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第一章 辺境の町

第61話 自己強化・後編

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 手っ取り早く増やすというとやはり、エルフという種族の特性を生かして、五感や魔法関連を伸ばすのが近道かなと思った。
 スキルとして取るだけで、種族特性以上の、それまでと全然違う力をはっきりと体感できたから、最短で取れる可能性のあるものに挑戦したいし。



 ――五感については、まず最優先で必要そうな、視覚、聴覚に絞ってスキルを取りたいと思って、起きている間、意識して練習している。
 
 他にも、感覚が優れているエルフなら、木登り中に意識すると『平衡感覚』スキルも覚えられるかも知れないからそれもね。

 巨木群で安全に活動するためも欲しいスキルだし。

 まずはこの三つを試してみる。冒険者の仕事を意識してやっていれば、自然と鍛えられていくと思うし。



 ――同時にエルフの得意な魔法のレベルも効率的に上げたい。

 それには魔導書を読むのが一番いいと『異世界知識』にはある。何故なのかは知識になかったので知らない。

 ともかく魔導書は専門書なのでとっても高額だというし、お金がないので当分買えないだろう。


 なので、今できるのは魔法を使う回数を増やして、精度を上げていくことぐらいだろう。
 時間があれば、魔導書を読む以外の方法で魔法のレベルが上がらないのか、上がらないならレベルの中で使える技を新たに創れないのかも試してみたい。

 実際、保存食を作るのに水魔法で水分を抜き出す「乾燥」っぽいのが出来たんだから、創作できないことはないと思うんだ。
 昨日も魔力操作で虫根コブ草を掘るとき土を少しだけモコモコっと「耕作」できた訳だし、初日に「水作成」や「着火」もすぐ出来るようになったんだし。
 イメージをしっかり持てば、攻撃魔法以外なら割りと簡単に成功できるのかもとちょっと期待している。色々試してみるつもり。





 次に、経験値が貯まるまでが長く、なかなかレベルが上がらないスキルに関して……。

 私が持っている中では『鑑定』・『採取』・『索敵』なんかがこれに当たるよね。

 冒険者として日々依頼を受けていれば、自然と鍛えられ、少しずつでも成長していけそうではある。

『鑑定』は、 図書館とかあれば経験値がたまりそうなんだけどこの町にはないし。

 まずは実地でコツコツ鍛えていくことにしよう。


『精神耐性』とか『幸運』とかのスキルについては、鍛え方がわからないので一旦置いておく。また後で考えよう。





 ――最後は自分のパーソナルレベルを上げること。

 今のところ『鑑定』で表示されないからどうやって確認すればいいのかわからないけど、魔物を倒すとパーソナルレベルが上がるっていうのは『異世界知識』にあった。こればかりは訓練しても上がらないらしい。

 生物としての生命力が上がるっていうことだから、どうしてもやっとかないとね。
 安全の為、採取中心に活動していくにしても、無理ない範囲で魔物とも闘っていかないと強くなれない……とっても怖いけどやらなきゃ。

 とりあえずそんなところかな?


 ……って思ったけど、もう一つ大切なことがあったよ!

  それは逃げ足を鍛えること!

 最後に必要なのはやっぱりこれでしょ。

 命大事に、安全第一に冒険するためにも、危なくなったら即逃げなきゃっ。

 取っててよかった『俊足』スキル! 筋力、体力、持久力に劣るエルフには伸びにくいスキルだから、長期戦を覚悟して、 これも地道にコツコツと育てていこう。

 でも地道なトレーニングは苦手……実践形式の方が私の性に合ってるから、その代わりとして毎日の北の森までのハーフマラソンを続けていこうと思います!




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