75 / 148
8章
75、エデン正教
しおりを挟む
「女神復活が近いだと?……あり得んな」
角ばった顔に白ひげを蓄え、確かな歳月を感じさせながらも背筋がシャキッと伸び、ギラリと鋭い眼光が年を感じさせない。白を基調とした清潔で豪奢な衣装がただ者でないと感じさせる。
彼はエデン正教の枢機卿イアン=ローディウス。エデン正教の聖騎士ヘクターからの報告書を鼻で笑って机に投げた。
「何故女神教を泳がせていたと思う?不可能だからだ。女神復活という世迷い言を大義名分とし、信者を集めたとて皇魔貴族はどうにも出来ん。人間では勝ち目など存在せんのだからな」
「おやおやぁ?ローディウス卿は女神復活どころか皇魔貴族も知っていたのですねぇ。信徒として鼻が高いですが、冒険者の立場から言うと怒りが込み上げてきますねぇ……」
「知らぬ方が良いことも時にはある。この件もまたその1例であろうな。端的に言えば皇魔貴族にとって我らは敵にすらならない。今回の呼び出しで何が狙いかを知りたかったのだが……上手くいかぬものよ」
「僕たちの命を以って情報を引き出そうと?ローディウス卿は情がございませんなぁ」
ヘクターはヘラヘラ笑っているがその目は鋭く輝いていた。ヘクターの物言いが気に入らない司教はヘクターに食ってかかる。
「貴様!ローディウス様に失礼であろう!」
「でも~そう思いませ~ん?情報と~命。どちらが大切ですか~?僕は後者ですので~死にたくないんですよ~」
「その間延びした喋り方は何とかならんのか!不愉快だ!」
その時、ローディウスはスッと手を上げた。その動作に場が静まる。
「卿の言うことは最もだが、私を笠に着てヘクターを責める真似は感心しないな」
「なっ!?け、決してそのような……!!」
「もう良い。下がれ」
司祭は言い訳もさせてもらえないまま苦々しい顔で部屋から出て行った。同時にローディウスはスッと立ち上がってヘクターに背を向ける。意図を汲み取ったヘクターは2回ほど頷いて唇を尖らせた。
「……2人きりでお話しされたいことがあるようですねぇ。皇魔貴族の話でしょうか?それとも女神関連?出来ればすべて聞かせていただけるとひじょ~にありがたいのですが?」
「少し長くなるが良いかね?」
「ええ、ええ。時間はた~っぷりありますから」
肩越しにヘクターを見たローディウスは意を決したように振り向いた。
「遥か昔、エデン正教は皇魔貴族と手を結んでいた。いや、正確にはある魔族に服従していたのだ。人間はいかなる場合においても魔族に弓引くことなく、ただひたすらに恭順し、黒を白と断じて絶滅を免れていた。当然正教内部に不満が生じ、背教するものたちも後をたたない。ただルール無用の世の中になっても魔族にだけは誰1人手を出さなかった。首の皮一枚で命を永らえた混迷の時代。我らの行く末は暗く淀んでいたのだが、ある日1つの転機が訪れる」
「女神……ですかね?」
「そうだ。女神ミルレース。鬱屈としていた我らにとっては、まさに救世主たる存在だと考えられる。しかし実態は少々違っていた。魔族を攻撃し始めたところから人間の味方だと思われていたそれは、我ら人間にも牙を剥いてきたと文献に記録されている。誰の味方をするでもなく暴れまわる邪神。皇魔貴族を倒せる力を保有していることから、人間では相手にならず、嵐が過ぎ去るのを待つしか道はなかった」
「何と情けない話でしょうか。同じ人間として恥ずかしく思いますねぇ」
「うむ。同感だが話はここからよ。女神の力を脅威と感じた魔族にとって、戦力となるものは是が非でも確保したい貴重なものとなった。しかし人間は力が弱すぎて不十分。消去法により普段手を取り合うことのない皇魔貴族が一丸となって女神に戦いを挑み、何とか封印に漕ぎ着けた。戦いに一切関与しなかったことで我ら人間は傷一つ付くことはなかったが、同時に女神の情報を得ることは出来なかった。その後、ひとときの平穏が訪れるも魔族内部で仲違いが起き、我らが服従していた魔族は討伐され、皇魔貴族との関わりは絶たれた」
そっと机を撫でながらため息をつく。
「もう何百年も昔に終わった話だがな……」
「はぁ~なるほどねぇ。皇魔貴族が人間を襲わなかったのは取引の賜物かぁ。でもその取引したっていう皇魔貴族が討伐されたのなら、それと関わっていた僕らも被害を被るでしょ?昨今まで魔族に関することは特に何もなかったし、何も対策は練られていないように思うのですけど?」
