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✿03:淫紋の次は淫呪かよ、知りたくなんかない!!
***30.俺を挟むな!(8)※
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「ゆ、ユージィン!?」
グレイは背後から突然、彼が現れたので、慌てるように癒月の身体を支えた。いや、そのように癒月には見えた。
男の力強い腕に支えられて、それだけで癒月はぞくぞくと感じてしまう。指先が甘くしびれる。
(そうだ……これだよ……)
うっとりとグレイを見上げる。
(ほおら、見てるだけでもわかる……こいつだって、充分興奮してんじゃんか……)
癒月は喉が渇いて、ぺろりと唇を舐めた。
そんな様子にグレイとカンジがごくりと生唾を飲む様子さえ。
「ユージィンちゃん、どうしちゃったのかなぁ?」
カンジが癒月を覗き込んでくる。
「ねえ、行っちゃうの?」
誘え!
何がなんでも、離してたまるか、と癒月はすがるようにカンジへと手を伸ばす。
「うっ、ユージィンちゃん……」
(そうだ、そうだ、いい子だな、カンジ……、お前らのような種馬なんぞはアルコールなんかじゃ満足できないだろ?)
艶めいた笑みを浮かべて、癒月はあえて首をかしげた。
グレイもその仕草を凝視している。
「で、でもさ、これじゃ勝敗が決まんなくてさぁ」
(そう来たか)
内心、癒月はほくそ笑む。
(こういうときの鉄板ってのはさ、どっちが気持ちいいかとか、そういうネタだろ? あっちでその手のそれは結構見てきたからな……)
もはやこの男、自分がどうなっているのかすら、見えていない。
「……じゃあ」
癒月は男に媚びるように甘い声で囁く。こういうとき、少し焦らすようにゆっくりと話したほうがいい、と判断して、彼はそう実行した。
「なに? ユージィンちゃん」
「えっと……その……」
少し恥じらいを混ぜる。
足をもじもじと交差させれば、男でもなかなか可愛いのではないか、という計算。
それはヒットした。グレイの下半身の盛り上がりを癒月は目ざとく見つける。
「……先に俺をイかせるのが、無理でもさ……どっちが気持ちくさせられるか、じゃ、ダメなの?」
見上げてくる癒月にふたりは、示し合わせたかのように、顔を合わせて、にやりとほくそ笑んだ。
(え……?)
癒月は彼らの反応を待つ。
「そっかぁ、そーだね」
カンジの腕が伸びてきたかと思えば、キスをされていた。
グレイは背後から突然、彼が現れたので、慌てるように癒月の身体を支えた。いや、そのように癒月には見えた。
男の力強い腕に支えられて、それだけで癒月はぞくぞくと感じてしまう。指先が甘くしびれる。
(そうだ……これだよ……)
うっとりとグレイを見上げる。
(ほおら、見てるだけでもわかる……こいつだって、充分興奮してんじゃんか……)
癒月は喉が渇いて、ぺろりと唇を舐めた。
そんな様子にグレイとカンジがごくりと生唾を飲む様子さえ。
「ユージィンちゃん、どうしちゃったのかなぁ?」
カンジが癒月を覗き込んでくる。
「ねえ、行っちゃうの?」
誘え!
何がなんでも、離してたまるか、と癒月はすがるようにカンジへと手を伸ばす。
「うっ、ユージィンちゃん……」
(そうだ、そうだ、いい子だな、カンジ……、お前らのような種馬なんぞはアルコールなんかじゃ満足できないだろ?)
艶めいた笑みを浮かべて、癒月はあえて首をかしげた。
グレイもその仕草を凝視している。
「で、でもさ、これじゃ勝敗が決まんなくてさぁ」
(そう来たか)
内心、癒月はほくそ笑む。
(こういうときの鉄板ってのはさ、どっちが気持ちいいかとか、そういうネタだろ? あっちでその手のそれは結構見てきたからな……)
もはやこの男、自分がどうなっているのかすら、見えていない。
「……じゃあ」
癒月は男に媚びるように甘い声で囁く。こういうとき、少し焦らすようにゆっくりと話したほうがいい、と判断して、彼はそう実行した。
「なに? ユージィンちゃん」
「えっと……その……」
少し恥じらいを混ぜる。
足をもじもじと交差させれば、男でもなかなか可愛いのではないか、という計算。
それはヒットした。グレイの下半身の盛り上がりを癒月は目ざとく見つける。
「……先に俺をイかせるのが、無理でもさ……どっちが気持ちくさせられるか、じゃ、ダメなの?」
見上げてくる癒月にふたりは、示し合わせたかのように、顔を合わせて、にやりとほくそ笑んだ。
(え……?)
癒月は彼らの反応を待つ。
「そっかぁ、そーだね」
カンジの腕が伸びてきたかと思えば、キスをされていた。
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