24 / 87
第24話 勉強会
しおりを挟む
二人の勉強会は幕を開けた。
「兄さんは、普段はどうやって勉強してるんですか?」
「うーん、とにかく書くことかな」
「書道家らしい発想ですね」
紗良は笑った。
「紗良は?」
「私も、似たような感じですかね。数学も、問題を解いた分だけ身につきますし」
「おう、じゃあ、いつものように勉強するか。分からない所があったらお互い聞くって感じて」
「はい!」
リビングの机を挟んで座り、黙々とノートに問題を解いて行く。
「紗良、この問題ってどの公式使えばいいんだっけ?」
春輝はテキストを紗良に見せた。
「あ、それは、これを使えばいいんですよ」
紗良が、テキストの前のページに載っていた公式を指さした。
「おう、ありがとう。助かった」
お互いに、分からないところをカバーする目的もあったが、一緒に勉強することで、サボっていないか監視することも出来る。
「疲れたな」
「そうですね」
夕食後から勉強を開始し、時計は22時を指していた。
「少し、休憩するか」
「はい!」
春輝はコーヒーを、紗良は紅茶を啜っていた。
「久々にこんなに集中したな……」
「文字を書く時は集中しないんですか?」
「確かに、集中するけど、それとはまた別って感じだ」
「なるほど、そういうものですか」
「そういうもんだな」
春輝は、マグカップに残っていたコーヒーを飲み干した。
「さて、あと1時間集中するか」
「分かりました!」
そこから、春輝は数学を、紗良は英語を重点的に勉強した。
お互いに、苦手科目はしっかりと抑えておきたいのだ。
「あ、もう23時過ぎてる……」
時計は23時15分を指していた。
「本当ですね」
「紗良の方はどんな感じ?」
「結構、いい感じだと思います。一人でやると、サボってしまうので」
「俺もなんだよな」
二人は、苦笑いを浮かべた。
「よし、今日は風呂入って寝るか」
「そうしましょう」
「先に入ってきていいよ。沸いているはずだから」
「ありがとうございます。では、お先に」
そう言うと、紗良は机の上を片付け、お風呂の方に向かっていく。
春輝も、机の上を片付けた。
自分の分と、紗良の分のマグカップを洗うと、リビングのソファーに身を委ねてボーっとしている。
その時、春輝のスマホが振動した。
「はい、東條ですけ」
『東條先生、今いいですか?』
魔法学院の最強賢者の担当編集者だった。
「いいですけど、アニメ化の公式発表があるなら、言って下さいよ。俺まで公式サイトで知ったじゃないですか」
『すみません、小田霧先生に聞いているかと思いまして』
「まあ、それはいいです。ご用件は?」
『はい、魔法学院の最強賢者のアニメ化に伴い、サイン会が開催されることになったのですが、そのサイン会に先生も参加しては頂きたくおもいまして』
予想もしていなかったサイン会のお誘いだった。
「僕のサインなんて需要あるんですか?」
『何を言っているんですか! 今や、魔法学院の最強賢者と言え、東條零先生の題字がなければ始まらないなんて言われているんですよ』
春輝の題字は、かなりの人気を集めているようだったことを、今知った。
「兄さんは、普段はどうやって勉強してるんですか?」
「うーん、とにかく書くことかな」
「書道家らしい発想ですね」
紗良は笑った。
「紗良は?」
「私も、似たような感じですかね。数学も、問題を解いた分だけ身につきますし」
「おう、じゃあ、いつものように勉強するか。分からない所があったらお互い聞くって感じて」
「はい!」
リビングの机を挟んで座り、黙々とノートに問題を解いて行く。
「紗良、この問題ってどの公式使えばいいんだっけ?」
春輝はテキストを紗良に見せた。
「あ、それは、これを使えばいいんですよ」
紗良が、テキストの前のページに載っていた公式を指さした。
「おう、ありがとう。助かった」
お互いに、分からないところをカバーする目的もあったが、一緒に勉強することで、サボっていないか監視することも出来る。
「疲れたな」
「そうですね」
夕食後から勉強を開始し、時計は22時を指していた。
「少し、休憩するか」
「はい!」
春輝はコーヒーを、紗良は紅茶を啜っていた。
「久々にこんなに集中したな……」
「文字を書く時は集中しないんですか?」
「確かに、集中するけど、それとはまた別って感じだ」
「なるほど、そういうものですか」
「そういうもんだな」
春輝は、マグカップに残っていたコーヒーを飲み干した。
「さて、あと1時間集中するか」
「分かりました!」
そこから、春輝は数学を、紗良は英語を重点的に勉強した。
お互いに、苦手科目はしっかりと抑えておきたいのだ。
「あ、もう23時過ぎてる……」
時計は23時15分を指していた。
「本当ですね」
「紗良の方はどんな感じ?」
「結構、いい感じだと思います。一人でやると、サボってしまうので」
「俺もなんだよな」
二人は、苦笑いを浮かべた。
「よし、今日は風呂入って寝るか」
「そうしましょう」
「先に入ってきていいよ。沸いているはずだから」
「ありがとうございます。では、お先に」
そう言うと、紗良は机の上を片付け、お風呂の方に向かっていく。
春輝も、机の上を片付けた。
自分の分と、紗良の分のマグカップを洗うと、リビングのソファーに身を委ねてボーっとしている。
その時、春輝のスマホが振動した。
「はい、東條ですけ」
『東條先生、今いいですか?』
魔法学院の最強賢者の担当編集者だった。
「いいですけど、アニメ化の公式発表があるなら、言って下さいよ。俺まで公式サイトで知ったじゃないですか」
『すみません、小田霧先生に聞いているかと思いまして』
「まあ、それはいいです。ご用件は?」
『はい、魔法学院の最強賢者のアニメ化に伴い、サイン会が開催されることになったのですが、そのサイン会に先生も参加しては頂きたくおもいまして』
予想もしていなかったサイン会のお誘いだった。
「僕のサインなんて需要あるんですか?」
『何を言っているんですか! 今や、魔法学院の最強賢者と言え、東條零先生の題字がなければ始まらないなんて言われているんですよ』
春輝の題字は、かなりの人気を集めているようだったことを、今知った。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
双子の妹の保護者として、今年から共学になった女子高へ通う兄の話
東岡忠良
青春
二卵性双生児の兄妹、新屋敷竜馬(しんやしきりょうま)と和葉(かずは)は、元女子高の如月(きさらぎ)学園高校へ通うことになった。
今年から共学となったのである。
そこは竜馬が想像していた以上に男子が少なかった。
妹の和葉は学年一位の成績のGカップ美少女だが、思春期のせいか、女性のおっぱいの大きさが気になって仕方がなく、兄竜馬の『おちんちん』も気になって仕方がない。
スポーツ科には新屋敷兄弟と幼稚園からの幼馴染で、長身スポーツ万能Fカップのボーイッシュ少女の三上小夏(みかみこなつ)。
同級生には学年二位でHカップを隠したグラビアアイドル級美人の相生優子(あいおいゆうこ)。
中学からの知り合いの小柄なIカップロリ巨乳の瀬川薫(せがわかおる)。
そして小柄な美少年男子の園田春樹(そのだはるき)。
竜馬の学園生活は、彼らによって刺激的な毎日が待っていた。
新屋敷兄妹中心に繰り広げられる学園コメディーです。
それと『お気に入り』を押して頂けたら、とても励みになります。
よろしくお願い致します。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
夏の決意
S.H.L
青春
主人公の遥(はるか)は高校3年生の女子バスケットボール部のキャプテン。部員たちとともに全国大会出場を目指して練習に励んでいたが、ある日、突然のアクシデントによりチームは崩壊の危機に瀕する。そんな中、遥は自らの決意を示すため、坊主頭になることを決意する。この決意はチームを再び一つにまとめるきっかけとなり、仲間たちとの絆を深め、成長していく青春ストーリー。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる