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廃鉱山の中は、アンデッドだらけ?
にじゅろく。『なんとなく事態が解決したような、和やかな雰囲気になったけど、何も解決したわけじゃない』──ここからどうやって脱出するの?
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⛏
なんとなく事態が解決したような、和やかな雰囲気になったけど、何も解決したわけじゃない。
死霊も坑夫達の呪われた霊魂も、お祖母ちゃんの魔法の杖で眠ってるだけで、浄霊された訳じゃない。いつまた襲ってくるかわからないので油断はできないし、こうなっている原因が解明された訳でも取り除かれた訳でもない。
「可能なら浄霊してやりたいが、聖職者が居ないからなぁ」
「聖サラピー殿の炎にも、呪われた肉体からは解き放たれたものの、霊魂までは鎮められてないのが残念だが、私達にはどうにもできない」
キールさんが、自分の身内のことのように、悼ましげに呟いた。
「そのためにも、私達のためにも、ここから出ないとね?」
「ああ、まずは出口を探そう。彼らを癒やす手段を講じるのはそれからだ」
屍喰鬼鼠や元坑夫だったモノ達は、どこから出てきたのかな? 確かに行き止まりだったよね?
もちろん、みんなもその事は不思議に思っていて、上位聖職者が居ない現状、この不死者の王国みたいな場所での謎は解明できないでいた。
しばらくこうして話していても、新しい魔物も出てこないようだし、残りの坑道を順番に調査していく事になった。
私の、甘~い疲れが吹き飛ぶ(といいな)クッキーを囓りながらである。
その後ふたつほど、行き止まりまで行って広場へ戻るを繰り返したあと、初めて行き止まりだけじゃない結果がでた。
行き止まりなんだけど、穴がある。そっと大輪の花を穴の上に差し出して、ギレウォッタさんとラジエさんが覗き込むと、かなり深い穴だという。
瓦礫のかけらを落として大まかな距離を測ってみたけど、私達が落ちてきた大穴と同じかもっと深いという。
底の方にオレンジ色の光が見えて、瓦礫が到達した瞬間、パアッと光が強まり熱気が上がったので、どうやら火山の燃え盛る溶岩が見えているらしい。
〈コハ、この穴から強い火山ガスくるヨ。ボクの浄化能力を超えそうダカラ、戻ろう?〉
心配そうにチットちゃんが進言してくれるけど、もちろん、後ろのみんなも戻りかけていた。
深い深い縦穴の先は燃え盛る溶岩──では、たとえ途中に横穴があったとしても、熱気も有毒ガスもひどく誰も進めない。
その後も行き止まりか、広い空間で鉱石を掘っていた跡らしき場所、溶岩は見えないけど同じように深い縦穴があるだけと言う、私達にはその先へは進めない坑道ばかりだった。
どの坑道も、行き止まりか地の底への長い縦穴しかない。
元居た上層へも戻れそうにない。
このまま、この場で朽ち果てるしかないのかな⋯⋯
みんなが諦めかけた時、また、地が揺れた。
なんとなく事態が解決したような、和やかな雰囲気になったけど、何も解決したわけじゃない。
死霊も坑夫達の呪われた霊魂も、お祖母ちゃんの魔法の杖で眠ってるだけで、浄霊された訳じゃない。いつまた襲ってくるかわからないので油断はできないし、こうなっている原因が解明された訳でも取り除かれた訳でもない。
「可能なら浄霊してやりたいが、聖職者が居ないからなぁ」
「聖サラピー殿の炎にも、呪われた肉体からは解き放たれたものの、霊魂までは鎮められてないのが残念だが、私達にはどうにもできない」
キールさんが、自分の身内のことのように、悼ましげに呟いた。
「そのためにも、私達のためにも、ここから出ないとね?」
「ああ、まずは出口を探そう。彼らを癒やす手段を講じるのはそれからだ」
屍喰鬼鼠や元坑夫だったモノ達は、どこから出てきたのかな? 確かに行き止まりだったよね?
もちろん、みんなもその事は不思議に思っていて、上位聖職者が居ない現状、この不死者の王国みたいな場所での謎は解明できないでいた。
しばらくこうして話していても、新しい魔物も出てこないようだし、残りの坑道を順番に調査していく事になった。
私の、甘~い疲れが吹き飛ぶ(といいな)クッキーを囓りながらである。
その後ふたつほど、行き止まりまで行って広場へ戻るを繰り返したあと、初めて行き止まりだけじゃない結果がでた。
行き止まりなんだけど、穴がある。そっと大輪の花を穴の上に差し出して、ギレウォッタさんとラジエさんが覗き込むと、かなり深い穴だという。
瓦礫のかけらを落として大まかな距離を測ってみたけど、私達が落ちてきた大穴と同じかもっと深いという。
底の方にオレンジ色の光が見えて、瓦礫が到達した瞬間、パアッと光が強まり熱気が上がったので、どうやら火山の燃え盛る溶岩が見えているらしい。
〈コハ、この穴から強い火山ガスくるヨ。ボクの浄化能力を超えそうダカラ、戻ろう?〉
心配そうにチットちゃんが進言してくれるけど、もちろん、後ろのみんなも戻りかけていた。
深い深い縦穴の先は燃え盛る溶岩──では、たとえ途中に横穴があったとしても、熱気も有毒ガスもひどく誰も進めない。
その後も行き止まりか、広い空間で鉱石を掘っていた跡らしき場所、溶岩は見えないけど同じように深い縦穴があるだけと言う、私達にはその先へは進めない坑道ばかりだった。
どの坑道も、行き止まりか地の底への長い縦穴しかない。
元居た上層へも戻れそうにない。
このまま、この場で朽ち果てるしかないのかな⋯⋯
みんなが諦めかけた時、また、地が揺れた。
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