「隠れ潜んだ奴隷にまで目を配るほどあちらも暇ではないということだろう。それゆえにこちらの対応も外にではなく内側に焦点を絞った。箝口令を敷くことはもちろん、当時を綴った歴史書は禁書庫に保管。大司教、高司祭、そして私枢機卿の協議の末の承認、さらに教皇のお許しを経て初めて閲覧許可が下りる徹底ぶりだ」
「ほぉ~?だとするなら僕に語った今のこれは越権行為では?」
「分からんか?皇魔貴族が女神復活を掲げ、脇目も振らずに出てきたのだぞ?……解禁だよ。とはいえ、情報の開示は選ばれたものだけの特権であると言えるがね」
ローディウスは追い出した司教の後ろ姿を幻視するように出入り口に目を向けた。
「……2、3質問があるのですが宜しいでしょうか?」
「ん?なんだ」
「もしやと思いますが、エデン正教から棄教した元信徒たちが女神教を立ち上げたのではありませんか?」
「気づいたか。その通りだ。皇魔貴族に対する劇薬として女神を利用するために設立したと聞いている。女神教創設者のメンバーリストにエデン正教に居た司教たちの名前が連なっていたから間違いない」
「女神が封印され、皇魔貴族の支配から解放された昨今、女神教との関わりは我々が知らされていないだけで実はかなり変化したのではないですか?」
「変わらん。むしろ奴らはさらに力を求め拡大し、設立メンバーの意図を超えて暴走している。そのような邪教に関わることなど時間の無駄だ」
「あ~……そうですか~」
「ガッカリかね?」
「いえいえ、そういうことではないですよ。今回の件に我々は一切関与していないということが分かったことへの安堵ですよぉ。これで遠慮なく邪教として叩き潰せるというものです」
「ふっ……その時が来たなら真っ先に卿にその任を与えよう」
2人で静かに笑い合う。しばしの沈黙が流れ、キュッと表情を固めたローディウスは顔を上げた。
「さて、ヘクターよ。卿に別件で任務を与える。聖騎士を召集せよ」
「全員?でも皇魔貴族には勝ち目はないのでは?」
「どうあっても皇魔貴族との対立は避けられん。その上で今回の件に深く関わる存在にアプローチをかける」
ヘクターは目を細めて意図を読み解こうとする。彼が自力で辿り着く前にローディウスは口を開いた。
「レッド=カーマインを叩く」
「ふふっ……何のために?」
「皇魔貴族が重要視する人間だぞ?理由を知りたいと思わないか?」
ローディウスの真意は分からなかったが、ヘクターはその任務を受諾した。
角ばった顔に白ひげを蓄え、確かな歳月を感じさせながらも背筋がシャキッと伸び、ギラリと鋭い眼光が年を感じさせない。白を基調とした清潔で豪奢な衣装がただ者でないと感じさせる。
彼はエデン正教の枢機卿イアン=ローディウス。エデン正教の聖騎士ヘクターからの報告書を鼻で笑って机に投げた。
「何故女神教を泳がせていたと思う?不可能だからだ。女神復活という世迷い言を大義名分とし、信者を集めたとて皇魔貴族はどうにも出来ん。人間では勝ち目など存在せんのだからな」
「おやおやぁ?ローディウス卿は女神復活どころか皇魔貴族も知っていたのですねぇ。信徒として鼻が高いですが、冒険者の立場から言うと怒りが込み上げてきますねぇ……」
「知らぬ方が良いことも時にはある。この件もまたその1例であろうな。端的に言えば皇魔貴族にとって我らは敵にすらならない。今回の呼び出しで何が狙いかを知りたかったのだが……上手くいかぬものよ」
「僕たちの命を以って情報を引き出そうと?ローディウス卿は情がございませんなぁ」
ヘクターはヘラヘラ笑っているがその目は鋭く輝いていた。ヘクターの物言いが気に入らない司教はヘクターに食ってかかる。
「貴様!ローディウス様に失礼であろう!」
「でも~そう思いませ~ん?情報と~命。どちらが大切ですか~?僕は後者ですので~死にたくないんですよ~」
「その間延びした喋り方は何とかならんのか!不愉快だ!」
その時、ローディウスはスッと手を上げた。その動作に場が静まる。
「卿の言うことは最もだが、私を笠に着てヘクターを責める真似は感心しないな」
「なっ!?け、決してそのような……!!」
「もう良い。下がれ」
司祭は言い訳もさせてもらえないまま苦々しい顔で部屋から出て行った。同時にローディウスはスッと立ち上がってヘクターに背を向ける。意図を汲み取ったヘクターは2回ほど頷いて唇を尖らせた。
