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チーム再び!!──コハクちゃんを中心に

なな。『コハクの抱きかかえているサラマンダーは、我々がそばで話していても、コハクがぬいぐるみのように抱きしめていても、グースカ眠っている』

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     🏘

 コハクの抱きかかえている火蜥蜴サラマンダーは、我々がそばで話していても、コハクが叱られる子供のように上目使いでこちらを見ながら顔を隠すように抱き締めても、グースカ眠っている。
 コハクいわく、温かくて、ぬいぐるみのようにサイズ的にも程よい抱き心地なのだそうだ。

「それで、ですね。姿を見せることなく、空間を渡って魔法だけを送ってくるような、怖い錬金術士相手なんですが、レシピを頂いて、身柄を確保するのに、みなさんも危険な目に合わせるかと思いま⋯⋯」
「ノンノン、コハクちゃん、私達の間で、そんな気遣いは要らないよ。どんな冒険だって危険と隣り合わせなもんさ。だけど、私達は冒険者ハンターなんだよ? たから、必要なのは一言だけ」
「⋯⋯すみません「謝るのもなし!」はい。あの、瓶に閉じ込められたお姫様を助ける為、危険な錬金術レシピを破棄するため、使われて解放されたいと願う魔族の為、力を貸してください!」
「「「勿論!!」」」

 その時の、私達の返事を聞いて嬉しそうに破顔したコハクちゃんは、とても可愛かった。
 冒険でも頼りになるし、やはり、彼女を解雇した勇者候補くんは、見る目がないね。

 しばらく、事件解決までこのコテージは借りるらしい。ので、活動拠点として、私達も泊まることにした。

「上に荷物置きのロフトがあるみたいだし、ここでも女三人は上で寝るから、フィルタは下のソファでもいいだろ?」
「構わない」
「わたし⋯⋯僕も、一緒でいいかな? 君たちの活動を自由にさせる条件が僕が共にいる事だからね。表向きは目付け監視だけど、ちゃんと手助けもするよ」

 本音を言えば、あまり受け入れたくないが、仕方あるまい。それに、決定権はコハクにある。

「この件のリーダーはコハクちゃんだから、コハクちゃんの決定、指示に従うよ」
「わかりました。まずは、チルちゃんの探知スキルで、錬金術士の送って来た爆裂魔法や消えた瓶の痕跡を追跡しましょう」

 仮眠を取るか訊かれたが、不思議な事に、というかコハクの朝食のおかげだろう、全然眠くも疲れてもいなかった。

「それでも、しんどいと思ったらすぐに言ってくださいね?」

 とりあえず、5人でコテージ村を出る。
 管理人に確認したが、人数が増えても、一軒一泊幾らなので、料金は問題ないとの事だった。
 ただ、火災や事故などを想定した、保険料だけはとられた。仕方あるまい。彼も、ただでコテージ村を管理する訳ではない。問題なく退去する時は、半額返してくれるとの事だった。

「5人で一軒は手狭じゃないのかね?」
「ええ。話す事もありますし、一緒のほうがいいので。本当に料金上乗せしなくていいのですか?」
「まあ、元々、そこらの宿なんかよりはずっと高額の宿泊料を取ってるしね。構わないよ。もうひとまわり大きな建物にしたいというのなら、それ相応の料金で、移ってもいいがね」

 ざこ寝や野宿も厭わない私達冒険者からしたら、例えロフト付き平屋建てでも、あそこは殆ど貴族の別荘である。キールの家よりもデカイし立派だった。


 ふるふる揺れながら、魔法の残滓とやらを追うスニャイム達。
 チル殿は、私達全員に防御結界を展開しながら、昨夜の爆裂魔法とやらの痕跡を辿り、街の方へ案内してくれた。
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