んでいる。
と、いうわけで、今日は、招待客も多いので、ホールはほぼダンスフロアーとしているが、壁際にぐるっと並べられた立食テーブルには、飲み物や料理の乗った皿を持った人たちがすでに、団欒している。中庭の手前を立食パーティーの料理が何種類の料理が並んでいるのかわからないほど、たくさんのテーブルにところ狭しと並んでいる。奥側には、テーブルと椅子が用意され、その間をメイドたちが忙しなく動く。今日はメイドの人数も足らず、ユラベル侯爵家からもメイドが派遣されている。
二組のカップルと、それぞれ3家の家族が神殿から戻ったところで、テラスに用意された舞台に立つ。まずはレンバーグ公爵がヨアンシェルたちを、その後ユラベル侯爵がシェノーロンドたちを紹介する。執事の風魔法で拡散しているので、遠くのお客様にも聞こえる。
挨拶のあと、二組のカップルは、腕を組んでお客様の間に敷かれた赤い絨毯の上を歩き、ダンスフロアーとなった大ホールへ入る。大ホールと中庭との間の窓はすべて取り払われ、オープンスペースとなっている。その大ホールの中央付近に二組の新郎新婦が立つと、タイミングを見て、音楽が始まる。
こうして、パーティーもやっとスタートした。
シェノーロンドとマリレーヌ嬢の馴れ初めを話そう。ここでは、ロンとマリーとする。
ロン、マリー、そしてヨアンとディークは同じAクラスだ。ロン、ヨアン、ディークは、去年、姉たちにおきた婚約白紙事件の首謀者の一部である。
元々、ロンがマリーを気に入っているのを知っていたヨアンとディークは、食堂での昼食をマリーたち女生徒グループと一緒にすることは、多かった。
あの事件の後、すぐに春休みとなり、事件を目撃せず、噂ばかり聞く在校生は、ロンやヨアンやディークに、詳しく教えてくれとばかりに手紙を寄越した。ロンに届いた手紙の中にマリーからのものがあったのだ。
「彼女でもこれだけ派手な事件なら興味をもつのだな。」
と、ロンは思い、それを餌にデートの約束をした。
デート当日、喫茶店に入ると待ちきれなかったかのように、マリーがロンに質問する。ただし、予想に反して、事件のあらましではなく、その時国王陛下が用いた黒い箱『ビデオカメラ』についてだった。
彼女は、Aクラスでも学年2位というスーパー才女で、自分の知らない新しいものには、興味を隠せなかったのだ。ちなみに、万年学年1位は、ロンなのだが。
残念ながら、ロンは、あの箱についてはほとんど知らない。だが、翌日の卒業パーティーで紹介されたエマローズの幼なじみが開発者だと、確か聞いたような気がする。
「それについては、確認してみるよ。もしかしたら、開発者本人に会えるかもしれないし。」
「ホントに??ロン君、期待してる!」
「それより、マリーのお父上って医務局仕えだよね。俺、市井の薬師に指南受けてて
さぁ。」
というように、自分のエリアにしたロンとそのエリアを好むマリーは、その後一緒に師匠の元へ行くことも数度あったり、他の人には理解できない内容で議論していたりとか、そんなこんなで、距離を縮め、三月前に婚約した。
「ああ、そう言えば、姉さんとヨアンが結婚式するんだよなぁ。」
というノリで、合同結婚式が決まった。本来結婚式などに興味のないロンとマリーなので、自分達の服以外をやってもらえることはありがたかった。
ただし、マリーは、侯爵家のドレス選びについて、少し舐めた見解をしていた。まさかイメルダリアとユラベル侯爵夫人に気に入られ、着せ替え人形よろしく、あれやこれやと世話を焼かれるなど想像もしておらず、もみくちゃとなった一週間は地獄であった。
ダンス披露を無事に終え、父親関係のお客様からの祝言を大方聞き終わった4人は、二階の控え室へと一端逃げた。
シェノーロンド:「こんなに大変だなんて聞いてないぞ。」
ヨアンシェル:「ロンは、ほぼ今日だけだろ、頑張れよ。」
シェノーロンド:「まあ、そうなんだけどな。」
イメルダリア:「それでは、わたくしたちは、お色直しにいってまいりますわね。」
「「りょーかーい。」」
マリレーヌがイメルダリアに引き摺られていく。シェノーロンドは、そんなマリレーヌに、複雑な顔をして手をヒラヒラと降る。
シェノーロンドは、こう見えて侯爵家長男で跡継ぎだ。となると、マリレーヌは未来の侯爵夫人になるわけだが、婚約時期が短くて、侯爵夫人教育はできていない。だが、元々才女なので、語学や歴史などは問題ないし、子爵家次女なのである程度マナーはできているし、必要になったら貴族名簿もすぐに覚えるだろう。ユラベル侯爵夫人曰く、『あとは、侯爵夫人としての、というよりは、社交界でキチンと立場を守るための社交術だけ』なのだそうだ。
