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第一章 辺境の町

第63話 再び、虹色の樹へ

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 次々と順調に討伐を続けていると、今日の目的地……虹色の樹へ着いた。

 昨日、邪魔になる草や枝なんかを最低限払って道筋をつくっておいたので、近付くほど進みやすかったよ。



 相変わらずの巨木に圧倒される。

 今日は昨日よりもさらに高く、樹の天辺まで登る予定。途方もない高さだけど、昨日の経験からして行けるはず。

 ――が、頑張るぞ――!

 僅かな樹の節を足掛かりに一番下の枝まで登り、そこに採取に必要ない荷物を置いて身軽になる。

 昨日そのままにしといたロープをつたいながら、するすると登り、もう一本ロープを出して更に上へと登って行くと、この高さにはさすがに風が少し強めに吹いていた。

 主枝も側枝も多いし、バランスの取り方は本能で分かるので採取に支障なさそう。
 怖くは無いけどよく揺れるので、念のため命綱はだけはつけとこう。


 ――吹き抜ける風が、火照った体にすっごく気持ちいい!

 この高さからだと昨日は見えなかった、ボトルゴードの町と、最初に立ち寄ったジニアの村の両方がよく見えるね。絶景です!

 じゃあお仕事、始めますか。



 今日もいいお天気なので、葉っぱはキラキラしてます……そんなに張り切って煌めかなくてもいいのに。

 『鑑定』して、状態が「特上」の葉がないか探しているんだけど……どれだろ?

 ――あ、あった! 

 見た目では判断つかないけど、これが「特上」だって『鑑定』さんがいってる気がする、多分。

 やっぱりよく陽が当たる、この天辺付近は多いみたいだね。

 一枚ずつ確かめていくんだけど、ほとんど移動せず次々と採れるし。



 キラキラ攻撃にも、来るとわかっていたら怯まずにいられる。

 昨日と同じように聖魔法の『治療』で治しているし、ちょっとずつ慣れてきたよ。

『採取』スキルもレベルアップはしないけど、毎日使っているし、段々と採るスピードが上がっているから経験値は順調に貯まっていっていると思いたい。



 虹色の葉の七種類の葉色をそれぞれ百枚ずつ、合計七百枚集めて一セットで、更に「上」か「特上」だけが、昇級ポイントの3点を貰えるから、今日はそれを目指してる。

 厳しい条件だけど、この調子でいけば何とか数を集められそう。

 昨日は、二種類の葉色を集めただけだったので、適当に二つの袋に分けて突っ込んでいっていたけど、それだと嵩張っちゃってたんだ。

 なので今日は五十枚ずつを、紐がわりの長めの草で束ねてから、袋にしまっていってみると、随分とコンパクトにまとまった。
 ちょっと時間はかかるけどこれはいいね、たくさん収納できる。今度からこうしよう。



 ――ふうぅぅっ、終わったぁっ。

 チマチマと面倒臭くて気の遠くなるような作業だったけど、集め終わったよ。

 これで採取依頼を一つこなせたので、一旦、保存食とお水を飲んで一息つく事に。
 いつものドライフルーツと魔法で出したお水だけの質素なものだけど、大きな樹の上で食べると美味しく感じるなぁ。

 丁度、支援魔法が切れていたので、『HP回復』と『MP回復』を掛け直し、体調も万全にしてっと。

 休憩の後は町へ戻る道すがら、もう一度魔物討伐をするつもりだからね。

 ステップアップのため……頑張るぞぉっ!




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