「……2人きりでお話しされたいことがあるようですねぇ。皇魔貴族の話でしょうか?それとも女神関連?出来ればすべて聞かせていただけるとひじょ~にありがたいのですが?」
「少し長くなるが良いかね?」
「ええ、ええ。時間はた~っぷりありますから」
肩越しにヘクターを見たローディウスは意を決したように振り向いた。
「遥か昔、エデン正教は皇魔貴族と手を結んでいた。いや、正確にはある魔族に服従していたのだ。人間はいかなる場合においても魔族に弓引くことなく、ただひたすらに恭順し、黒を白と断じて絶滅を免れていた。当然正教内部に不満が生じ、背教するものたちも後をたたない。ただルール無用の世の中になっても魔族にだけは誰1人手を出さなかった。首の皮一枚で命を永らえた混迷の時代。我らの行く末は暗く淀んでいたのだが、ある日1つの転機が訪れる」
「女神……ですかね?」
「そうだ。女神ミルレース。鬱屈としていた我らにとっては、まさに救世主たる存在だと考えられる。しかし実態は少々違っていた。魔族を攻撃し始めたところから人間の味方だと思われていたそれは、我ら人間にも牙を剥いてきたと文献に記録されている。誰の味方をするでもなく暴れまわる邪神。皇魔貴族を倒せる力を保有していることから、人間では相手にならず、嵐が過ぎ去るのを待つしか道はなかった」
「何と情けない話でしょうか。同じ人間として恥ずかしく思いますねぇ」
「うむ。同感だが話はここからよ。女神の力を脅威と感じた魔族にとって、戦力となるものは是が非でも確保したい貴重なものとなった。しかし人間は力が弱すぎて不十分。消去法により普段手を取り合うことのない皇魔貴族が一丸となって女神に戦いを挑み、何とか封印に漕ぎ着けた。戦いに一切関与しなかったことで我ら人間は傷一つ付くことはなかったが、同時に女神の情報を得ることは出来なかった。その後、ひとときの平穏が訪れるも魔族内部で仲違いが起き、我らが服従していた魔族は討伐され、皇魔貴族との関わりは絶たれた」
そっと机を撫でながらため息をつく。
「もう何百年も昔に終わった話だがな……」
「はぁ~なるほどねぇ。皇魔貴族が人間を襲わなかったのは取引の賜物かぁ。でもその取引したっていう皇魔貴族が討伐されたのなら、それと関わっていた僕らも被害を被るでしょ?昨今まで魔族に関することは特に何もなかったし、何も対策は練られていないように思うのですけど?」
「隠れ潜んだ奴隷にまで目を配るほどあちらも暇ではないということだろう。それゆえにこちらの対応も外にではなく内側に焦点を絞った。箝口令を敷くことはもちろん、当時を綴った歴史書は禁書庫に保管。大司教、高司祭、そして私枢機卿の協議の末の承認、さらに教皇のお許しを経て初めて閲覧許可が下りる徹底ぶりだ」
「ほぉ~?だとするなら僕に語った今のこれは越権行為では?」
「分からんか?皇魔貴族が女神復活を掲げ、脇目も振らずに出てきたのだぞ?……解禁だよ。とはいえ、情報の開示は選ばれたものだけの特権であると言えるがね」
ローディウスは追い出した司教の後ろ姿を幻視するように出入り口に目を向けた。
「……2、3質問があるのですが宜しいでしょうか?」
「ん?なんだ」
「もしやと思いますが、エデン正教から棄教した元信徒たちが女神教を立ち上げたのではありませんか?」
「気づいたか。その通りだ。皇魔貴族に対する劇薬として女神を利用するために設立したと聞いている。女神教創設者のメンバーリストにエデン正教に居た司教たちの名前が連なっていたから間違いない」
「女神が封印され、皇魔貴族の支配から解放された昨今、女神教との関わりは我々が知らされていないだけで実はかなり変化したのではないですか?」
「変わらん。むしろ奴らはさらに力を求め拡大し、設立メンバーの意図を超えて暴走している。そのような邪教に関わることなど時間の無駄だ」
「あ~……そうですか~」
「ガッカリかね?」
「いえいえ、そういうことではないですよ。今回の件に我々は一切関与していないということが分かったことへの安堵ですよぉ。これで遠慮なく邪教として叩き潰せるというものです」
「ふっ……その時が来たなら真っ先に卿にその任を与えよう」
2人で静かに笑い合う。しばしの沈黙が流れ、キュッと表情を固めたローディウスは顔を上げた。
「さて、ヘクターよ。卿に別件で任務を与える。聖騎士を召集せよ」
「全員?でも皇魔貴族には勝ち目はないのでは?」
