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第一章 辺境の町
第134話 増殖!?
しおりを挟む「な、なにこれ?……ただ大きくなるんじゃなくて、こんな増え方するなんて!?」
「あっ、ローザっ、危ないです!」
「わわっ、ありがとっ」
リノがサッと手を引っ張って、後ろへ移動させてくれた。スライムの生態にびっくりして、動きが止まっちゃってた。魔物を前にして注意力散漫になってたよ……気をつけなきゃ。
短くお礼を言ってから、安全圏まで離れて、やつらの動きを観察してみる。
ざっと見た感じで、十体以上に増えてるしっ。一度の水魔法でこんなに効くもんなの? 多すぎない?
普段よりも攻撃的になっているのか、あっちこっちに飛び散らばっていた生まれたてのスライムたちが、ポヨンポヨンと勢いよく弾んだり、プルプル震えたりしている。
今にも跳びかかって来そうというか、みんなこっちに向かって来る気満々ですよねっ。
体当たりはともかく、スライムには溶解液での攻撃がある。弱い魔物とはいえ数が多いと討伐には少し危険が伴うから気を付けなきゃっ。
「……どうします?」
「囲まれちゃう前に個別攻撃で倒そう! 素材は余裕があればで構わない!」
「はいっ、了解です!」
それから私は風魔法で、リノは剣を使って、分裂し一気に育ってしまったスライムたちを一体ずつ、協力して倒して行ったのだった。
全てを片付けた後、今回やらかしちゃった件を反省した。一人じゃないってことで、知らず知らずの内に気が緩んでしまっていたみたい……。
「ごめんリノ、色々と失敗しちゃって……」
「大丈夫ですよ、これくらい! 相手は所詮、最弱のスライムですし、溶解液の攻撃以外は危険もないんですから。ただ、こんなふうに増殖するのはちょっと予想外でしたけど……」
彼女はそう言ってくれるけど、この増殖量は尋常じゃない。
「……多分だけど、こんなに増えたのは私のせい、だと思う。咄嗟だったから加減が効かなくて全力で魔法を打ち込んじゃって……あの一発で、結構魔力がごっそり抜けちゃったから」
「な、なるほど。ローザの全力でしたかっ。確かに普通の水魔法でここまで増えるなら、講習会の時に何か注意換気されるはずですもんね。でも何も言われませんでしたし……。人族の魔力総量って、エルフに比べればたかが知れてますから、想定外だったのかもしれません」
「うん、そうかも……」
確かにあの講習会は、人族を基準に考えられたものなんだろうなと私も思う。エルフや他の魔術が得意な種族も、人族の町で冒険者になる人って少ないだろうし。
一匹からこんな方法で簡単に分裂し急成長することが分かっていれば、高額買取になる素材目当てに装備も整ってない新人冒険者が無茶しそうだもんね。
リノの言う通り、絶対に講習会で教えただろうし。スライムとはいえ、あの数に囲まれれば危険だから……。
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