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2019
12月⑧終わり/高嶺の花/雫
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終わり 2019.12.22
夕焼けならば明日は晴れ。
手をつないで歩く土手の上で兄と落ち行く夕日を何度も見た。
あの頃は世界の全てが輝いていた。
二人なら何でも楽しくて、
夜には早く明日になれなんて思っていたっけ。
冷たい風が隣を吹き抜けていった。
足りないのは掌の体温。
もう二度と繋げない掌は宙を掴んで虚しく閉じた。
高嶺の花 2019.12.23
ごめん。
本当は君と話してみたくて
わざと廊下でぶつかったんだ。
落とした教科書を拾って
ごめんと謝れば、
こちらこそと返ってくる。
短い小さなやり取りだけで、
僕のくだらない日常が
花咲くように変わってしまうから不思議だ。
今度はちゃんと話しかけられるだろうか。
高嶺の花を目指して歩く。
零 2019.12.24
ずっと好きだった。
だから距離をとった。
手放せない感情に振り回されたくはないから。
それなのに。
「先輩、最近つれないですよね」なんて駆け寄って来る
上目遣いの君がいるだけで、
簡単に心はかき乱されてしまうから。
顔の表面に張り付いた笑顔の裏の
醜い僕に気づかれる前に
どうか僕を放り出して。
夕焼けならば明日は晴れ。
手をつないで歩く土手の上で兄と落ち行く夕日を何度も見た。
あの頃は世界の全てが輝いていた。
二人なら何でも楽しくて、
夜には早く明日になれなんて思っていたっけ。
冷たい風が隣を吹き抜けていった。
足りないのは掌の体温。
もう二度と繋げない掌は宙を掴んで虚しく閉じた。
高嶺の花 2019.12.23
ごめん。
本当は君と話してみたくて
わざと廊下でぶつかったんだ。
落とした教科書を拾って
ごめんと謝れば、
こちらこそと返ってくる。
短い小さなやり取りだけで、
僕のくだらない日常が
花咲くように変わってしまうから不思議だ。
今度はちゃんと話しかけられるだろうか。
高嶺の花を目指して歩く。
零 2019.12.24
ずっと好きだった。
だから距離をとった。
手放せない感情に振り回されたくはないから。
それなのに。
「先輩、最近つれないですよね」なんて駆け寄って来る
上目遣いの君がいるだけで、
簡単に心はかき乱されてしまうから。
顔の表面に張り付いた笑顔の裏の
醜い僕に気づかれる前に
どうか僕を放り出して。
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