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第一章 辺境の町

第48話 ちょっと休憩

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 木登りは降りる方が大変なので、足場を確認しながらゆっくりと慎重にロープを伝っていく。

 無事に一番下の枝まで降りて来れた時には、ホッとして一息つけた。

 初めてのことに挑戦するのって楽しいんだけど疲れる。

 支援魔法で、HP、MP回復を掛けてあるから体力的には大丈夫なんだけど、また精神的に疲れた感じがする。


 気分転換にこのまま少しだけ休憩しようかな……。

 太陽が真上に近づきつつあるのでもう、お昼近くになっているのかもしれない。休むのにいい時間なのかも。
 ……こういう時、時計が欲しくなるなぁ。正確な時間が分からないのって、結構ストレスになるんだよね。お金を貯めて早く買いたい。



 ――保存食を取り出し、水魔法で水を出す。

 虹色の樹の上はくつろげる環境ではなかったけど、少なくとも地上よりは安全だ。不意打ちで魔物に襲われる心配が少なさそうで安心できる。

 魔法で手作りしたポポの実のドライフルーツをゆっくりと味わいながら、この後どうしようかと考える。

 荷物も増えたし、一旦帰った方がいいかな。ギルドで採取したものを換金しすれば、お金がなくて買えなかった昼食も買えるようになるし。

 正解な時間が分からないけど、お腹が空いてると集中力も切れそうだしね。うん、それがいい。



 そうして帰る途中、ホーンラビットに二回遭遇した。

 いつものように聖魔法で足止めして、水魔法で急所を攻撃する。手慣れたもので、二回ともサクッと倒せた。

 やっぱり水魔法使うと毛皮状態も綺麗だ。いい値が付きそう!

 鮮度を保つため魔石をそのまま体内に残し、解体せずにまるごと皮袋で包むと背負子の底の方へ入れていく。
 ギルド会員は無料で解体してくれるんだから、それを利用しない手はない。森の中での解体には時間と危険が伴うから、やらなくていいのは助かる。便利だよね。

 本当は今捕ったばかりのを捌いて焼いて、食べたいところなんだけどね。でも、ここには弱いとはいえ思いの外、魔物が多くてウヨウヨいるからやめておく。早く安全な街道沿いに出なきゃ。



 荷物が増えたこの状態では出来るだけ戦闘をしたくないので、『索敵』で魔物を避けながら、『隠密』スキルを使ってこそこそと隠れつつ、少し大回りして戻る。

 森の浅い所までくるとさすがに魔物も出なくなり、周りのものを『鑑定』する余裕も出てきた。

 果物や採取出来る野草、それに薬草や茸まで割りとたくさん見つけれたけど、自分用に少し摘むだけにしておく。
 この森のホーンラビットは、今まで狩っていたのより大きくて重量もあったから、もうこれ以上は欲しくても持てないんだよね、残念なことにっ。


 今後の為にもマッピングだけしておいてから、警戒しつつ、街道まで進んでいった。




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