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第7話 『とびこえてその先できみの声を聞く』

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「な、なにそれ……わけわかんないっ……」

 ふてくされる竹内妹に、ホマレはそれ以上なにも言わなかった。
 そして、俺を見てにっこり笑いかけてくれる。

 あまりにもいつもどおりすぎて――俺は気づいたら、思ったままを口にしていた。


「……でも、俺はきっと、おまえがそうしてほしがってるって知ってたから、利用しようとして、それで……」


 それを聞いたホマレは、なんとこともあろうに――プッとふきだした。


「意外とさ、せんさいだよねフウキって」

「な、なんだよ、人が真剣に申し訳なく思ってだな!」

「逆に、僕がフウキはそうするだろうと見こして利用した、とは考えない?」


 そのとき頭のなかに玉子が浮かんだ。そしていきおいよくカラを突き破りヒヨコがぴよっと誕生したところまでイメージして、


「……そーなんっ?!」

 と俺はまぬけな声を上げた。


 それを聞いてホマレはまたくすくす笑う。


「もちろん、そこまであくどいふうに思ってたわけじゃないよ。でも、なんとなく……フウキなら、僕のことわかってくれると思ったんだ。フウキだって、最初からややこしいこと考えてわざわざ近づいたわけじゃないだろう?」

「ん……? そりゃ、たしかに……そうだった、かも?」

「利用したり、されたり……そういう部分も、たしかにあるのかもしれない。でもさ、それをお互い自然とできて、心地よく思える……友達ってさ、そんなものなんじゃないかな」

「……そっか。そんなもんか、な」


 なんだ……なぁんだ。
 さっきまで怖がってたのが、ホントバカみたいだ。

 そうだよな――友達って、そんなもんだ。だから、友達なんだ。


『もー、そんなこともわかってなかったの? やっぱあんたってバカね!』


 ふと、聞こえてきた声に頭を上げた。

 今のは……ミア? また幻聴か? いや、でも――


 
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