そんな優秀なマリレーヌであるが、如何せん、ご令嬢らしいことに興味がないので、今日はツラそうだ。
「アル、わたくしも婚約白紙にはしてあげませんわよ。」
ヨアンシェル・レンバーグことアルと、イメルダリア・ユラベルことメアは、去年のこの日、婚約をした。
そして、今年のこの春麗らかな日、二人は結婚する。
レンバーグ公爵家の習わしで、結婚式は身内だけで、厳かに行う。家族の前で神に愛を誓い、誓いの口づけをする。会場を出たまま馬車に乗り込み公爵邸へ向かう。
「メア、僕のお嫁さん。ますます可愛いくなったね。」
「もう、アルったら。皆様の前ではそれは禁止ですわよっ!」
イメルダリアが顔を赤らめて、プィッと横を向く。ヨアンシェルから見ると、その仕草がまた可愛いらしい。
イメルダリアは、決して可愛いらしいという雰囲気ではない。ちょっとつり目の顔と、自分自身の優しさを恥ずかしがってしまう態度で、キツイ美人だと評されている。
それでも、ヨアンシェルは、「綺麗だ」ではなく、「可愛い、可愛い」とところ構わず言うのだ。イメルダリアは、その度に顔を赤くしている。ヨアンシェルにとっては、何より可愛いのだから、仕方がない。
公爵邸に二人の馬車が到着すると、降りる前から拍手が鳴り響く。
まず、紳士然としたヨアンシェルが降り立ち、招待客に軽く会釈し、イメルダリアにエスコートの手を差し伸べる。その手をとったイメルダリアが、馬車からゆっくりとおり、ヨアンシェルの隣に並び立つと、二人で招待客へ頭を下げる。
そのままヨアンシェルのエスコートでサロンから続く広いテラスへと進む。
二人の装いは、レモンイエローを基調として、春らしいさわやかなものだ。全体的にシンプルに見えるが、そこかしこに金糸で手縫いの刺繍がしてあるので、風が少し吹き、まわりの木々がゆれるだけで、二人もキラキラとする。さらにイメルダリアのふんわりとしたドレスにはたくさんのスワロフスキーが縫い込まれており、歩くごとに輝いていく。
美しい若人たちに、招待客は微笑みを隠せない。
ヨアンシェルたちの馬車の次の馬車からは、これまた、新郎たる装いをしたユラベル侯爵家長男シェノーロンド・ユラベルと、新婦たる装いをしたバランド子爵家次女マリレーヌ・バランド令嬢が降りてきて、招待客へ一礼すると、同じくテラスへと進む。
実は、シェノーロンド・ユラベルとマリレーヌ・バランド令嬢の結婚パーティーも含まれているのだ。シェノーロンドたちは、結婚式も、公爵家に合わせ、ヨアンシェルたちの隣で、同時に執り行われていた。
バランド子爵は、20年以上医務局に勤める副大臣である。さらに、シェノーロンドと、マリレーヌが揃って来月から医務局へ仕えることが決まっていることもあり、医務局からも招待客が多く来ている。
レンバーグ公爵は財務大臣だし、ユラベル侯爵は建設大臣だし、ヨアンシェルは政務局勤務が決まっている上にすでに2年に渡り政務局で勉強をしているのだ。まさに、一般文官から、高官文官まで多くがお祝いに駆けつけている。
招待状は配りきれないので、各部局の前に置き自由にとってもらい、当日の会場入口で、一人一人記帳と身分証明をしてもらう形とした。平民であっても、王城の文官証明があり、ドレスコードさえしっかりしていれば入れるとあって、エスコートしてきた女性に見栄を張りたい一般文官も来ていたりする。祝いの心は持ち合わせているし、みな、大なり小なりお祝いの品を持ってくるので、ご理解いただきたい。
記帳席では、ユラベル侯爵家の執事が、記帳された名前の脇に番号を書き、お祝いで頂いた品にその番号を振りどちらのカップルへの品かを左右に分けていく。大体、片方を知らずとも二つ持ってくる方が多いのだが。会場入口となる玄関ホールはすでにお祝いの品でいっぱいで、こちらもメイドが端から部屋やら、侯爵家の馬車やらに運んでいる。
と、いうわけで、今日は、招待客も多いので、ホールはほぼダンスフロアーとしているが、壁際にぐるっと並べられた立食テーブルには、飲み物や料理の乗った皿を持った人たちがすでに、団欒している。中庭の手前を立食パーティーの料理が何種類の料理が並んでいるのかわからないほど、たくさんのテーブルにところ狭しと並んでいる。奥側には、テーブルと椅子が用意され、その間をメイドたちが忙しなく動く。今日はメイドの人数も足らず、ユラベル侯爵家からもメイドが派遣されている。
