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今度こそ、ソロデビューです!?
じゅうひち。『大体の予想はついていたけれど、男の子達は、ミィニーちゃンのお兄さんと研究仲間のお兄さんだった』──火焰蠅を駆除しましょう
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🦎
大体予想はついていたけれど、男の子達は、ミィニーちゃんのお兄さんと、研究仲間のお兄さんだった。
十分ほど歩くと、時々炎が ボッ ボッ と吹き上がる不思議な沼があった。
前に見た時より、蠅は増えているみたいだった。
「前より酷いな」
「天敵がいなくて、増え放題なんだろう。このままだと、火焔トンボも絶滅してしまうぞ」
ふたりがトンボを入れているカゴにも蠅が寄ってくるが、トンボを逃さないための特殊な檻には入れないみたいだった。
「サラピーちゃん、ここにいる蠅、全部食べてもいいよ?」
〈絶滅サセタライケナインジャナカッタノカ?〉
「ここは、元々の生息地じゃなくて、天敵もいないから異常発生していたんだ! 僕らは困ってるんだ! もし、全滅させられるなら、頼む!」
「トンボが寄生されて絶滅しかけてるし、町や農地も燃やされて、災害レベルの害虫なんだ。駆除できるなら、僕にできるなら何でもするからお願いだよ!」
男の子達の悲鳴から、本当に困ってたんだな~と思い、今までは摑んで焰を吐かせていたけれど、これで元気になるなら、お別れでも仕方ないかと、サラピーちゃんを自由にした。
〈ヒャッハー‼ 凄エゼ! 喰イ放題ダ〉
サラピーちゃんは、とても嬉しそうにそこらを飛び回り、お口を大きく開けたまま、逃げ惑う蠅を次々に食べていく。
どんなに小さい蠅でも逃さず食べ、長い舌に巻き取り、時折沼から吹き出す炎もパクリと食べる。
葦のような草や、湿地の動物や昆虫の死骸にわいた蛆も舐め取り、本当に蠅が根絶しそうな勢いだった。
サラピーちゃんに怯えた蠅が遠くへ逃げようとするけれど、いつの間にかこの沼を取り囲む霧に阻まれて、逃げられない。
〈水辺なら任せてくれ〉
大きな漬物瓶に入った水の中から、ケルピーちゃんが得意げな顔で反り返っていた。
どうやら、霧の結界で、蠅が逃げられないように囲ってくれたらしい。
「え? 何、これ。小型の水棲ドラゴン?」
「タツノオトシゴってお魚だよ。でも、タツノオトシゴの姿は仮で、本当は大きなお馬さんの妖精さんなんだよ」
「妖精なの?」
「そう。この、頭に乗ってるのも妖精なんだよ」
「え、ペットのスライムかと思ってた⋯⋯」
私の足元で待機しているチットちゃん。両手で包めるくらいの漬物瓶がチットちゃんに1/3ほど埋まる感じで、お水が8分目ほどまで入ってて、中でケルピーちゃんが休んでる。
重力操作で軽くして、チットちゃんに埋めて私の肩に留まっていたけれど、こうして何かアクションをする時は、足元に避難してくれている。
ケルピーちゃんも大きくなってきたし、元気になったならそのうちお礼を言ってお別れかな。
大体予想はついていたけれど、男の子達は、ミィニーちゃんのお兄さんと、研究仲間のお兄さんだった。
十分ほど歩くと、時々炎が ボッ ボッ と吹き上がる不思議な沼があった。
前に見た時より、蠅は増えているみたいだった。
「前より酷いな」
「天敵がいなくて、増え放題なんだろう。このままだと、火焔トンボも絶滅してしまうぞ」
ふたりがトンボを入れているカゴにも蠅が寄ってくるが、トンボを逃さないための特殊な檻には入れないみたいだった。
「サラピーちゃん、ここにいる蠅、全部食べてもいいよ?」
〈絶滅サセタライケナインジャナカッタノカ?〉
「ここは、元々の生息地じゃなくて、天敵もいないから異常発生していたんだ! 僕らは困ってるんだ! もし、全滅させられるなら、頼む!」
「トンボが寄生されて絶滅しかけてるし、町や農地も燃やされて、災害レベルの害虫なんだ。駆除できるなら、僕にできるなら何でもするからお願いだよ!」
男の子達の悲鳴から、本当に困ってたんだな~と思い、今までは摑んで焰を吐かせていたけれど、これで元気になるなら、お別れでも仕方ないかと、サラピーちゃんを自由にした。
〈ヒャッハー‼ 凄エゼ! 喰イ放題ダ〉
サラピーちゃんは、とても嬉しそうにそこらを飛び回り、お口を大きく開けたまま、逃げ惑う蠅を次々に食べていく。
どんなに小さい蠅でも逃さず食べ、長い舌に巻き取り、時折沼から吹き出す炎もパクリと食べる。
葦のような草や、湿地の動物や昆虫の死骸にわいた蛆も舐め取り、本当に蠅が根絶しそうな勢いだった。
サラピーちゃんに怯えた蠅が遠くへ逃げようとするけれど、いつの間にかこの沼を取り囲む霧に阻まれて、逃げられない。
〈水辺なら任せてくれ〉
大きな漬物瓶に入った水の中から、ケルピーちゃんが得意げな顔で反り返っていた。
どうやら、霧の結界で、蠅が逃げられないように囲ってくれたらしい。
「え? 何、これ。小型の水棲ドラゴン?」
「タツノオトシゴってお魚だよ。でも、タツノオトシゴの姿は仮で、本当は大きなお馬さんの妖精さんなんだよ」
「妖精なの?」
「そう。この、頭に乗ってるのも妖精なんだよ」
「え、ペットのスライムかと思ってた⋯⋯」
私の足元で待機しているチットちゃん。両手で包めるくらいの漬物瓶がチットちゃんに1/3ほど埋まる感じで、お水が8分目ほどまで入ってて、中でケルピーちゃんが休んでる。
重力操作で軽くして、チットちゃんに埋めて私の肩に留まっていたけれど、こうして何かアクションをする時は、足元に避難してくれている。
ケルピーちゃんも大きくなってきたし、元気になったならそのうちお礼を言ってお別れかな。
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