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奇跡の少女 ── ギレウォッタ
じゅういち。『氷の粒はきらきらと舞い、結界の内の温度と私達の体温を適温にまで下げ、結界の外にまで拡がっていく』──これはダイヤモンドダスト?
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❆
氷の粒はきらきらと舞い、結界の内の温度と私達の体温を適温にまで下げ、結界の外にまで拡がっていく。
これは、氷点下の雪山で見られるという、ダイヤモンドダスト?
危機的状況にも拘わらず、つい、あまりの美しさに見惚れてしまった。
細氷の渦はどんどん拡がり、この空間で発火した呪詛の欠片をすべて相殺して、目を開けてられないほどの光を放ってすべて消え去った。
「ほわぁ、凄いねぇ。雪だるまさんが助けてくれたのかなぁ」
雪だるま──ジャック・フロストの力には違いないだろうが、奇跡のような細氷の渦を起こしたのは、コハク、君だと思うよ。
召喚した訳じゃないからだろうか、雪の結晶は溶け消えてはおらず、依然、コハクの手の中であった。
「雪だるまさん、ありがとう。結晶のユキちゃんも。休んでてね」
嗚呼、あの結晶にまで名前をつけるのか⋯⋯
名づけた雪の結晶にキスをして労い、ポシェットにしまうコハク。
ちなみに、ターレンは口を開けてポカーンと、コハクの行動を見ていた。
「わ、私が氷の小精霊から始めて、雪の子、氷乙女を経て50年かけてやっと、氷結小竜と契約できたと言うのに、たった一度の邂逅だけでで大ジャック・フロストと? もうこの上は霜の巨人か、氷結魔神くらいしか⋯⋯」
ああ、うん。気持ちは解る。精霊使いのハーフエルフとしてのアイデンティティが危ないんだね。
四大精霊の火風水土の中級以上との契約をクリアしてやっと上位複合属性へと進むと聞いているし、きっと長い年月を費やして来たんだよね。
それを、段階をすぽ~んと飛び出して、【召喚】も【精霊術】も持ってないコハクが、上位種に力を分けてもらえてるんだから唖然とするよね。
もう、コハクに関しては、お祖母様も含め、その特殊性や常識を飛び越えた幸運とか、突っ込んじゃいけないんだと悟った。
しかし、例の女神の祝福を得ている勇者候補と名高い公爵子息はなぜ、彼女を手放したんだろう。こんなに素晴らしい可能性を秘めているのに。
彼女の特異性が自尊心を傷つけたとか、常識をかけ離れすぎて付き合いきれなかったとか、側にいられない理由でもあったんだろうか。
これは、冗談抜きで、フィルタやアネッタに相談して、スポット参加でもいいから、うちに取り込めないかやってみるか?
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「ほわぁ、凄いねぇ。雪だるまさんが助けてくれたのかなぁ」
雪だるま──ジャック・フロストの力には違いないだろうが、奇跡のような細氷の渦を起こしたのは、コハク、君だと思うよ。
召喚した訳じゃないからだろうか、雪の結晶は溶け消えてはおらず、依然、コハクの手の中であった。
「雪だるまさん、ありがとう。結晶のユキちゃんも。休んでてね」
嗚呼、あの結晶にまで名前をつけるのか⋯⋯
名づけた雪の結晶にキスをして労い、ポシェットにしまうコハク。
ちなみに、ターレンは口を開けてポカーンと、コハクの行動を見ていた。
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ああ、うん。気持ちは解る。精霊使いのハーフエルフとしてのアイデンティティが危ないんだね。
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