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第9話 『そしてラッパの音が響く――オオカミたちの大逆襲!』
⑧
しおりを挟む「お、の、れえええええええええ!!!」
すっかり余裕を失くしたジュースが、俺たちにおそいかかってきた。手があのヘビみたいに何本も生えて、伸びて、こっちに迫る。
だけど遅い遅い! 俺も、キリもルリアも、既にオオカミ・キッズに変貌していた。なんなくジュースの攻撃をかわし、そのまま走り出す。
あっ、とルリアがスピードを上げた。
「アイカちゃん……アイカちゃんっ!」
「ルリア……ずっと、見てたよ!」
ふたりは泣いて再会を喜びあっている。そして、キリも別の方向に向かう。
そこにいるのは、もちろん……
「兄ぃのバカッ!」
キリは殴りかかるように、抱きつく。相手はもちろん――兄貴のカイだ。
「今度ウチのためにこんなことしたら許さないしっ!」
「ああ、わるかった――キリ」
へー、おまえそんな優しー顔もするのね……って俺が観察しているのに気づくと、カイがぶっきらぼうな表情を向けてきた。
「……礼なんて言わねーぞ」
「ありがたいね、アレルギーが出るとこだったわ」
「ほざけ」
ぷいっとそっぽを向く。おーおー、素直じゃないこって。
そうこうしていると向こうから、おおい、と誰かこっちにやってきた。あ、中島じゃん。お邪魔かな、と思って、俺はコソコソ退散する。ちょっといったところで振り替えたら、カイが中島に謝ったらしく、逆に中島は恐縮しきりだった。ヤンキー界隈も大変だな。
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と、その声に、足が止まった。
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そこに、いたのは……、
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