31 / 36
学園二年生編
30 誘惑と狂乱
しおりを挟む
今朝見た夢を忘れていたわけじゃない。
僕たちは、一人にならないように気をつけていたけど、うまく行かない時もある。
僕が昼休みに、生徒会室にいくと、シンシア嬢が一人だった。今日は、授業が午前中だけだったので、6月用に新しい企画を立てようという話になっていた。でも、まだシンシア嬢には何も話していないはずだ。
だから、僕は、ここにシンシア嬢がいるなんて、思っていなかったのだ。
「ボブバージル様、一人なんですか?」
シンシア嬢が大きな瞳をキョトキョトさせて、こちらを見つめる。踵を返して帰りたがったが、さすがにそれは失礼にあたるだろう。
「あー、そうみたいだね」
何も問題はないようなふりをした僕は、生徒会室のドアを開けたままにする。これは、男女が二人きりになったときでも、何もないと表す大事なことだ。本来なら、女性のための配慮なのだが、今回は、もちろん、僕の潔白を証明するためである。
「私、ボブ君とゆっくりお話したかったんだ」
先程の無垢な瞳とは真逆な、トロンと溶けた妖艶な瞳でこちらを見つめたシンシア嬢が、執務机の近く立つ僕に近づいてくる。
「君に愛称を許した覚えはないよ」
僕の体は、張り付けられたように動けない。目眩がして、頭もグラグラしてきた。
「ボブ君は、いつも私を気にしてくれていたよね」
甘ったるい声のシンシア嬢が僕の腕に絡みついてくる。
「君から迷惑をかけられないように注意していただけだ」
僕は視線はシンシア嬢には向けず、言い募る。シンシア嬢の瞳を見つめると、そのまま絡み取られてしまうような感じがするのだ。
「あんなに熱い視線をくれていたのに、今までうまくいかなかったなんて………、私たちには、障害が多いのね」
絡みついた腕をさらに絡ませ、豊満な胸を押し付けてくるシンシア嬢がどこを見ているのか、わからない。僕は彼女を見るつもりがないのだ。
「君とは『私達』なんて言われる関係ではないよ」
僕はできるだけ冷たく言い放つ。
「でも、障害は多いほど、恋は燃えるものだわ」
僕の言葉は、すべて無視か。まるで今、演劇のヒロインになっているかのようなシンシア嬢のセリフに嫌気がさす。
「君と恋なんてしないっ!」
体は動かない。今、僕が抵抗できるのは、口だけだ。目眩は激しくなり、頭はグラグラしている。それでも抵抗し続ける。
「今なら、あなたがどれだけ私を求めていたのかがわかるわ。他の人に私を取られたくなかったのね。だから、あんなに私の邪魔をして」
僕の正面にまわって、僕の胸あたりを擦る。気持ち悪い。シンシア嬢が僕の顔を見上げて微笑んでいることが、視界の隅でもわかる。
「他の人って、僕の友達だよね。君みたいな女に友達は渡さないよ」
僕は友人たちの顔を思い浮かべて、目眩で倒れそうな体と戦う。
「私は、ボブ君の辛さ、わかってるよ。公爵なんて継ぎたくないよね?お兄様の変わりなんて、しなくていいのよ。お兄様の影に怯えないで」
僕の頬を両手で、触る。口づけでもされてしまいそうだ。
しかし、『公爵なんて継ぎたくないよね?』と、言われた瞬間、体を捕らえていた何かが、少しだけ緩んだ気がした。
「何を言ってるんだ?」
「公爵になんて、ならなくてもいいのよ。
あなたは、あなたの実力だけで侯爵になれるわ。あなたが自分で得る地位よ。
だから、あなたはあなたの好きなことをすればいいの。大丈夫、私がついているわ」
『パリーン』
僕の中で何かが壊れた。僕は、シンシア嬢の肩を両手で掴んでいた。シンシア嬢をガクガクと揺らす。
「お前に何がわかるんだっ!僕は兄上のことも大好きだし、家族も大好きなんだっ!もし、何らかの理由で僕が公爵になることになったとしても、それは受け入れるさ。その上で、家族もクララも守ってみせるよっ!
