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第一章 ヒロイン編

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長い黒髪に黒い瞳………入学式でイベント?発生したときにいた多分ヒロインじゃないでしょうか。
何故この方がイークス侯爵令嬢と一緒にいるのでしょうか。
だって私と同じ学年のはずですが………。

「うふふ。初めまして、ファシリック公爵令嬢とクラスは違いますが同じ学年のサラリー・モーリスと申します。」

モーリス男爵令嬢………やはりこの方がゲームのヒロイン設定の人だ。
何故この人がここにいるのでしょう?
私はモブですわ。ヒロインと関わることはないはずですが……。
しかも、ヒロインって優しい雰囲気に誰もが惚れるような設定だが、サラリー・モーリス令嬢はつり目のどちらかと言うとクールビューティでありますわ。
可愛いよりも女王様タイプの方の雰囲気がありますわ。

「サラリー・モーリス男爵令嬢、初めまして。忠告とはどのようなことでしょうか?」

「あら、ご自分でも気づいてるのではなくて?」

いや、わかりませんわ。
私は話したこともなかったヒロインに何故このような威圧的に責められてるのでしょうか。

「すみません、よくわかりませんわ。」

「はぁ………いいこと。カルティド殿下が本当にファシリック令嬢を選んだとでも??まだに出逢ってないだけ。それももう出逢いますわ。うふふ。婚約者になったとしてもそのうち見向きもされず悲惨な運命を辿るだけですの。イークス侯爵令嬢含め誰が運命の相手なのか結婚するまでわかりませんのよ。」

運命の相手ですか。
はい、このヒロイン転生者ですね!!
こんなに堂々とイークス侯爵令嬢を味方につけて実は自分の方が運命の相手と言ってるのも同然の言い方をするなんて自分が主人公ヒロインだと思っているに違いない。
婚約者がいたとしても、ヒロインに出逢うと婚約者を蔑ろにして最後はヒロインとハッピーエンドになることを知っているから強く出れるんですわ。
はぁ………私はヒロインでも悪役令嬢でもありませんただのモブなのに何故このように目をつけられてしまうのでしょう。
それに………ヒロインはどうやらカルルートに行きたいみたいですね。

「サラリー令嬢の言う通りですわ。ファシリック公爵令嬢、今はの婚約者ですわ。カルティド殿下はあなたのものではありませんの。パーティーでのことは穏便に済ませただけで本当は私を受け入れてくれてますのよ。」

素晴らしいですがいたい…………いたいです。
イークス侯爵令嬢あんなに拒絶されてなおその考えはとても自分に自信がないとできませんわ。
周りの人達もドン引きしてますが………ゲームの筋書き通りなら目の前のヒロインが結ばれますわね。

「ご忠告ありがとうございます。に奪われないように気を付けておきますわ。」

二人を見据えて目で圧をかけ最後はにっこりと微笑み伝えました。
二人とも私の迫力に少し後退したようでしたが喧嘩を売ってきたのはそちらですわ。
ファシリック公爵家で育った私をなめないでいただきたいです。
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