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オウジサマってなんだ?

14.お父さん抱っこの次はお姫さまベッド?

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 ルーシェンフェルドは毛脚の長い絨毯を足音を殆ど立てずに進み、少女のために用意された部屋の前に立つと、メイド長が扉を開け2人を迎え入れる。

 浴槽が可愛い装飾がなされていたように、室内の殆どが、温かみのある色合いで柔らかいデザインの家具で揃えられ、いかにも女性の為の部屋である。
 少女は、改めて周りを見まわしている。

《天蓋!?》
 くつろぐための空間を通り、続き部屋に入ると、愛らしいフリルで溢れる寝室である。
 少女は、初めて見る天蓋付ベッドにやや興奮気味であった。
《はわわ……お姫さま気分やね》

 ルーシェンフェルドは、少し掛布を捲られているベッドの端に腰を下ろし、興奮気味に己を見つめる少女から、眼鏡をそっと外す。
 レンズに触れないように折りたたみ、ベッドサイドの飾り棚に丁寧に置いてから、少女をベッドの真ん中にそっと降ろした。

 興奮がおさまらないのか頰の赤らみが増すが、とにかく休んで欲しいので、ルーシェンフェルドは、一部の日本人が見たら聖母?と言いたくなるような慈愛の笑みを浮かべ、少女の脚を揃えてベッドに横たわらせて、掛布を肩まで被せる。

(えっと、えっと……大丈夫だよね? 子供と思われてるんだし……うん)
 ルーシェンフェルドが思いもつかない内容で動揺していたが、そこは気がつかない。

 目を泳がせた後、天蓋の内側に描かれた星空に気がつくと、ポカンと口を半開きで眺めていた。

(どうやら、落ち着いてきたようだな。良かった。興奮したままでは、よい睡眠は得られないからな。落ち着いた色合いの星空が良かったようだ)

 ルーシェンフェルドは目元を緩め、少女の髪を頭頂から下へと、ゆっくりと撫でる。
 だんだん、少女も眠くなってきたようで、色々考えながら天蓋の星空を見ていたのが、次第に眠りへと落ちていく。

「安心せよ、何者も其方を害する者は近づけぬ故、ゆっくりと休め。
 明日もまた、好きな物を食べて早く元気になれ」
 眠りの淵にいて、聴いていないかもしれない少女の涙の滲む目尻に、そっと口づけて、眠ったのを確認すると、寝室を後にする。

 メイド長がベッドサイドの3本脚の飾り棚上の灯りを落とし、天蓋の幕を閉じて再確認すると、後に続いて退室する。
「疲れていただろうから、すぐに眠ったよ」
「体調を崩したり、うなされたりするかもしれません。今夜は、わたくしはここで」
「そうか。怖い思いをしたのだから、魘される可能性もあるか……魔道で無理矢理眠らせても意味はないのがツラいな」
「はい。眠りが浅くなったり深くなったり繰り返す時に、夢をみるでしょうから、一応、今夜はついていようと思います」
「私達も、交代でつきます」
 若いメイド達も進み出て申し出る。

「それでは、君達の負担が……」
「数時間毎に交代するくらいたいした事じゃないですよ」
「実際、子供が出来たら、夜中じゅう何度もお乳におむつに起こされるのですよ?」
「判ってて、決められた時間に数時間起きてるくらいたいした事じゃないです」

 結局、最初はメイド長が、その後、2人づつ3時間交代で様子を見ることになった。

 ───── ◆ ◆ ◆ ──────


 ルーシェンフェルドが少女の部屋を廊下側から出て、自室に戻ろうとすると、扉の前で、ルーティーシアが立っていた。
「どうした?」
「お兄様、お疲れの所、申し訳ないのですが、少しお時間いただけるかしら?」
「勿論だ。むしろ願ってもない。こちらも話があるのだ。丁度良い、入れ」
 自分で扉を開け、妹を部屋に招き入れる。
 主人が戻る前に翌日の準備をしていた執事の一人に、茶器の用意を命じ、リビングのソファに妹を案内する。
「ふふ、お兄様のお部屋、久し振りですわ」
「そうだったかな?」
「いつも、お忙しそうでしたもの。お帰りにならない日もありましたし」
「済まないな……なるべく帰るようにはしているのだか」
「普通は、城勤めの者は王都のタウンハウスで暮らすものですわ。無理はなさらないで」
 就寝前なので、どちらかというとリラックス効果のある香草茶を、執事から茶器の用意を受け取り、ルーティーシアが淹れる。
「お前の手ずからの茶も久し振りだ。いい香りだな……」
「お母様が丹精なさってるものですから」
「ああ……」

 魔道省で長を務め、国防長官も兼任するほど、強大な魔道を行うルーシェンフェルドとは違い、母親のフィリシスティアーナは、自然法則や、自然環境に影響のある魔道を得意とする。
 神獣王国の上級貴族の流れを汲む血筋のひとり娘で、薬草や香草を育てさせたら、この国で適う者はいない。効能効果からして大きく差があるのだ。
 王宮の専属庭師や宮廷魔道士の薬師達も、フィリシスティアーナに教えを請いたいくらいだと口を揃えて言う。

 ルーティーシアは、香茶を一口含み、飲み下しながら、上目遣いに、優雅に茶を飲む兄を覗う。
「お兄様があんなに子供がお好きだとは識りませんでしたわ」
「ん? ああ……あの子の事か。
 丁度よかった、私の話もあの子の事なのだ」
 ルーシェンフェルドは、ティーカップをテーブルに置き、妹に目を向ける。

 兄の話もあの子の事だろうとは思ってはいたが、ルーティーシアの言わんとする所は通じなかったようだ。

「先程手短に話した通り、あの子は今夜、恐ろしい目に合ったのを通り掛かりに助けたのだ。
 私が緑風の森の前を通った時に、林の中から悲鳴が上がってな。川沿いの拓けた辺りで、今特殊部屋に籠めている男に組み伏せられていて、本当に、後、一分一秒でも遅ければ、心も体も深く傷ついていただろう……
 勿論、眠ってもまだ涙が止まらぬほど今も傷ついているが……」
 ルーシェンフェルドが痛ましげに話すのを聴いてはいたが、ルーティーシアは、少女の受けた恐怖や苦痛とは違う点に気が行く。

「緑風の森の前にまで、林の向こうの川沿いで襲われていたのに、悲鳴が届いたのですか?」
「うむ、そこなのだか、通常であれば、幾ら夜中であっても、譬えクルルクヴェートリンブルクが大声を張り上げた所で、あんなに鮮明には聞こえぬだろう」
「鮮明に、ですか?」
「ああ。勿論、最初のうちは遠くで悲鳴が上がらなかったか?くらいであったが、後半、目の前で叫ばれているくらいにハッキリと聞こえていたな。聴く者の胸の奥が締めつけられるような、息苦しくなる悲痛な叫びだった」
 胸元に拳をあて苦しげに話すが、ルーティーシアが考え込む様子を見て、補足する。

「お前も気づいたようだが、あんなに暗い色味の髪だ、魔力の多い種族なのだろう。後半の悲鳴には、強い魔力が乗っていた」
「魔力が? 遠隔通話魔術ですか?」
「いや、純粋に魔力が籠もっていただけだ。恐らく意識してやっているのではなく、危機感からの本能的なものだろう」
 練成された術ではなく、本能的なものだという言葉に、更に考え込むルーティーシアに、ルーシェンフェルドも少し考える。
「黒髪から、神獣王国の上級貴族出身かとも思ったが、言語形態がまったく違うのだ。単語一つ解らん。
 男の方は、共用語も、我が国の言葉も使えるようだがな」
「同じ国の者なのですか?」
「一応、そう聞いている。同郷だから連れ回していたそうだ。
 会って3日の娘に、しかもあんなに小さい子供に求愛など、何を考えておるのだ! あの男は……」
「あ、会って3日、ですか?」
「まったく、訊いたときは、あの男の正気を疑ったぞ。同郷で感性が近いから、ずっと共にいたいと思ったそうだ。
 その他は何も話さぬから、今の所なにも判ってない状態だな」
「……そうですか。まだ、身元は判っていないのですね」
「そうだ。だが、あの男の自由民株を回収したので、オウルヴィが何か摑んでくるだろう」
 有能な部下を信じているのはいいが、少女に関しては心配してない様子に、ついルーティーシアは苦笑した。
(子供がお好きなのは知ってたけれど、領地の子供を可愛がってらっしゃるのも見てきたけれど……あれではまるで、恋人を溺愛するさまに近くて、周りの者に誤解を招きかねないのだけれど……自覚はなくていらっしゃるご様子)

 貴族達の夜会や宮廷の遊宴会などの警備を務めるたびに、香水臭い令嬢達に警備を邪魔されただの、具合が悪くなったという夫人に個室に同伴を頼まれた後、話し込まれて辟易したとか、女性にあまり良い感情を持っていない風だった兄が、まるきり180º変わって少女にベタ甘な態度なのが、最初は我が眼を疑い、次に面白く、ついには微笑ましい気さえもしたが、口には出せなかった。

「それで、悪いのだが、私が仕事で登城している間、あの子の様子を見ててくれないか?」
「お兄様?」
 身元不明の犯罪被害者を、犯罪対策局や治安局に届け出ず、このまま屋敷に置くというのか? ルーティーシアは首を傾げた。
「これは未確認なのだが、どうもあの子は私のことを女だと思っているようなのだ」
「え!?」
「オウルヴィでさえ怯えるのに、私には多少は気を許してくれているのだが、どうもあの男の態度から、私は、彼女にとって女に見えているらしい」
 バカバカしいから黙秘すると言って転がった男の姿を思い出しながら、苦笑いする。

「あの子の処遇は追って決めるから、一応それまで頼む」
「……わかりましたわ。承りました」
 満足げに頷く兄を見ながら立ち上がり、夜も更けた事であるし、自室に戻る事にした。

「すまんな」
 頭を下げる兄ににっこり微笑むと、扉を閉め、今夜は面白い夢が見られそうだと、軽い足取りで立ち去った。

 *** *** *** *** ***

 自分が女に見えていると思い込むって……公爵様大丈夫か?
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