そもそも、君は根底が間違っているんだ。
まず1つ!兄上は生きている。来月には結婚式だ。僕に新しい家族が増える。
次に1つ!僕はすでに好きなことをしているよ。次男だからね、自由も友達もいっぱいさっ!
更に1つ!君の存在なんか、僕には何の役にもたたない。君がいるから大丈夫だなんて、気持ち悪いこと言うなっ!僕にはクララがいる。それで充分なんだよっ!」
言いたいことを吐き出すと、思わずシンシア嬢を突き飛ばした。僕の目はきっと血走っているだろう。眉は釣り上がり、まさに鬼のような形相でないかと、思う。それほど、怒りで狂いそうだった。
しかし、その時、後から衝撃を受けた。後ろを振り返ると、クララが僕に抱きついていた。
「ジル、ジル!」
泣きながら、僕の名前を呼ぶ愛しい声。
「ク、クララ、僕は…」
僕の中の怒りの塊が、急速に縮んでいく。この人にこんな顔は見せたくない。この朗らかで優しくて温かなこの人に、僕がこんな怒りを持つような男だと思われたくない。僕はこの人の隣に立つべき男でありたい。
僕の目には、僕の心には、もうクララしか映っていなかった。
「な、なんで?なんで、私を好きにならないのよっ!そんな女より、私の方がずっと美人じゃないのっ!
アレクシスが生きてるですって?!どういうことよ。じゃあ、まさか、ブランドンも生きているの?二人は死んでいるはずでしょう?
じゃあ、コンラッドを落としても王妃になれないってことなの?ふざけないでよっ!」
シンシア嬢が何か騒いでいるが、どこか遠い喧騒のようだ。僕はクララを抱きしめて、自分を取り戻そうとしていた。
「なによそれっ!
そもそも、なんで誰も私を虐めないのよ。だから、男たちが私になびかないんじゃない!
そうよ!あんたが悪いのよっ!全部全部、あんたがっ!!」
シンシア嬢が、動いた。僕はゆっくりだが、目でシンシア嬢を追った。
シンシア嬢の目はマーシャだけを見ていた。マーシャが襲われる!そう気がついて、僕は目を見開いた。それと同時にコンラッドがマーシャを抱き庇い、コンラッドの背中には、セオドアが立ちはだかった。そして、セオドアがシンシア嬢を止めて、投げた。
僕にはすべてがスローモーションに見えた。
「ぎゃー!」「きゃっ!」
シンシア嬢が物凄い悲鳴をあげて、転がる。クララは女性が投げられたことで小さな悲鳴をあげた。
「ウォル、衛兵を呼んできてくれ。第一王子である兄上の死を願っている者を放っておけない」
キビキビとした口調で、コンラッドが指示をだす。
「はっ!」
ウォルがすぐさま走っていく。
「バージル、クララを連れて、セオドアの後ろに回れ」
「はい」
僕はただ反応して動いた。『これが上に立つことを学んできた者の指導力というものかもしれない』と、僕は後で考えることになる。とにかく今は、指示に素直に従うだけだ。
僕とクララは、お互いに支え合うように、コンラッドの隣まで移動した。
「セオドア、シンシア嬢から目を離すなよ。そのまま右へ2歩。木剣がある。構えろ」
的確に現状を最善な形にしていくコンラッド。コンラッドはいつの間にか、胸ではなく、背中でマーシャを支えていた。
「はっ!」
壁には、いつもセオドアが暇をみつけては素振りをしていた木剣が立て掛けてあった。セオドアもコンラッドの指示に従う。
シンシア嬢は、頭を抱えて座り込み、ブツブツつぶやいている。セオドアは、木剣ではあるが、そのシンシア嬢に剣先を向けて、体制を整えた。
「決して、外へ出すな。動くようなら、怪我をさせても構わない。責任は僕が持つ」
