聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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【萌々香 Ⅰ】

🚱27 醜鬼《ゴブリン》

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 醜鬼ゴブリンと呼ばれた魔物は、私の知る通りなら、RPGゲームだと雑魚扱いだけど、ラノベやアニメとかだと案外危険な魔物だった。

「今はこちらが風下ですからいいですが、女性の匂いを嗅ぎつけられると、集団で襲って来て、男や子供は皆殺し、女性は掠われます」
「ええ、なんかやだ、それ」

 あ、やっぱりラノベの方のゴブリンなんだ。そりゃあ、厄介だわ。

「なんかやだ、程度では済みません。生きたまま飼い殺しにされて、死ぬか歳をとるまで奴らの児を産まされますから、たいていの女性は気が触れてしまいます」
「ちょっ!? 大丈夫なの? こんな所に居て」

 あれにヤられて児を産まされますからとか、気が触れるで済むのだろうか。不衛生で病気とか持ってそうだし。
 私達、まだ彼氏も出来たことのない、恋愛や結婚に夢を持った乙女なんですけど。
 間違いなく、身体より先に心が壊れる。

 そんな恐ろしいものと戦えというのか、この人達は⋯⋯


「弱点とかないの?」
「特には。鋭い刀剣で切り刻むか、鈍器で叩き潰すか。或いは、魔法で、鋭利な風の刃で切り刻むか劫火で焼き尽くすか、ですかな」

 愛唯あおいの質問に、護衛の兵士や魔法士達が顔を見合わせて出した答えは、とにかく、より強い武器と戦闘能力で、強引に斃すか、高火力の魔法で滅するしかないみたい。
 普通の女子高生には難しいと思うけど。幾ら、神様の加護や精霊の守護があって、特別な力を与えられていたとしても。
 精神が耐えられるとは思えない。

「女性は近づいちゃダメだって言うのなら、魔法で焼き尽くすしかないわね」
愛唯あおい、やるの?」
「やってみなきゃわからないわ。放置してても、いずれ村に来て、被害が発生するんでしょう? 女性を連れ去ってどんどん増えるんじゃ、見つけたら徹底的に全滅するまでやるしかないじゃないの」

 どんなものか見るだけだった筈なのに、なぜかやる気満々の愛唯あおいの言葉に、醜鬼ゴブリン殲滅作戦が行われることになった。




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