46 / 98
第一章 ヒロイン編
46.
しおりを挟む
「カル?」
なんでここにいるんですか?
さっきまで誰もいなかったですのに………。
カルと目が合うと、エスト・グレニチェの手を払いのけカルは私を引き寄せ抱き締めた。
「ネックレスに変化があったから来てみればエスト、君の仕業か!!」
「さすが早かったですね~。しかもこんなに焦ってるカルティド殿下は初めて見ましたよ。リティアナ嬢が大切なんですね。」
カルの威圧に動じることなく前髪をかき上げにっこりと笑顔で話すエスト・グレニチェ。
前髪を上げると整った全体の顔が見えてそれはそれは令嬢達が騒ぐに違いない美男子でしたわ。
さすが攻略対象です!!美形揃い感半端ないですわ。
しかし見ていると二人は仲が悪いのでしょうか?
その前に知り合いでしたのね。
「リティは俺の大切な人だ。それなのにエストはリティに近づいた上にネックレスを触ったな。今すぐにでもリティに触れたエストの手を切り落としたいね。」
出だしはとても嬉しい言葉だったのですが、だんだんと雲行き……というか恐ろしいことを言い出しましたわ。
エスト・グレニチェはカルの言葉を聞きながら微笑んでおり余裕すら見えますわ。
「切り落とされたら困るな。それにしてもリティアナ嬢は凄いね!カルティド殿下がここまで感情を剥き出しにすることは滅多にないよ。女嫌いと思っていたが想い人がいたからだったのか。どれだけの令嬢が泣くことか……ははっ。」
そうなのでしょうか?
私の前だとカルは表情豊かなような気がします。
エスト・グレニチェの最後の言葉は納得ですわ。
カルのことを好きな人はいたと思うのです。
皇太子だからとかではなく素直に優しいから……やられたご令嬢は数えきれないほどいるでしょうね。
「リティにもう絡むなよ。」
「…………同じクラスだしどうでしょうね。とりあえずここからは退散しますよ。あっ、誤解されないように言いますがリティアナ嬢はこの部屋に一人先にいましたよ。俺が連れ込んだわけではないので………それじゃ、またねリティアナ。」
最後呼び捨てでしたが…………もう正す気がおきませんでしたわ。
それよりもカルに抱き締められてる力がだんだん強くなって、怒ってるであろうカルの方が気になってしかたありません。
それに暴露して颯爽と行かなくてもいいじゃないですか。
………どっちにしてもカルにはエスト・グレニチェと二人でいたところを見られたので最初から説明をしなければなりませんが………今回は私の不注意です。
心配をかけたくはありませんわ。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
「くそっ!!なんなんだあの笑顔は…………。」
部屋を出てすぐに転移魔法で屋上へうつった。
誰にも見られたくない顔を隠すために……今の俺は顔が火照っていて真っ赤だろうな。
最初はあのカルティド殿下の婚約者だからからかってやろうと近づいたのに……前髪を掻き分けられて綺麗とキラキラした瞳で見つめられ、あの屈託のない笑顔を向けられるととても正気じゃいられなかった。
カルティド殿下を呼ばなければリティアナを抱き締めていたかもしれない。
「やばいよな……カルティド殿下の婚約者なのに……。」
なんでここにいるんですか?
さっきまで誰もいなかったですのに………。
カルと目が合うと、エスト・グレニチェの手を払いのけカルは私を引き寄せ抱き締めた。
「ネックレスに変化があったから来てみればエスト、君の仕業か!!」
「さすが早かったですね~。しかもこんなに焦ってるカルティド殿下は初めて見ましたよ。リティアナ嬢が大切なんですね。」
カルの威圧に動じることなく前髪をかき上げにっこりと笑顔で話すエスト・グレニチェ。
前髪を上げると整った全体の顔が見えてそれはそれは令嬢達が騒ぐに違いない美男子でしたわ。
さすが攻略対象です!!美形揃い感半端ないですわ。
しかし見ていると二人は仲が悪いのでしょうか?
その前に知り合いでしたのね。
「リティは俺の大切な人だ。それなのにエストはリティに近づいた上にネックレスを触ったな。今すぐにでもリティに触れたエストの手を切り落としたいね。」
出だしはとても嬉しい言葉だったのですが、だんだんと雲行き……というか恐ろしいことを言い出しましたわ。
エスト・グレニチェはカルの言葉を聞きながら微笑んでおり余裕すら見えますわ。
「切り落とされたら困るな。それにしてもリティアナ嬢は凄いね!カルティド殿下がここまで感情を剥き出しにすることは滅多にないよ。女嫌いと思っていたが想い人がいたからだったのか。どれだけの令嬢が泣くことか……ははっ。」
そうなのでしょうか?
