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竜王国って、竜の国?
🚷14 城壁
しおりを挟むだいぶ平坦に近くなって、轍や人の足跡が多くなってきた辺りを歩いていると、街道が石畳に変わった。
人の手が入ってるって事は、町か村か、人のたくさんいる場所に近くなったって事だよね。
たぶん、日が暮れてからだいぶ経ってるから、夜の8時か9時くらいかな?
灯りをつけて夜更かしする習慣のないこの地の人達だから、寝静まってるかも。
そこへ行ったら、不審者かな?
──あの国は魔法難民な上に、国力低下で獣油を燃やしたり蠟燭を使ったりしないから、寝るの早かったけどね
──この国の人達は、みんな基本的な生活魔法使えるのが当たり前だし、灯りはついてると思うよ
評議員を始めあの国の人達は、選定の儀で憑いた精霊の守護を活かせない魔法難民達だったらしく、基礎的な魔法を生活魔法として活用する事も出来ない人達だった。
だから、魔物を撃退する事もままならず、荒れ放題だったみたいだけど。
✧
街道が石畳に変わった後、一時間ほど歩くと、曲がりくねった山道の左右を鬱蒼としていた草や灌木、木々が開け、三階建ての家が隠れるくらい高い城壁が現れた。
「こんな夜中にどこに行くんだ?」
「どこから来た?」
ぴったり閉められた高い観音開きの城門は、2人の門番に守られていた。
城と聞くと日本人はすぐ姫路城や熊本城みたいな「THE お城」を思い浮かべるけど、本来は、万里の長城に見られるように、町や都市を取り囲む敵の侵入を防ぐ高壁や建築物をいう。
砦や防壁が本来の「城」だ。
この壁は正しくその城だった。
所々穴が開いているのは、中から砲門を出したり、煮え滾った油や巻き菱を流したり、槍や弓を放つ為のもの。
城壁の上は渡り通路になっていて篝火が焚かれ、城壁が見えてから門に着くまでの間、何人か歩哨の歩く姿が確認出来た。
「あのぅ ⋯⋯ここはどこですか?」
次話
🚷15 町並みとモモカの立場(仮)
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