「どうあっても皇魔貴族との対立は避けられん。その上で今回の件に深く関わる存在にアプローチをかける」
ヘクターは目を細めて意図を読み解こうとする。彼が自力で辿り着く前にローディウスは口を開いた。
「レッド=カーマインを叩く」
「ふふっ……何のために?」
「皇魔貴族が重要視する人間だぞ?理由を知りたいと思わないか?」
ローディウスの真意は分からなかったが、ヘクターはその任務を受諾した。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
ゲームの世界に堕とされた開発者 ~異世界化した自作ゲームに閉じ込められたので、攻略してデバックルームを目指す~
白井よもぎ
ファンタジー
河井信也は会社帰りに、かつての親友である茂と再会する。
何年か振りの再会に、二人が思い出話に花を咲かせていると、茂は自分が神であると言い出してきた。
怪しい宗教はハマったのかと信也は警戒するが、茂は神であることを証明するように、自分が支配する異世界へと導いた。
そこは高校時代に二人で共同制作していた自作ゲームをそのまま異世界化させた世界だという。
驚くのも束の間、茂は有無を言わさず、その世界に信也を置いて去ってしまう。
そこで信也は、高校時代に喧嘩別れしたことを恨まれていたと知る。
異世界に置いてけぼりとなり、途方に暮れる信也だが、デバックルームの存在を思い出し、脱出の手立てを思いつく。
しかしデバックルームの場所は、最難関ダンジョン最奥の隠し部屋。
信也は異世界から脱出すべく、冒険者としてダンジョンの攻略を目指す。
アルゴノートのおんがえし
朝食ダンゴ
ファンタジー
『完結済!』【続編製作中!】
『アルゴノート』
そう呼ばれる者達が台頭し始めたのは、半世紀以上前のことである。
元来アルゴノートとは、自然や古代遺跡、ダンジョンと呼ばれる迷宮で採集や狩猟を行う者達の総称である。
彼らを侵略戦争の尖兵として登用したロードルシアは、その勢力を急速に拡大。
二度に渡る大侵略を経て、ロードルシアは大陸に覇を唱える一大帝国となった。
かつて英雄として名を馳せたアルゴノート。その名が持つ価値は、いつしか劣化の一途辿ることになる。
時は、記念すべき帝国歴五十年の佳節。
アルゴノートは、今や荒くれ者の代名詞と成り下がっていた。
『アルゴノート』の少年セスは、ひょんなことから貴族令嬢シルキィの護衛任務を引き受けることに。
典型的な貴族の例に漏れず大のアルゴノート嫌いであるシルキィはセスを邪険に扱うが、そんな彼女をセスは命懸けで守る決意をする。
シルキィのメイド、ティアを伴い帝都を目指す一行は、その道中で国家を巻き込んだ陰謀に巻き込まれてしまう。
セスとシルキィに秘められた過去。
歴史の闇に葬られた亡国の怨恨。
容赦なく襲いかかる戦火。
ーー苦難に立ち向かえ。生きることは、戦いだ。
それぞれの運命が絡み合う本格派ファンタジー開幕。
苦難のなかには生きる人にこそ読んで頂きたい一作。
○表紙イラスト:119 様
※本作は他サイトにも投稿しております。
一般トレジャーハンターの俺が最強の魔王を仲間に入れたら世界が敵になったんだけど……どうしよ?
大好き丸
ファンタジー
天上魔界「イイルクオン」
世界は大きく分けて二つの勢力が存在する。
”人類”と”魔族”
生存圏を争って日夜争いを続けている。
しかしそんな中、戦争に背を向け、ただひたすらに宝を追い求める男がいた。
トレジャーハンターその名はラルフ。
夢とロマンを求め、日夜、洞窟や遺跡に潜る。
そこで出会った未知との遭遇はラルフの人生の大きな転換期となり世界が動く
欺瞞、裏切り、秩序の崩壊、
世界の均衡が崩れた時、終焉を迎える。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
異世界生活研修所~その後の世界で暮らす事になりました~
まきノ助
ファンタジー
清水悠里は先輩に苛められ会社を辞めてしまう。異世界生活研修所の広告を見て10日間の研修に参加したが、女子率が高くテンションが上がっていた所、異世界に連れて行かれてしまう。現地実習する普通の研修生のつもりだったが事故で帰れなくなり、北欧神話の中の人に巻き込まれて強くなっていく。ただ無事に帰りたいだけなのだが。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる