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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?

じゅう。『それとなく、まだ会えそうにない次男の話へ持っていく』──カイルロッド様とルフィ君はフリー!! エドゥアール様の婚約者は野薔薇姫?

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     🥀

 それとなく、まだ会えそうにない次男の話へ持っていく。

「さっきの、三男の方は、私より一つ上だとお伺いしましたが、さすがにまだ婚約者はいませんよね?」
「まあね。貴族なら、15歳ではいてもおかしくないのだけど、三男なのと、まだまだルフィ自身が子供のようなものだからね、結婚させられそうにないし、まだ見繕ってもいないよ」
「次男の方もですか? 学生なんですよね?」
「エドゥアールは、一応婚約しているよ。隣の領地の伯爵令嬢で、儚い感じの、野薔薇のような可愛らしい人だね」

 伯爵令嬢! カイル様とルフィ君はまだフリー!!

 間違いない、この瓶の中の令嬢は、その次男エドゥアール様の婚約者の野薔薇ちゃん(仮)と言うことでいいだろう。

「その野薔薇ちゃんは、時々会ったり、この街にいらっしゃったりしますか?」
「野薔薇ちゃん? ⋯⋯どうかなぁ。エドゥアールはたまに会ってるとは思うけど、家に来るのは、何かの行事くらいかな? なにせエドゥアールが普段、家に居ないからね」
「ああ、貴族学校パブリックスクールの寄宿舎に入られてるのでしたっけ。婚約者と言っても、そんなに会わないものなんですね」
「いや、ケースバイケースかな? エドゥアールは寄宿舎にいるせいだろう。毎週どちらかの家で茶席を設けてるとこも、家族のようにしょっちゅう会ってるところも、年に数回の夜会や行事しか会わない人も居ると思うよ」
「年に数回は寂しいですね」
「家同士の繋がりのための婚約で、想い合って結婚を約束した訳じゃないからだろう。エドゥアールは、夜会で知り合って気に入った令嬢だと言っていたがね。エドゥアールに婚約者がいる事が気になるかい?」

 ギクッ あからさまに気にしすぎたかな。

「先程も言いましたが、アレフ達にいなかったので。うちは、祖父母も両親も、想い合っての結婚でしたので、政略結婚ってピンときませんし、長くずっと会わずにいるなんて信じられません」
「ふふ。そうかい? コハクちゃんは、付き合ってる人とかいないの?」

 うおっ、こっちに来た!?

「い、いませんよ、そんなの。見ての通り、ひとりでふらふら冒険者なんてしてますから」
「そう? 僕もね、独身だし相手はいないよ?」

 ど、どういう意味でしょうか? 揶揄からかわれてんのかな? エドゥアール様の婚約者の野薔薇ちゃんのこと訊くから探りを入れられてるのかな?
 笑って誤魔化すことにした。
 カイル様も、それ以上は突っ込んて来なかった。

 魔道士や錬金術士の多く集う学舎が、東地区にあるとギルドで聞いていたので、まだ時間もあるし、そっちへ向かうことにした。








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