上 下
15 / 112
✿01:あっこれって追放ですね知っています

*11.崩壊(6)※

しおりを挟む
「む、むりぃ」

 起き上がろうとしたリュセにタグが噛みつく。口腔を犯されて、リュセはなすすべなくベッドに沈む。

「はぁ……うっ」
「いい具合だ。ほぐれていて気持ちいいぜ」
「んんっ、あ、だ、だめぇ、そこトントンやぁ」
「やじゃなくて、イイだろ? 俺がここをこうするだけで前はどろどろだし、腰だってびくびくしてる。前を触らずに後ろだけで達してみろよ」
「やぁ、で、でちゃ……はぁあっ!!」

 ビクンと一際大きくリュセの背中がのけぞった。途端、彼の幹から白濁が勢いよく放出される。それは息荒いリュセの腹に胸に落ちて彼の白磁のような皮膚を穢した。

「んだよ。あっさりイけるんじゃねぇか。とんだ好きものだな」
「あ……んぁ」

 タグはたぎった自身の幹に手を添えた。その怒張を見てしまい癒月は思わず息を飲んだ。

 大きい。同じ性を持つ癒月からしてもそれは圧倒的な雄のオーラを持ち、太く脈打つ。

 癒月は思わずごくりと生唾を飲んだ。さっきから喉が渇いて仕方がない。それだけではない。

 タグの一物を目撃してしまって、自身がぴくりと動いた。少し、固くなってきて……思わず自身に向けて手を伸ばしてしまった癒月は、慌てて自身の手を引っ込める。

「しても、よいのだぞ」

 声は甘い誘惑を癒月に突きつける。しかし、彼にも彼なりのプライドがある。どこにいるのかわからない声の主に向けて目を光らせた。

「はぁ、んあ、はいってくるぅ」

 達したばかりで敏感になっていてつらいのか、リュセは瞳に涙を浮かべながら激しく燃え上がるタグの雄を受け入れた。

 蕾は今にも裂けそうなくらいに大きくめくりあがり、それでも心底おいしそうにタグの怒張を受け入れている。

「んあ! おく、あつ、あついぃ……」
「へっ、そりゃどうも」
「あおおぅ、うあっ」
「動くぜ」
「ひぃ、アッ! やだぁ!」

 タグは今にも達しそうになっているリュセの前に手をかけるとその幹を優しく上下にゆすった。それと同時に自身の腰を前後にゆする。
 それだけでリュセはあっけなく達してしまった。

「ほう、またいいことしちまったのか」
「あ……や、ま、まだうごか……んぁあああ!! ひぃ、や、あっ、んぃ、無理、いっちゃぁあああああ!!」

 再び律動を始めたタグについていけないとばかりにリュセがびくびくと震えた。しかし、前は弾けていない。

「おっと、可愛いな、ナカで達したのか? お前、そういうのより男娼にでもなったほうがよかったんじゃないか」
「んぁ……きもちい……」
「ほんじゃ、再開するぜ」
「んぁあ! んお、ああぁ……!」

 グラインドがどんどんと激しくなるにつれ、リュセの上げる声も獣じみてくる。そうやって変化していく男の淫らな姿にタグも興奮し、余計にこの男へとのめり込んでいく。

 こんな……。
 癒月は絶句した。

 こんな淫らで穢れた光景は見たことがなかった。淫靡で浅ましく、理性のかけらもない交わりあい。

「んっ!!」

 リュセが再びビクンと大きく跳ねた。途端、癒月の背中ものけぞっていた。

(な……なんで……)

 癒月は思わず自身の股間に手を伸ばした。そこは癒月が流した液体で濡れている。

「こ、こんな……人の行為を見ているだけで……」

 唖然とした癒月だったが、すぐにその衝撃は痛みに変わる。
 ズボンと下着の中で自身は高ぶり、その閉じ込められた質量は外に出たいとばかりに激しく脈打ちだす。

(さっきは勝手に服の中でイったのに……くそっ)

 癒月は自身の股間に腕を伸ばそうとして、それを自身で止める。悔しい。苦しい。楽になりたい。

「ああん……いい、いいよぉっ、もっと、もっときてぇ」

 淫らに乱れているリュセを見て、憎いはずの男を見て。そしてタグの本性を知って。

「おやおや、素直になれないなら、素直になる魔法でもかけてやろうかねぇ。うむ、最初だからちょっとは手加減してやらなくちゃな」
「は?」

 声がほくそ笑むような音を立てたかと思うと、異変が起きた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

青年は淫らな儀式の場に連行される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...