「はっ!」
セオドアなら、シンシア嬢の足を狙って動きを止めることは造作もないことだろう。
「マーシャ、大丈夫か?」
コンラッドが、少し優しい口調になりマーシャを気遣った。何せ、襲われそうになったのは、1番近くにいた僕やクララではなく、マーシャなのだ。
「はい」
それでも、マーシャは、しっかりとした口調で答えていた。
マーシャは8歳頃から数年間、王妃候補として他の候補者とともに、王宮で学んでいた。しかし、その後も公爵家でマーシャ以外の跡継ぎができなかったこともあり、ブランドン第一王子の婚約者候補から降りたそうだ。マーシャが、公爵家の跡取りなのに、15歳まで婚約者がいなかったのは、そういう理由だ。そして、コンラッドが婚約者を求めた時、真っ先に名前が上がったというわけだ。
ここでの冷静さは、その時の教育の賜物かもしれない。
「では、クララを連れて廊下へ出ているんだ。万が一でも君たちに怪我をさせるわけにはいかない。衛兵が来たら、一人は側に置いておくように」
コンラッドの声は優しさに満ちていた。
「はい。畏まりました。クララ、参りましょう」
僕はクララをマーシャに託した。そして、コンラッドの脇に立った。
二人が出ていくのと同時に、こちらへ向かって走ってくる複数の足音がした。
シンシア嬢が衛兵に連れて行かれた。シンシア嬢は、脇を衛兵に掴まれても、ブツブツと呟くのをやめなかった。あれほど固執していた僕たちには目もくれなかった。
クララとマーシャは、ウォルと衛兵が馬車寄せまで送ってきた。クララは最後まで僕を心配そうに見ていたが、帰りにクララの伯爵邸に寄ると約束をして、先に帰ってもらった。
僕たちは、一人にならないように気をつけていたけど、うまく行かない時もある。
僕が昼休みに、生徒会室にいくと、シンシア嬢が一人だった。今日は、授業が午前中だけだったので、6月用に新しい企画を立てようという話になっていた。でも、まだシンシア嬢には何も話していないはずだ。
だから、僕は、ここにシンシア嬢がいるなんて、思っていなかったのだ。
「ボブバージル様、一人なんですか?」
シンシア嬢が大きな瞳をキョトキョトさせて、こちらを見つめる。踵を返して帰りたがったが、さすがにそれは失礼にあたるだろう。
「あー、そうみたいだね」
何も問題はないようなふりをした僕は、生徒会室のドアを開けたままにする。これは、男女が二人きりになったときでも、何もないと表す大事なことだ。本来なら、女性のための配慮なのだが、今回は、もちろん、僕の潔白を証明するためである。
「私、ボブ君とゆっくりお話したかったんだ」
先程の無垢な瞳とは真逆な、トロンと溶けた妖艶な瞳でこちらを見つめたシンシア嬢が、執務机の近く立つ僕に近づいてくる。
「君に愛称を許した覚えはないよ」
僕の体は、張り付けられたように動けない。目眩がして、頭もグラグラしてきた。
「ボブ君は、いつも私を気にしてくれていたよね」
甘ったるい声のシンシア嬢が僕の腕に絡みついてくる。
「君から迷惑をかけられないように注意していただけだ」
僕は視線はシンシア嬢には向けず、言い募る。シンシア嬢の瞳を見つめると、そのまま絡み取られてしまうような感じがするのだ。
「あんなに熱い視線をくれていたのに、今までうまくいかなかったなんて………、私たちには、障害が多いのね」
絡みついた腕をさらに絡ませ、豊満な胸を押し付けてくるシンシア嬢がどこを見ているのか、わからない。僕は彼女を見るつもりがないのだ。
「君とは『私達』なんて言われる関係ではないよ」
