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エピローグ 『むかしむかし、はむかしの話』

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「それじゃあ、出欠を取るぞー。東間ホマレ!」

「はいっ」

「印路ミア!」

「はいはーい!」

「はいは一回でいいぞー。次、あー、蒲帆フウキ!」

「へーい……ってタンマタンマ!」


 俺は勢いよく立ち上がった。


「なんで仲山先生が出席とってんの? 本間先生、休み?」


 俺の当然の質問に対するアンサーは、クラス全員のキョトン顔だ。
 教壇に立っている仲山先生が、マッチョな巨体を悲しそうに揺らす。


「なにを言ってるんだ、このクラスの担任はずっと先生だろう? 傷ついちゃうぞっ」

「フウキ……! 仲山先生が左のサイドリラックスポーズをしているときは本当にショックなときだよ……!」

「ミア的にも、早く謝ったほうがいいと思うー」

「ホマレもミアも、なに言ってんだよ! 昨日までおまえらだって、本間先生から事情聴取受けて……」


 そのとき、ピンときた。

 そう――今回バクストマック・ゲーム事件に巻き込まれた俺たちプレイヤーは、CCCから事情聴取を受けていた。それは昨日で終わって、今日から普通の日常に戻れる――そんな説明を受けていた。


 だから、今、んじゃないか?


「……先生、俺、腹痛いから帰るっ!」

「お、おい待てっ! そんな猛ダッシュする腹痛者があるか! あとランドセルは?!」


 仲山先生の制止も振り切って、俺は速攻で学校を飛びだした。

 事件は終わった――だからCCCも、この街から引き上げる。そういうことだろ、これ! でもだからって、挨拶ひとつしないで消えるってのは生徒の教育上よろしくねーんじゃねぇの、本間先生!

 そう思ったらいてもたってもいられなかった。まだ、間に合うかもしれない。街中探し回れば、みつかるんじゃないか?

 そう思ってあっちこっち駆けずり回って一時間。いくらエネルギーが売るほどありあまる天下の小学5年生とはいえ、限界を迎えた。つか、喉渇いた。慌ててたから、ランドセル他荷物はぜんぶ学校だし……一旦、戻るかなぁ。

 と、商店街の探索を諦めた俺は、学校へ続く道につながる角を曲がる。
 が、前方不注意で誰かとぶつかり……んん? この、展開は……!


「本間先生、見っけーーー!!」


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