二組のカップルと、それぞれ3家の家族が神殿から戻ったところで、テラスに用意された舞台に立つ。まずはレンバーグ公爵がヨアンシェルたちを、その後ユラベル侯爵がシェノーロンドたちを紹介する。執事の風魔法で拡散しているので、遠くのお客様にも聞こえる。
挨拶のあと、二組のカップルは、腕を組んでお客様の間に敷かれた赤い絨毯の上を歩き、ダンスフロアーとなった大ホールへ入る。大ホールと中庭との間の窓はすべて取り払われ、オープンスペースとなっている。その大ホールの中央付近に二組の新郎新婦が立つと、タイミングを見て、音楽が始まる。
こうして、パーティーもやっとスタートした。
シェノーロンドとマリレーヌ嬢の馴れ初めを話そう。ここでは、ロンとマリーとする。
ロン、マリー、そしてヨアンとディークは同じAクラスだ。ロン、ヨアン、ディークは、去年、姉たちにおきた婚約白紙事件の首謀者の一部である。
元々、ロンがマリーを気に入っているのを知っていたヨアンとディークは、食堂での昼食をマリーたち女生徒グループと一緒にすることは、多かった。
あの事件の後、すぐに春休みとなり、事件を目撃せず、噂ばかり聞く在校生は、ロンやヨアンやディークに、詳しく教えてくれとばかりに手紙を寄越した。ロンに届いた手紙の中にマリーからのものがあったのだ。
「彼女でもこれだけ派手な事件なら興味をもつのだな。」
と、ロンは思い、それを餌にデートの約束をした。
デート当日、喫茶店に入ると待ちきれなかったかのように、マリーがロンに質問する。ただし、予想に反して、事件のあらましではなく、その時国王陛下が用いた黒い箱『ビデオカメラ』についてだった。
彼女は、Aクラスでも学年2位というスーパー才女で、自分の知らない新しいものには、興味を隠せなかったのだ。ちなみに、万年学年1位は、ロンなのだが。
残念ながら、ロンは、あの箱についてはほとんど知らない。だが、翌日の卒業パーティーで紹介されたエマローズの幼なじみが開発者だと、確か聞いたような気がする。
「それについては、確認してみるよ。もしかしたら、開発者本人に会えるかもしれないし。」
「ホントに??ロン君、期待してる!」
「それより、マリーのお父上って医務局仕えだよね。俺、市井の薬師に指南受けてて
さぁ。」
というように、自分のエリアにしたロンとそのエリアを好むマリーは、その後一緒に師匠の元へ行くことも数度あったり、他の人には理解できない内容で議論していたりとか、そんなこんなで、距離を縮め、三月前に婚約した。
「ああ、そう言えば、姉さんとヨアンが結婚式するんだよなぁ。」
というノリで、合同結婚式が決まった。本来結婚式などに興味のないロンとマリーなので、自分達の服以外をやってもらえることはありがたかった。
ただし、マリーは、侯爵家のドレス選びについて、少し舐めた見解をしていた。まさかイメルダリアとユラベル侯爵夫人に気に入られ、着せ替え人形よろしく、あれやこれやと世話を焼かれるなど想像もしておらず、もみくちゃとなった一週間は地獄であった。
ダンス披露を無事に終え、父親関係のお客様からの祝言を大方聞き終わった4人は、二階の控え室へと一端逃げた。
シェノーロンド:「こんなに大変だなんて聞いてないぞ。」
ヨアンシェル:「ロンは、ほぼ今日だけだろ、頑張れよ。」
シェノーロンド:「まあ、そうなんだけどな。」
イメルダリア:「それでは、わたくしたちは、お色直しにいってまいりますわね。」
「「りょーかーい。」」
マリレーヌがイメルダリアに引き摺られていく。シェノーロンドは、そんなマリレーヌに、複雑な顔をして手をヒラヒラと降る。
シェノーロンドは、こう見えて侯爵家長男で跡継ぎだ。となると、マリレーヌは未来の侯爵夫人になるわけだが、婚約時期が短くて、侯爵夫人教育はできていない。だが、元々才女なので、語学や歴史などは問題ないし、子爵家次女なのである程度マナーはできているし、必要になったら貴族名簿もすぐに覚えるだろう。ユラベル侯爵夫人曰く、『あとは、侯爵夫人としての、というよりは、社交界でキチンと立場を守るための社交術だけ』なのだそうだ。
そんな優秀なマリレーヌであるが、如何せん、ご令嬢らしいことに興味がないので、今日はツラそうだ。
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