僕はできるだけ冷たく言い放つ。
「でも、障害は多いほど、恋は燃えるものだわ」
僕の言葉は、すべて無視か。まるで今、演劇のヒロインになっているかのようなシンシア嬢のセリフに嫌気がさす。
「君と恋なんてしないっ!」
体は動かない。今、僕が抵抗できるのは、口だけだ。目眩は激しくなり、頭はグラグラしている。それでも抵抗し続ける。
「今なら、あなたがどれだけ私を求めていたのかがわかるわ。他の人に私を取られたくなかったのね。だから、あんなに私の邪魔をして」
僕の正面にまわって、僕の胸あたりを擦る。気持ち悪い。シンシア嬢が僕の顔を見上げて微笑んでいることが、視界の隅でもわかる。
「他の人って、僕の友達だよね。君みたいな女に友達は渡さないよ」
僕は友人たちの顔を思い浮かべて、目眩で倒れそうな体と戦う。
「私は、ボブ君の辛さ、わかってるよ。公爵なんて継ぎたくないよね?お兄様の変わりなんて、しなくていいのよ。お兄様の影に怯えないで」
僕の頬を両手で、触る。口づけでもされてしまいそうだ。
しかし、『公爵なんて継ぎたくないよね?』と、言われた瞬間、体を捕らえていた何かが、少しだけ緩んだ気がした。
「何を言ってるんだ?」
「公爵になんて、ならなくてもいいのよ。
あなたは、あなたの実力だけで侯爵になれるわ。あなたが自分で得る地位よ。
だから、あなたはあなたの好きなことをすればいいの。大丈夫、私がついているわ」
『パリーン』
僕の中で何かが壊れた。僕は、シンシア嬢の肩を両手で掴んでいた。シンシア嬢をガクガクと揺らす。
「お前に何がわかるんだっ!僕は兄上のことも大好きだし、家族も大好きなんだっ!もし、何らかの理由で僕が公爵になることになったとしても、それは受け入れるさ。その上で、家族もクララも守ってみせるよっ!
そもそも、君は根底が間違っているんだ。
まず1つ!兄上は生きている。来月には結婚式だ。僕に新しい家族が増える。
次に1つ!僕はすでに好きなことをしているよ。次男だからね、自由も友達もいっぱいさっ!
更に1つ!君の存在なんか、僕には何の役にもたたない。君がいるから大丈夫だなんて、気持ち悪いこと言うなっ!僕にはクララがいる。それで充分なんだよっ!」
言いたいことを吐き出すと、思わずシンシア嬢を突き飛ばした。僕の目はきっと血走っているだろう。眉は釣り上がり、まさに鬼のような形相でないかと、思う。それほど、怒りで狂いそうだった。
しかし、その時、後から衝撃を受けた。後ろを振り返ると、クララが僕に抱きついていた。
「ジル、ジル!」
泣きながら、僕の名前を呼ぶ愛しい声。
「ク、クララ、僕は…」
僕の中の怒りの塊が、急速に縮んでいく。この人にこんな顔は見せたくない。この朗らかで優しくて温かなこの人に、僕がこんな怒りを持つような男だと思われたくない。僕はこの人の隣に立つべき男でありたい。
僕の目には、僕の心には、もうクララしか映っていなかった。
「な、なんで?なんで、私を好きにならないのよっ!そんな女より、私の方がずっと美人じゃないのっ!
アレクシスが生きてるですって?!どういうことよ。じゃあ、まさか、ブランドンも生きているの?二人は死んでいるはずでしょう?
じゃあ、コンラッドを落としても王妃になれないってことなの?ふざけないでよっ!」
シンシア嬢が何か騒いでいるが、どこか遠い喧騒のようだ。僕はクララを抱きしめて、自分を取り戻そうとしていた。
「なによそれっ!
そもそも、なんで誰も私を虐めないのよ。だから、男たちが私になびかないんじゃない!
