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11:既知の仲
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「おはようございます、坊っちゃま」
清々しい朝、窓からは木々が一斉に色づき美しい光景が広がっている。
「おはよう、ヨハン」
「もう起きておいででしたか。早速ですが本日のご予定はどうされますか」
「今日はヨハンに教えて欲しいことがあるんだ。この前の講義の続きをしながら聞きたいな」
先日ヨハンに魔導具について教えてもらった時に魔導具として雪うさぎをつくることを閃いた。
この講義までは、魔導具とは人が必ず触れて制御しなければならないものであると思っていたが、予め設定した動きを動力源である魔石の魔力が尽きなければ理論的には永遠に再現できるというのだ。
実際には魔力の尽きない魔石はなく本体の耐久性の問題もあるので永遠に、とはいかない。しかし、どんなに複雑なものでもプログラムさえできれば思い通りに動く。
突貫的に魔法でつくり出したものよりも素晴らしいものができる、レイハルトはそう考えた。何よりもミーアが自分のつくった玩具をあそこまで気に入ってくれていることが嬉しく、もっと喜んで欲しいと新たな“雪うさぎ”をつくろうとしているのだ。
「かしこまりました。では午前に講義をして、午後は街へ参りましょうか」
「街?」
疑問に思ったレイハルトは首を傾げた。
「坊っちゃまは昨夜魔力回路でお悩みになったのでしょう。そのようなことは職人に直接教わるのが一番ですからね」
「魔導具士の知り合いがいるの?」
レイハルトは職人というワードに少しわくわくしながら尋ねた。
「昔馴染みがおります。最近こちらに越して来たようなので、ついでに挨拶をしに行こうかと」
知り合いの職人がいる、しかもあの謎めいたヨハンの昔馴染みとは、これは絶対行かねば!と少し興奮してきたレイハルトはそれを隠そうともせず、何か期待するような愉快そうな目でヨハンをじっと見た。
「……坊っちゃま、何を期待しているのですか。特に面白いことなど何もありませんよ」
己の主人の何か面白いことがありそう、という表情に少し呆れながら答えた。
「そうかな。でもヨハンのこと何も知らないんだもん。少しでも知りたいじゃないか!」
従者に呆れられても気にならない。そんなことよりも謎に包まれたヨハンの交友関係を暴く方が重要だ。
「期待されても何もありませんからね。あぁ、もうこんな時間です。朝食に間に合うようお急ぎください」
「わかったよ」
思いがけない展開になりそうな予感に、レイハルトは足取り軽く朝食へ向かった。
清々しい朝、窓からは木々が一斉に色づき美しい光景が広がっている。
「おはよう、ヨハン」
「もう起きておいででしたか。早速ですが本日のご予定はどうされますか」
「今日はヨハンに教えて欲しいことがあるんだ。この前の講義の続きをしながら聞きたいな」
先日ヨハンに魔導具について教えてもらった時に魔導具として雪うさぎをつくることを閃いた。
この講義までは、魔導具とは人が必ず触れて制御しなければならないものであると思っていたが、予め設定した動きを動力源である魔石の魔力が尽きなければ理論的には永遠に再現できるというのだ。
実際には魔力の尽きない魔石はなく本体の耐久性の問題もあるので永遠に、とはいかない。しかし、どんなに複雑なものでもプログラムさえできれば思い通りに動く。
突貫的に魔法でつくり出したものよりも素晴らしいものができる、レイハルトはそう考えた。何よりもミーアが自分のつくった玩具をあそこまで気に入ってくれていることが嬉しく、もっと喜んで欲しいと新たな“雪うさぎ”をつくろうとしているのだ。
「かしこまりました。では午前に講義をして、午後は街へ参りましょうか」
「街?」
疑問に思ったレイハルトは首を傾げた。
「坊っちゃまは昨夜魔力回路でお悩みになったのでしょう。そのようなことは職人に直接教わるのが一番ですからね」
「魔導具士の知り合いがいるの?」
レイハルトは職人というワードに少しわくわくしながら尋ねた。
「昔馴染みがおります。最近こちらに越して来たようなので、ついでに挨拶をしに行こうかと」
知り合いの職人がいる、しかもあの謎めいたヨハンの昔馴染みとは、これは絶対行かねば!と少し興奮してきたレイハルトはそれを隠そうともせず、何か期待するような愉快そうな目でヨハンをじっと見た。
「……坊っちゃま、何を期待しているのですか。特に面白いことなど何もありませんよ」
己の主人の何か面白いことがありそう、という表情に少し呆れながら答えた。
「そうかな。でもヨハンのこと何も知らないんだもん。少しでも知りたいじゃないか!」
従者に呆れられても気にならない。そんなことよりも謎に包まれたヨハンの交友関係を暴く方が重要だ。
「期待されても何もありませんからね。あぁ、もうこんな時間です。朝食に間に合うようお急ぎください」
「わかったよ」
思いがけない展開になりそうな予感に、レイハルトは足取り軽く朝食へ向かった。
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