上 下
7 / 16

さあここで問題です。私の婚約者の名前はなんでしょう?

しおりを挟む
 お昼休みはエリンさんと食事をとった後、ダンスルーム(ダンスの授業で使う姿見がいっぱいある教室)でダンスの練習をしてる。教室に居づらいのもあるけど、卒業式のあとに卒業パーティってのがあって、そこでルイと踊らなきゃならないらしい。「私と踊るんだから、風雅なダンスを踊れるようにちゃんと練習しておいてね。」と言われた。エリンさんに教わってるけど、1人は踊りにくいね。というか、この男性パートナーがいるつもりの手の形が滑稽だし、いた方が手が楽。エリンさんは男性パートは踊れない。家ではお兄様と練習してる。とりあえず、ダンスは鬼門だ。
 クローズド・チェンジ ナチュラル to リバース
 クローズド・チェンジ リバース to ナチュラル 
と練習していたら、ルカが来た。神様!もう身長差がなあ、なんて言いません。誰でもいい。練習相手になって!

 しかし、ルカも暇ではなかった。彼は生徒会長をしていて、予餞会よせんかいのことを前副会長の私に質問にきただけだった。もちろん私には生徒会の記憶だって微塵もない。
「生徒会のことですか?前生徒会長のルイ殿下に聞かれた方が・・・・・・」
「兄上、生徒会の仕事してた?してないでしょ。表舞台は自分、裏仕事は全部アリア嬢に押し付けてたんじゃないの?在任7年間の資料、全部アリア嬢が書いてるよ。」
 そうなのか!でもルイはそういうやつっぽい。しかし、12年制の学校で7年も生徒会をやってたのね。ご苦労なことだこと。
「申し訳ありません。全く覚えてなくて。お役に立てず、ごめんなさい。」
 とりあえず、謝っとく。
「謝らなくても・・・・・・そうだ、アリア嬢、生徒会を手伝ってくれないかな。もしかしたら、資料を見てたら思い出すかもしれないよ。」
 思い出すとは思えないけど。ルカにはお世話になってるから手伝ってあげるか。私はコクリとうなづいた。

 予餞会は学園祭みたいな感じで、1年生から11年生までが卒業する12年生の為にいろいろ楽しませてくれる企画をしてくれるようだ。
 アリアは5年生後半~12年生前半の7年間、ルイとその取り巻き達とで生徒会をやってたらしい。下の学年のこ混ぜないから、次の代が困るのよ。
 質問事項はすぐに終わり、その後副会長のクロエ嬢と手作業をしながらおしゃべりしたりして楽しく過ごせた。こっちの女の子と初めてお喋りしたよ(泣)でもクロエ嬢は一つ学年下なんだよなー。アリア、友達いないのもシンドイです。

 まあでも生徒会を手伝ったからか、翌日から学院の昼休みや王宮でのダンスの練習の時に「ルカ」がパートナーをしてくれるそうなので、とても助かります。
  私の婚約者は「ルイ」ですが。
   ↑ここ大事です。テストに出ます!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

     弾劾裁判まであと9日
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。

しげむろ ゆうき
恋愛
 男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない  そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった 全五話 ※ホラー無し

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

夫から国外追放を言い渡されました

杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。 どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。 抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。 そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?

曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」 エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。 最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。 (王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様) しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……? 小説家になろう様でも更新中

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

処理中です...