そうよ!あんたが悪いのよっ!全部全部、あんたがっ!!」
シンシア嬢が、動いた。僕はゆっくりだが、目でシンシア嬢を追った。
シンシア嬢の目はマーシャだけを見ていた。マーシャが襲われる!そう気がついて、僕は目を見開いた。それと同時にコンラッドがマーシャを抱き庇い、コンラッドの背中には、セオドアが立ちはだかった。そして、セオドアがシンシア嬢を止めて、投げた。
僕にはすべてがスローモーションに見えた。
「ぎゃー!」「きゃっ!」
シンシア嬢が物凄い悲鳴をあげて、転がる。クララは女性が投げられたことで小さな悲鳴をあげた。
「ウォル、衛兵を呼んできてくれ。第一王子である兄上の死を願っている者を放っておけない」
キビキビとした口調で、コンラッドが指示をだす。
「はっ!」
ウォルがすぐさま走っていく。
「バージル、クララを連れて、セオドアの後ろに回れ」
「はい」
僕はただ反応して動いた。『これが上に立つことを学んできた者の指導力というものかもしれない』と、僕は後で考えることになる。とにかく今は、指示に素直に従うだけだ。
僕とクララは、お互いに支え合うように、コンラッドの隣まで移動した。
「セオドア、シンシア嬢から目を離すなよ。そのまま右へ2歩。木剣がある。構えろ」
的確に現状を最善な形にしていくコンラッド。コンラッドはいつの間にか、胸ではなく、背中でマーシャを支えていた。
「はっ!」
壁には、いつもセオドアが暇をみつけては素振りをしていた木剣が立て掛けてあった。セオドアもコンラッドの指示に従う。
シンシア嬢は、頭を抱えて座り込み、ブツブツつぶやいている。セオドアは、木剣ではあるが、そのシンシア嬢に剣先を向けて、体制を整えた。
「決して、外へ出すな。動くようなら、怪我をさせても構わない。責任は僕が持つ」
「はっ!」
セオドアなら、シンシア嬢の足を狙って動きを止めることは造作もないことだろう。
「マーシャ、大丈夫か?」
コンラッドが、少し優しい口調になりマーシャを気遣った。何せ、襲われそうになったのは、1番近くにいた僕やクララではなく、マーシャなのだ。
「はい」
それでも、マーシャは、しっかりとした口調で答えていた。
マーシャは8歳頃から数年間、王妃候補として他の候補者とともに、王宮で学んでいた。しかし、その後も公爵家でマーシャ以外の跡継ぎができなかったこともあり、ブランドン第一王子の婚約者候補から降りたそうだ。マーシャが、公爵家の跡取りなのに、15歳まで婚約者がいなかったのは、そういう理由だ。そして、コンラッドが婚約者を求めた時、真っ先に名前が上がったというわけだ。
ここでの冷静さは、その時の教育の賜物かもしれない。
「では、クララを連れて廊下へ出ているんだ。万が一でも君たちに怪我をさせるわけにはいかない。衛兵が来たら、一人は側に置いておくように」
コンラッドの声は優しさに満ちていた。
「はい。畏まりました。クララ、参りましょう」
僕はクララをマーシャに託した。そして、コンラッドの脇に立った。
二人が出ていくのと同時に、こちらへ向かって走ってくる複数の足音がした。
シンシア嬢が衛兵に連れて行かれた。シンシア嬢は、脇を衛兵に掴まれても、ブツブツと呟くのをやめなかった。あれほど固執していた僕たちには目もくれなかった。
クララとマーシャは、ウォルと衛兵が馬車寄せまで送ってきた。クララは最後まで僕を心配そうに見ていたが、帰りにクララの伯爵邸に寄ると約束をして、先に帰ってもらった。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
申し訳ないけど、悪役令嬢から足を洗らわせてもらうよ!