私の前だとカルは表情豊かなような気がします。
エスト・グレニチェの最後の言葉は納得ですわ。
カルのことを好きな人はいたと思うのです。
皇太子だからとかではなく素直に優しいから……やられたご令嬢は数えきれないほどいるでしょうね。
「リティにもう絡むなよ。」
「…………同じクラスだしどうでしょうね。とりあえずここからは退散しますよ。あっ、誤解されないように言いますがリティアナ嬢はこの部屋に一人先にいましたよ。俺が連れ込んだわけではないので………それじゃ、またねリティアナ。」
最後呼び捨てでしたが…………もう正す気がおきませんでしたわ。
それよりもカルに抱き締められてる力がだんだん強くなって、怒ってるであろうカルの方が気になってしかたありません。
それに暴露して颯爽と行かなくてもいいじゃないですか。
………どっちにしてもカルにはエスト・グレニチェと二人でいたところを見られたので最初から説明をしなければなりませんが………今回は私の不注意です。
心配をかけたくはありませんわ。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
「くそっ!!なんなんだあの笑顔は…………。」
部屋を出てすぐに転移魔法で屋上へうつった。
誰にも見られたくない顔を隠すために……今の俺は顔が火照っていて真っ赤だろうな。
最初はあのカルティド殿下の婚約者だからからかってやろうと近づいたのに……前髪を掻き分けられて綺麗とキラキラした瞳で見つめられ、あの屈託のない笑顔を向けられるととても正気じゃいられなかった。
カルティド殿下を呼ばなければリティアナを抱き締めていたかもしれない。
「やばいよな……カルティド殿下の婚約者なのに……。」
0
お気に入りに追加
641
あなたにおすすめの小説
ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です
チートな幼女に転生しました。【本編完結済み】
Nau
恋愛
道路に飛び出した子供を庇って死んだ北野優子。
でもその庇った子が結構すごい女神が転生した姿だった?!
感謝を込めて別世界で転生することに!
めちゃくちゃ感謝されて…出来上がった新しい私もしかして規格外?
しかも学園に通うことになって行ってみたら、女嫌いの公爵家嫡男に気に入られて?!
どうなる?私の人生!
※R15は保険です。
※しれっと改正することがあります。
絶対に近づきません!逃げる令嬢と追う王子
さこの
恋愛
我が国の王子殿下は十五歳になると婚約者を選定される。
伯爵以上の爵位を持つ年頃の子供を持つ親は娘が選ばれる可能性がある限り、婚約者を作ることが出来ない…
令嬢に婚約者がいないという事は年頃の令息も然り…
早く誰でも良いから選んでくれ…
よく食べる子は嫌い
ウェーブヘアーが嫌い
王子殿下がポツリと言う。
良い事を聞きましたっ
ゆるーい設定です
平凡地味子ですが『魔性の女』と呼ばれています。
ねがえり太郎
恋愛
江島七海はごく平凡な普通のOL。取り立てて目立つ美貌でも無く、さりとて不細工でも無い。仕事もバリバリ出来るという言う訳でも無いがさりとて愚鈍と言う訳でも無い。しかし陰で彼女は『魔性の女』と噂されるようになって―――
生まれてこのかた四半世紀モテた事が無い、男性と付き合ったのも高一の二週間だけ―――という彼女にモテ期が来た、とか来ないとかそんなお話
※2018.1.27~別作として掲載していたこのお話の前日譚『太っちょのポンちゃん』も合わせて収録しました。
※本編は全年齢対象ですが『平凡~』後日談以降はR15指定内容が含まれております。
※なろうにも掲載中ですが、なろう版と少し表現を変更しています(変更のある話は★表示とします)
転生姫様からの転生は魔術師家系の公爵家
meimei
恋愛
前世は日本人、さらに次の生は姫に生まれ、
沢山の夫や子供達に囲まれた人生だった。
次の生は……目が覚めると小さな手足…うん
赤ちゃんスタートだった。
どうやら魔術師家系の公爵家の末っ子に生まれたみたい!3人の兄達に可愛がられすくすくと
チート魔力、魔法を開花させ!
前世の…夫達も探さなきゃ!!!
みんなどこいるの!!!!
姫様の困ったお家事情の主人公がさらに転生した話しですが、R15にしました(*^^*)
幼児スタートですので宜しくお願い致します!
☆これは作者の妄想による産物です!
登場する、植物、食べ物、動物すべてフィクションになります!
誤字脱字はゆるく流して貰えるとありがたいです♡
そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
転生モブ令嬢は婿を取らなければいけないのに、【 皇 太 子 殿 下 】の求愛が止まりませんっ!?
indi子/金色魚々子
恋愛
事故で死んでしまった【私】は、前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢……の隣で「オーホッホッホッ」って高笑いするモブ令嬢に転生していた!?
いずれ学園から追放されてしまう悪役令嬢のそばにいていいものか。今後の身の振り方を考えていたある日、当家の跡継ぎであるお兄様がまさかの駆け落ち! 家の後継を得るために、私が婿を取らなければいけないことに!
こうしちゃいられないとお婿さん探しを始めたら、なぜかメインヒーローである【 皇 太 子 殿 下 】から求愛されて……?
ノーモア長男、ギブミー次男!
婿取り転生モブ令嬢の苦難の道のりが、今、始まる!
表紙画像 いらすとや様
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる