上 下
15 / 148
2章

15、元凶

しおりを挟む
 少女との邂逅。
 出会うなり戦闘を開始した彼女はレッドとミルレースの前で土下座をしていた。

「もうしわげねぇ!!女神様の従者とはいざ知らず、とんだご無礼を!!」

 少女は訛った言葉で謝罪し、地面に額を擦り付けた。

「まぁまぁ、頭を上げてくれ。怪我一つ無いんだからさ」
「そうは言っでも……!!」
『レッドの言う通りですよ。頭をお上げなさい、謝罪は十分です。今私たちに必要なのは話し合いなのですから』

 ミルレースに言われてようやく頭を上げる少女。その顔は見た目通り幼く、悲しげな表情からはあどけなさを感じた。
 褐色の肌、黒い髪に黒い瞳。見た目からは鎧や斧を装備しているなど到底想像が付かない。麦わら帽子につなぎを着て、畜産用の大きなフォークを持っている牧歌的なイメージを抱かせる。

「えーっと……とりあえず自己紹介から始めるか。俺の名前はレッド=カーマイン。職業ジョブ剣士セイバーでギルドに所属している冒険者だ」
「お、おらは何もんでもねぇ。ただのゴーレムだで」
「ゴーレム?ゴーレムって名前なのか?」
「いやちげぇです。ゴーレムは種族で名前はぇです」

 人間ではなかった。そう思えばこのくらいの歳であの身体能力はそれなりに納得が行くというもの。
 レッドはチラリとミルレースを見る。ゴーレムを自称する女の子は女神ミルレースのことを知っている。しかしミルレースは彼女のことを知らないようだ。

「……じゃあゴーレム。君に聞きたいことがあるんだが、外に出てきて畑を荒らしてるのは君で間違いないかな?」

 ゴーレムは一瞬目を泳がせたが、すぐに真っ直ぐレッドを見つめて頷いた。

「野菜のことか?そうだ。おらがった」

 しらを切ることもせずに素直に答える。ミルレースはしゃがんで目線をゴーレムの高さに合わせる。

『あなたはお食事が出来るのですか?』
「いや、おらは食わねぇ。あれは餌でさぁ」
『餌?何か飼っているのですか?』
「へぇ。この奥で黒い小さな奴をたくさん」

 ミルレースはレッドを見上げるように振り返る。レッドは口をへの字に曲げて一瞬考えた後、「見せてくれ」とゴーレムに頼んだ。ゴーレムは二つ返事で了解し、レッドの手を引っ張って奥へと誘う。

「ここだで」

 ゴーレムが嬉しそうに指差したのは一段低い窪みから顔を出すブラックサラマンダーの幼体だった。

『レッド。これって……』

 ミルレースの視線にレッドは小さく何度も頷く。

「ブラックサラマンダーの群れはここで増産されていたのか……あんな数は俺も見たことがなかったけど、自然淘汰されることなく生き延びたからだったのか……」

 元気にモリモリ野菜を食べている魔獣の子供たちを唖然とした顔で見ている。ギルド総出の危機はまだ回避されていない。ここで静かに人知れず補充されていた。

「ちなみに……なんで育ててたんだ?」
「ん?暇つぶしだで」

 ゴーレムはニカッと朗らかな笑みを見せた。



「……近い……感じる」

 町の外で木の陰に隠れて様子を見ていた仮面を付けた黒き人影はしゃがれ声で呟いた。前の街で聞いた限りではここがレッドの滞在する町。
 結局ベルク遺跡には女神の欠片は残されていなかった。十中八九レッドが持ち去ったものと思われる。若しくは最近噂になっているゴールデンビートルか。

 ゴールデンビートルは現在最も有名で、噂のまとになっていることもあり、わざわざ探さずとも簡単に捕まえられると踏んだ執事バトラーは、単独で動き回り見つけにくいだろうレッドにターゲットを絞って動くことにした。
 それが功を奏した。

「女神は……一部……復活した……ようだな」

 ダンベルクを屠り、女神の欠片を奪った男は最悪なことに女神を目覚めさせたようだ。魔族が懸命に封印した女神を目覚めさせるとは度し難い悪人だ。
 しかしこれもまた良い方向に転がった。バトラーは女神の気配を読み取ることが出来る。気配を読み取れる範囲はそれ程広くないが、レッドがどこに逃げようと隠れようとも見つけ出して襲撃が可能となった。

「悩ましいことだ……私が直接叩ければ……一瞬で終わるものを……」

 バサッと漆黒のローブを翻して町に背を向けた。
 気配は森の奥にある。気配の元を目指して進み始めた。



「度々もうしわげねぇ!!」

 ゴーレムはガツンッと額を地面に叩きつけた。自分の暇つぶしで起こしてしまった災害に対して、また女神ミルレースとその従者に対しての反省が2度の土下座を選ばせた。
 地面が凹むほどの勢いには流石のレッドも驚き戸惑う。

「うわっ!大丈夫か!?」

 急いでゴーレムの頭を持ち上げるが、汚れが付いている程度で傷は一つも付いていない。普通の生き物ではないためかなり頑強である。
 ホッとしたレッドの背後でミルレースは首を捻る。

『……あなたを作った方はどなたでしょうか?』

 ゴーレムはその質問に答えるべきか逡巡する。自分がやらかしてしまったことが回り回って創造主のせいにならないかと心配になったからだ。
 口を開きかけては閉じて、口を開きかけては閉じて。パクパクと一定間隔で口を開閉している様はまるで死にかけの魚だ。
 それでも急かさず待ってくれるミルレースとレッドに安心感を覚え、意を決して口に出した。

「……お、恐れ多くもおらをお作りくださったのは……ゆ、勇者様だで」
『やはりそうだったのですね!あなたが私を崇めたところからもしかしてと思っていました!あぁ良かった……首の皮一枚で繋がったような気分です!』
「……勇者……」

 ミルレースもゴーレムも、勇者がまるでこの世界を救う救世主や、それに類する凄い者かのように称えているが、レッドの中で勇者とは単なる称号だ。
 レッドの知る限り勇者の称号を持つのは2人。
 1人はダンジョンがまだ認識されていなかった頃、ダンジョンから解き放たれた強い魔獣が人類に猛威を振るった時に、国軍を率いて戦った将軍に与えられた。
 2人目は単独でドラゴンを討伐した最強の戦士。ドラゴンスレイヤーの称号と共に与えられたそうだ。

 どちらも100年以上昔にこの世を去っている。

「一体いつからここに居るんだ?こういった暇つぶしが長いこと行われていたなら、他にも同様の事例があるかもしれないぞ?」
「それは問題ねぇ。おらがここに居たのは3年ほどの間だで。赤ちゃんが大人になるのを見送ったのは5、6回だけだし、こいつらはまだ赤ちゃんだ。このままほっといたら共食いを始めて勝手に減るで」
「いや、結構見送ってるなぁ……」
『そんなことよりも勇者さまは何処にいるのでしょうか?早くお会いしたいのですが』

 ワクワクするミルレース。その問いにいち早く答えたのはゴーレムの曇った顔だった。

「勇者様は……3年前に亡くなっただ。おらに女神様を託して……」
『えぇ……そんな……』

 ミルレースは大きなショックを受けた。信じていた勇者は既にこの世には亡く、世界に爪痕を残すこともなく終わっていたのだった。

「来てくれ。お二方に見で欲しいもんがある」

 そう言うと踵を返して洞窟の奥に歩いていく。逆らうことなく付いて行くと、そこには女性とも男性とも見える胸像が置かれていた。ずいぶん不格好だが、一生懸命に作ったのが荒い削り方の中に表れている。

『……これは?』

 ミルレースはそれなりにこの胸像の意味を理解していた。これが慰霊のための石像であろうことは聞かずとも分かった。それでも聞きたかったのは事実を事実とした飲み込みたかったのだ。

「勇者様のお墓だで」
「へぇ……この胸像が墓石代わりか」
「おらが彫っただ」

 誇らしげなゴーレムを微笑ましく見るレッド。ミルレースは終始悲しげに胸像を見ている。この下に勇者が眠っているのかと思うと居た堪れなくなるのも分かるというもの。
 そもそも何故勇者は死んだのか。それを聞こうと口を開きかけた時、ゴーレムが先に言葉を発した。

「レッド樣。あなたを見込んで2つお頼みしたいことがあるだ。女神様の復活はもちろんのこと、おらをこの墓の前に葬って欲しい」
「……は?」

 急な申し出に頭が働かない。すると突然ゴーレムはガチャリと音を立てて鎧の胸当てを開ける。女性が何も気にせず胸を晒そうとするのにレッドは慌てて顔を背けた。ゴーレムの「どうしただ?」の声に焦ってどもってしまう。

「い、いや……だだ、だって……」

 レッドは観念してチラッとゴーレムに目を向けた。未成熟な胸があるはずの場所には空洞があり、心臓の部分には綺麗なクリスタルの欠片が浮いていた。

「……なん……」

 一体何なのか。ただの人間でないことは分かっていたが、まさか土偶のように中身が空だとは思わない。肌の部分と鎧の部分が完全に結合し、観音開きのように開くなどとは思いも寄らない。

「このクリスタルを1つにすることで女神様は復活するだ。おらは単なる守護者。レッド樣、おらの……勇者様の最期の願いを聞いてけろ」

 ゴーレムを作り、誰にも取られないように隠した欠片。ベルク遺跡の最下層に埋められていた欠片とは違って少し大きく見える。
 ゴーレムに言われずともミルレース復活には力を貸しているが、一つだけ間違っていることがある。

「お、俺は世界最強の冒険者チーム”ビフレスト”にミルレースの復活をお願いする立場にある。俺も言ってみたら仲介役に過ぎないんだ……だから……」
『レッド』

 ミルレースの声に反応してレッドは顔を上げた。そこには真っ直ぐ見つめるゴーレムの澄み切った目がレッドの答えを待っている。口上などはどうでも良いのだ。聞きたいのはイエスかノーか。

「……分かった。乗り掛かった船だ。俺の出来ることを精一杯やるよ」
「うぅ……かたじけねぇ。ありがとうございます」

 ゴーレムは頭を下げた。

「……で?どうしたら良いんだ?」
「ああ、この欠片を取ってもらうだ。おらじゃ取ることは出来ねぇから」
「そうなのか?何かこう……難しい取り方とかそういう感じか?」
「違うで。これを取っちまったらおらは機能を停止するんだで。だから自分じゃ取れねんだ」

 レッドは目をパチクリさせた。

「……何だって?それじゃ葬るってのは……」
「そうだ。これを取ることでおらはようやく勇者様のもとに行ける」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話

紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界―― 田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。 暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。 仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン> 「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。 最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。 しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。 ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと―― ――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。 しかもその姿は、 血まみれ。 右手には討伐したモンスターの首。 左手にはモンスターのドロップアイテム。 そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。 「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」 ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。 タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。 ――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――

アルゴノートのおんがえし

朝食ダンゴ
ファンタジー
『完結済!』【続編製作中!】  『アルゴノート』  そう呼ばれる者達が台頭し始めたのは、半世紀以上前のことである。  元来アルゴノートとは、自然や古代遺跡、ダンジョンと呼ばれる迷宮で採集や狩猟を行う者達の総称である。  彼らを侵略戦争の尖兵として登用したロードルシアは、その勢力を急速に拡大。  二度に渡る大侵略を経て、ロードルシアは大陸に覇を唱える一大帝国となった。  かつて英雄として名を馳せたアルゴノート。その名が持つ価値は、いつしか劣化の一途辿ることになる。  時は、記念すべき帝国歴五十年の佳節。  アルゴノートは、今や荒くれ者の代名詞と成り下がっていた。 『アルゴノート』の少年セスは、ひょんなことから貴族令嬢シルキィの護衛任務を引き受けることに。  典型的な貴族の例に漏れず大のアルゴノート嫌いであるシルキィはセスを邪険に扱うが、そんな彼女をセスは命懸けで守る決意をする。  シルキィのメイド、ティアを伴い帝都を目指す一行は、その道中で国家を巻き込んだ陰謀に巻き込まれてしまう。  セスとシルキィに秘められた過去。  歴史の闇に葬られた亡国の怨恨。  容赦なく襲いかかる戦火。  ーー苦難に立ち向かえ。生きることは、戦いだ。  それぞれの運命が絡み合う本格派ファンタジー開幕。  苦難のなかには生きる人にこそ読んで頂きたい一作。  ○表紙イラスト:119 様  ※本作は他サイトにも投稿しております。

僕のおつかい

麻竹
ファンタジー
魔女が世界を統べる世界。 東の大地ウェストブレイ。赤の魔女のお膝元であるこの森に、足早に森を抜けようとする一人の少年の姿があった。 少年の名はマクレーンといって黒い髪に黒い瞳、腰まである髪を後ろで一つに束ねた少年は、真っ赤なマントのフードを目深に被り、明るいこの森を早く抜けようと必死だった。 彼は、母親から頼まれた『おつかい』を無事にやり遂げるべく、今まさに旅に出たばかりであった。 そして、その旅の途中で森で倒れていた人を助けたのだが・・・・・・。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ※一話約1000文字前後に修正しました。 他サイト様にも投稿しています。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

異世界生活研修所~その後の世界で暮らす事になりました~

まきノ助
ファンタジー
 清水悠里は先輩に苛められ会社を辞めてしまう。異世界生活研修所の広告を見て10日間の研修に参加したが、女子率が高くテンションが上がっていた所、異世界に連れて行かれてしまう。現地実習する普通の研修生のつもりだったが事故で帰れなくなり、北欧神話の中の人に巻き込まれて強くなっていく。ただ無事に帰りたいだけなのだが。

一般トレジャーハンターの俺が最強の魔王を仲間に入れたら世界が敵になったんだけど……どうしよ?

大好き丸
ファンタジー
天上魔界「イイルクオン」 世界は大きく分けて二つの勢力が存在する。 ”人類”と”魔族” 生存圏を争って日夜争いを続けている。 しかしそんな中、戦争に背を向け、ただひたすらに宝を追い求める男がいた。 トレジャーハンターその名はラルフ。 夢とロマンを求め、日夜、洞窟や遺跡に潜る。 そこで出会った未知との遭遇はラルフの人生の大きな転換期となり世界が動く 欺瞞、裏切り、秩序の崩壊、 世界の均衡が崩れた時、終焉を迎える。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...