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「もぉ~ヒドイですぅ。私が綺麗だからってルゥドリッヒ様に近づくからって嫌がらせやめてくださ~い。怖いですぅ~グスン。」

ほんとに怖いと思ってるのか?
自分で綺麗とかグスンとか言ってる人初めて見た。

「何かの勘違いでは?私はビッヒ男爵令嬢が話しかけてきて以来あなたをお見かけしたことすらございませんわ。」

なぜならルゥーが私を囲ってたからだ。
ヒロインのお陰で大変だったんだから。
私が怨み節を言いたい。


「ニィーア、ビッヒ男爵令嬢から絡まれたって聞いたが、俺は何もやましいことはない。ニィーア一筋だ。入学式から馴れ馴れしく話しかけてくるから俺も困ってる。何度名前を呼ぶなと言っても頭がお花畑みたいで理解しないんだ。大体、俺のニィーアに嘘を吹き込んで許せん。ニィーアに接触しないように囲んでしまいたい。いや囲もう。うん、それがいいな。」

「そうでしたの。私はルゥーを信じてるから気にしてませんわ。ただ、第一王子としては噂でもよくないですね。」

ルゥーがめちゃくちゃ怒ってる。
そりゃそうだ。何もしてないのにあのヒロインと噂になってるんだから。
最後の方はどういう意味??
本当にそのままの意味だったら怖いから。

「それは大丈夫だ。俺とニィーアがずっと一緒にいて仲良さを見せつければ噂は消える。」

ん??流れの矛先が私に来てるような。
にっこり笑ってるが、四六時中側にいろと聞こえるのは気のせいかな。

その日からほぼ学園でも家に帰りつくまでも……いや、部屋にまでルゥーが離れなくなった。
逆行前は私を遠くから眺めるか影をつけて監視されてたくらいだったのに、心配だからと今では本人がいるから嬉しい半面鬱陶しい。
困るのがトイレにお風呂だ。
どちらにも一緒に行こうとして変態だ。

ヒロインが私に絡んでくるからルゥーが激しくなって厄介極まりない。
 


「ちょっと聞いてますの?」

「ああ、ごめんなさい。ちょっと考え事をしてましたの。」

ルゥーとのことを思い出していて聞いてなかった。
あなたのせいでルゥーとの時間が逆に増え、一人の時間がなくなってしまったからもう絡まないでほしい。

「だから、ルゥドリッヒ様に言いつけるから。私をいじめたこと後悔するといいわ。」

私何もしてないのに酷い言われようだ。
私も言いたい、もう絡まないでと。

「これだけは言わせてください。私は何もしてないわ。一体どんなことをされたの?」

「白々しい。私のこと陥れるために他のご令嬢達を使って物を隠したり突き飛ばしたりしたじゃない。」

私の知らないところでそんなことが?
他の令嬢って私が話す人はバーニャしかいないけど………と思ってチラッと見るとバーニャが首を傾けてワケわからないっとポーズをとるから私たちも知らない令嬢みたいだ。

「ビッヒ男爵令嬢、辛かったのですね。私はバーニャ公爵令嬢としか入学して話してませんのでその他の令嬢達が誰なのか存じませんが、ルゥーに言って探してもらいましょうね。」

私だけでは探せないからルゥーに相談しなきゃ。

「ビッヒ男爵令嬢、ルゥドリッヒ殿下に言うときはお気をつけを。あなたは大変なことを仕出かしましたわね。ルゥドリッヒ殿下の爆弾ニィーアに絡んでは公爵家の私でさえも庇いきれませんわ。まぁ、庇うつもりはございませんが。」

バーニャがヒロインに近づいて何やら話してるが聞こえなかった。
ヒロインはバーニャを睨み付けながら去っていった。


それにしても、ヒロインって優しくておしとやかなイメージだったけどこんなにも違うのね。
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