甘寧
恋愛
この世界が小説の世界だと気づいたのは、5歳の頃だった。
その日、二つ年上の兄と水遊びをしていて、足を滑らせ溺れた。
その拍子に前世の記憶が凄まじい勢いで頭に入ってきた。
前世の私は東雲菜知という名の、極道だった。
父親の後を継ぎ、東雲組の頭として奮闘していたところ、組同士の抗争に巻き込まれ32年の生涯を終えた。
そしてここは、その当時読んでいた小説「愛は貴方のために~カナリヤが望む愛のカタチ~」の世界らしい。
組の頭が恋愛小説を読んでるなんてバレないよう、コソコソ隠れて読んだものだ。
この小説の中のミレーナは、とんだ悪役令嬢で学園に入学すると、皆に好かれているヒロインのカナリヤを妬み、とことん虐め、傷ものにさせようと刺客を送り込むなど、非道の限りを尽くし断罪され死刑にされる。
その悪役令嬢、ミレーナ・セルヴィロが今の私だ。
──カタギの人間に手を出しちゃ、いけないねぇ。
昔の記憶が戻った以上、原作のようにはさせない。
原作を無理やり変えるんだ、もしかしたらヒロインがハッピーエンドにならないかもしれない。
それでも、私は悪役令嬢から足を洗う。
小説家になろうでも連載してます。
※短編予定でしたが、長編に変更します。
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは小説の世界だ。
乙女ゲームの悪役令嬢が主役で、悪役にならず幸せを掴む、そんな内容の話で私はその主人公の姉。しかもゲーム内で妹が悪役令嬢になってしまう原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私は所謂モブ。
この世界のルールから逸脱しないように無難に生きていこうと決意するも、なぜか第一王子に執着されている。
そういえば、元々姉の婚約者を奪っていたとか設定されていたような…?
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
大嫌いな令嬢
緑谷めい
恋愛
ボージェ侯爵家令嬢アンヌはアシャール侯爵家令嬢オレリアが大嫌いである。ほとんど「憎んでいる」と言っていい程に。
同家格の侯爵家に、たまたま同じ年、同じ性別で産まれたアンヌとオレリア。アンヌには5歳年上の兄がいてオレリアには1つ下の弟がいる、という点は少し違うが、ともに実家を継ぐ男兄弟がいて、自らは将来他家に嫁ぐ立場である、という事は同じだ。その為、幼い頃から何かにつけて、二人の令嬢は周囲から比較をされ続けて来た。
アンヌはうんざりしていた。
アンヌは可愛らしい容姿している。だが、オレリアは幼い頃から「可愛い」では表現しきれぬ、特別な美しさに恵まれた令嬢だった。そして、成長するにつれ、ますますその美貌に磨きがかかっている。
そんな二人は今年13歳になり、ともに王立貴族学園に入学した。
前世の推しが婚約者になりました
編端みどり
恋愛
※番外編も完結しました※
誤字のご指摘ありがとうございます。気が付くのが遅くて、申し訳ありません。
〈あらすじ〉
アマンダは前世の記憶がある。アイドルが大好きで、推しが生きがい。辛い仕事も推しの為のお金を稼ぐと思えば頑張れる。仕事や親との関係に悩みながらも、推しに癒される日々を送っていた女性は、公爵令嬢に転生した。
推しが居ない世界なら誰と結婚しても良い。前世と違って大事にしてくれる家族の為なら、王子と婚約して構いません。そう思っていたのに婚約者は前世の推しにそっくりでした。
推しの魅力を発信するように婚約者自慢をするアマンダに惹かれる王子には秘密があって…
別サイトにも掲載中です。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】気づいたら異世界に転生。読んでいた小説の脇役令嬢に。原作通りの人生は歩まないと決めたら隣国の王子様に愛されました
hikari
恋愛
気がついたら自分は異世界に転生していた事に気づく。
そこは以前読んだことのある異世界小説の中だった……。転生をしたのは『山紫水明の中庭』の脇役令嬢のアレクサンドラ。アレクサンドラはしつこくつきまとってくる迷惑平民男、チャールズに根負けして結婚してしまう。
「そんな人生は嫌だ!」という事で、宿命を変えてしまう。アレクサンドラには物語上でも片思いしていた相手がいた。
王太子の浮気で婚約破棄。ここまでは原作通り。
ところが、アレクサンドラは本来の物語に無い登場人物から言い寄られる。しかも、その人物の正体は実は隣国の王子だった……。
チャールズと仕向けようとした、王太子を奪ったディアドラとヒロインとヒロインの恋人の3人が最後に仲違い。
きわめつけは王太子がギャンブルをやっている事が発覚し王太子は国外追放にあう。
※ざまぁの回には★印があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる