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第一章 辺境の町

第125話 検証成功?

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 シルエラさん曰く、魔法書は、総魔力量がその魔法を使えるレベルに達してないと読み解くことさえ出来ないとの事だったので確かめる必要があった。


 そこで今朝彼女に、北の森に行く前の時間を利用して、事前に教本を見て貰ったんだ。

 予想外に『幸運』スキルの件があって時間がなくなり、少し読むだけになっちゃったんだけどね。
 その時は、「読めるけどずっと見続けているとクラクラします」って言っていたから、若干まだ、読み解くには魔力が足りないみたいだった。

 今日は初めて、弱いとはいえ五十体以上の魔物討伐をし、たぶんだけどパーソナルレベルも上がり総魔力量も微量ながら増えているはずなので、今は解読する為の魔力も足りてると思いたいっ。

 二人してドキドキしながら覗き込み、確認してみると……。

「あぁ、普通に読めますっ、クラクラしません!」

「おおっ、やったね! 検証成功なんじゃない?」

「はいっ、これもローザにラストアタックを優先的に譲ってもらったおかげです。ありがとうございました」

「うんうん、それが今日の目的だったんだしね。結果が出てよかったっ」

「私もホッとしました。それに、こんなに体調が良かったのって記憶にないんです。これなら魔法の練習をいつもより多めに出来そうで……うれしいですっ」

 ずっとあったという、突然、力が抜けるような感覚も薄れていってるみたい。

 討伐に採取にと動き回り、普段なら倒れていてもおかしくないのに一度もなかった。
 何故かと考えてみたところ、今日初めて一日中、支援魔法と聖魔法を受け続けていたからじゃないかと思ったとの事。

 特に、何度も聖魔法の『浄化』したのがよかったみたいで、昨日よりも体がすごく軽くなったのが体感出来たんだとか。
 主に戦闘や採取の汚れを落として臭いで魔物を寄せ付けない為にとこまめにやっていたんだけど、確かに掛けるたびに思いの外、身体の内側まですっきりして暖かかったと言ってたもんね。

 支援魔法も途中で倒れてしまう心配もあって、用心のために頻繁に重ね掛けしていたのがいい結果になったみたい、よかった!

 でもこれで、この二つを並行して続けていくのが早く治る可能性が高まるってことが実証できたんじゃないかな?
 聖魔法で治療をしつつ支援魔法で補強し、魔物を倒して階位を上げ、体内魔力の底上げをするという……。



「活動魔力がたぶん少ないんだろうなっていうのは生まれつきじゃなくて、原因不明なんだったよね? 確か、五才の時だっけ? う~ん? なんかその年、昆虫かなにかに刺されて湿疹が出来ただとか、いつもと変わったもの食べて吐いたとか、そういうのなかった?」

「そうですね……親からはそういうことは聞いていなかったかと。――ただ、その年は長雨の影響で食べ物が少なかったそうです。飢饉まではいかなかったみたいですけど。なので、普段と違うものは、何か食べてしまったかもしれません。小さい頃から食べること自体は、とっても好きみたいでしたから」

「そうだったんだ……」 

 今のところ、『浄化』が一番効いてる事を考えると――もしかしたら、悪さしてる何かが体内にいて、それは、寄生虫みたいなものなのかもしれない。




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