上 下
8 / 88
第2話 『願いが叶う人狼?! バクストマック・ゲーム、スタート!』

しおりを挟む

「ふぅん……? ウソつきのあんたがそー言うなら、なんかあんのかもね」


 ミアはあっさりのみこんだけど、ホマレは困惑顔だ。


「でも、フウキもさっき手を上げたじゃないか」

「したがうフリして、あとでこっそり逃げようって思ったんだよ。な、おまえらも一緒に行こうぜ」

「んー……」ミアが唇をとがらす。「いいけど、ここ夢のなかでしょ? 逃げるってどうやって?」

「それは、今から探して……」

「僕は、残る!」


 俺もミアも、驚いて魚みたいな顔をした。

 いつも3人のなかで一番もの静かなホマレが、こんな大きな声を出すのなんてめったにない。

 ホマレは自分でも驚いたようだったけど、拳をぎゅっと結んだ。


「願い事、叶えたいんだ……だから、僕、がんばってみるよ」


 俺とミアは顔を見あわせたけど、すぐ笑いあった。


「ならミアも残る! せっかくだもん、楽しまなきゃソンだよね♪」

「……わーったよ! ま、オオカミ少年のこの俺がいなきゃ盛り上がらねーしな。やるからには、手加減ナシだ。おまえらが敵でも、よーしゃしねーぞ?」

「ナニ言ってんだか! ミアが一番に決まってんじゃん?」

「僕だって、負けないよ……!」


 俺たちは拳を突きあわせて、歩き出した。

 参加するとなったら、まずはルール確認だ。ジュースの言っていたルールの案内板に向かう。他のプレイヤーはもう確認し終わったのか、誰もいない。

 教室の窓くらいの大きさの板に、貼られた紙――その上に、読みやすい大きさの字でルールが書かれている。わざわざ点描で描かれた豪華な飾り枠に囲われていて、もったいぶった感じがなんだかイヤみだけど……そんなこと言っても始まらないので、ひとつひとつルールを確認していった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

太郎ちゃん

ドスケベニート
児童書・童話
きれいな石ころを拾った太郎ちゃん。 それをお母さんに届けるために帰路を急ぐ。 しかし、立ちはだかる困難に苦戦を強いられる太郎ちゃん。 太郎ちゃんは無事お家へ帰ることはできるのか!? 何気ない日常に潜む危険に奮闘する、涙と愛のドタバタコメディー。

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

フラワーキャッチャー

東山未怜
児童書・童話
春、中学1年生の恵梨は登校中、車に轢かれそうになったところを転校生・咲也(さくや)に突き飛ばされて助けられる。 実は咲也は花が絶滅した魔法界に花を甦らせるため、人の心に咲く花を集めに人間界にやってきた、「フラワーキャッチャー」だった。 けれど助けられたときに、咲也の力は恵梨に移ってしまった。 これからは恵梨が咲也の代わりに、人の心の花を集めることが使命だと告げられる。   恵梨は魔法のペンダントを預けられ、戸惑いながらもフラワーキャッチャーとしてがんばりはじめる。 お目付け役のハチドリ・ブルーベルと、ケンカしつつも共に行動しながら。 クラスメートの女子・真希は、恵梨の親友だったものの、なぜか小学4年生のあるときから恵梨に冷たくなった。さらには、咲也と親しげな恵梨をライバル視する。 合唱祭のピアノ伴奏に決まった恵梨の友人・奏子(そうこ)は、飼い猫が死んだ悲しみからピアノが弾けなくなってしまって……。 児童向けのドキワクな現代ファンタジーを、お楽しみいただけたら♪

忠犬ハジッコ

SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。 「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。 ※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、  今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。  お楽しみいただければうれしいです。

少年騎士

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。

YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花
児童書・童話
オレの名前は『みたらし』。 二歳の柴犬だ。 飼い主のパパさんは、YouTubeで一発当てることを夢見て、先月仕事を辞めた。 まぁいい。 オレには関係ない。 エサさえ貰えればそれでいい。 これは、そんなオレの話だ。 本作は、他小説投稿サイト『小説家になろう』『カクヨム』さんでも投稿している、いわゆる多重投稿作品となっております。 無断転載作品ではありませんので、ご注意ください。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

クール天狗の溺愛事情

緋村燐
児童書・童話
サトリの子孫である美紗都は 中学の入学を期にあやかしの里・北妖に戻って来た。 一歳から人間の街で暮らしていたからうまく馴染めるか不安があったけれど……。 でも、素敵な出会いが待っていた。 黒い髪と同じ色の翼をもったカラス天狗。 普段クールだという彼は美紗都だけには甘くて……。 *・゜゚・*:.。..。.:*☆*:.。. .。.:*・゜゚・* 「可愛いな……」 *滝柳 風雅* 守りの力を持つカラス天狗 。.:*☆*:.。 「お前今から俺の第一嫁候補な」 *日宮 煉* 最強の火鬼 。.:*☆*:.。 「風雅の邪魔はしたくないけど、簡単に諦めたくもないなぁ」 *山里 那岐* 神の使いの白狐 \\ドキドキワクワクなあやかし現代ファンタジー!// 野いちご様 ベリーズカフェ様 魔法のiらんど様 エブリスタ様 にも掲載しています。

処理中です...