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第三部「魔法使いの掟とソフィラの願い」編
3-5.穏やかに過ぎ行くモノローグ
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キノコと野菜のシチューが温かい。スプーンで口に運ぶと、野菜の甘みと旨みが舌の上に広がる。温かな料理に舌鼓を打ちながら、キールはほうっと息を吐き出した。
「……おいしい。塩気と甘みのバランスが絶妙ですね。それに、キノコと野菜の組み合わせもしつこくなくていい感じです」
「まるで評論家だな、キールちゃん? お前さんが他人の料理食べてるのも珍し気がするが」
「そうですね、基本自炊ですから。外食もほとんどしないですし……ああ、でも美味しいな。たまには外で食べるのもいいかも」
カウンター席に座ったキールは、同じく隣に腰掛けているルパートに頷いてみせる。和やかな食事風景の外側では、子供たちの笑い声が響いていた。平和だ。特に疑うこともなく独りごちて、キールは再びシチューを口に運ぶ。
「うーん。これで横にいるのがオヤジではなければ……」
「オイこらキールてめえぇ」
「コラ! ルパート! そうやっていちいち凄まないの! まったくあんたは昔っから、喧嘩っ早くて仕方ない」
「それを姉貴が言うか姉貴が。てか、いい加減本題にはいらねぇか。いい感じに腹も膨れてきたとこだし」
自分の皿を指差し、ルパートは姉であるファナに呼びかける。この姉弟も仲がいいのか悪いのか。少なくとも軽口を叩ける程度に信頼関係はあるのだろう。睨み合う二人に苦笑いを送り、キールは首を縦に振る。
「ええ、僕も十分頂きましたし。そちらが問題なければ、本題に入っていただければと」
「そう? なら手早く済ましちゃおうかねぇ。ほら、ルーピー! あんたはシャキッとしなさい!」
「なんで俺にいちいち文句を……あー、わかったよ。とりあえず、村の奴らに話した結果だが」
背筋を伸ばしつつ、ルパートはキールに向き直った。カウンターの向こうのファナも、見守るようにこちらを見つめる。二人の瞳の色はよく似ていて、ふとした瞬間に血の繋がりをあらわにしていく。
そんな繋がりを羨んでしまうのは、繋がりを絶たれた魔法使いの感傷だろうか。うっすらと滲んだ寂しさを隠しながらも、キールの笑みは不格好に歪んでしまう。
「あまり、良い感触はしませんか」
「正直に言えば、だな。だが、それが村長の意向であれば従うとは言っている」
「そうですか……まあ、そうですよね。それが常識的な考えでしょうから」
「しかし、ま。これは気休めだが……お前を受け入れた時ほどの反発は感じられなかったぜ。別のあのチビ助は村に危害を加えたわけじゃねえし」
「う。それは、そうですよね。むしろ、なぜ僕を受け入れてくれたのかが未だ疑問……」
己がしでかしたことを思い返して、キールの笑みは恐怖に引きつった。死人も怪我人は出なかったとは言え、常軌を逸した行動を起こしたのは確かなのだ。それがルパートに殴り飛ばされただけで帳消しなどというのは、今考えてもどこか奇妙である。
悩ましげに眉を寄せる青年に、姉弟は顔を見合わせる。そこには言葉に出来ぬ事情が秘められているようで、キールは俯き皿を見つめた。
「……まあ、受け入れてもらった事実がある以上、詮索すべきでないのは理解してます」
「それについては色々な。真面目に色々あってな。ここでいうのも野暮だろうから……姉貴? 村の意見は姉貴が取りまとめてくれたんだろ。こいつにもそれ伝えてくれるか」
「そうねぇ、ルパートの言ったこととほぼ同じだけど。問題を起こさない限り、追い出したりしないってところに落ち着いてるわよ。あと、キール君が責任持って監督するなら、ってところかしら」
言いながら、ファナはカップにお茶を注いでくれる。礼を言ってそれを受け取ると、キールは静かに口をつけた。淹れたてのお茶は少し渋みがあるが、爽やかな香りが胸の淀みをさらってくれる。一口飲んで落ち着きを取り戻した彼は、じっくりと言葉を吟味していく。
「……問題を起こさない、というのは、村の住民の安全が脅かされない限り、という?」
「そこまで広義に取られるとあれだが、一般的な考え方でいいと思うぞ。要するに、人に迷惑をかけない。ってとこ」
「じゃあ、ルーピーはこの村で暮らせないわねえ。クルスに言って追い出してもらわなきゃ」
「あのな~、俺がいないと困るのは、むしろそのクルスだと思われ~。てか混ぜっ返すな。話進まねぇ」
事実、ほとんど進んでいないのだが。あまりそこを突っ込むと本当に一日が終わってしまう。仕方なく舵取りをするために、キールは険悪な姉弟の間に割って入った。
「……ええと、つまり、ノヴァが他人に迷惑な行動を取らないように、僕が見守ればいいってことですよね」
「そうだな。そういうことであってると思う。なあ姉貴」
「そう、キール君は理解が早くて助かるわ。そういうことなの……だからこれをあなたに渡しておくわね」
突然、どん、と。カウンターに大きな包みが置かれる。軽々とそれを扱ったファナは、にこやかな顔をキールに向けた。説明を求めてルパートを見れば、彼は包みを指差し笑う。
「とりあえず開けてみ。これから必要になるだろうし」
「ええ、と。……もしかして」
ごそごそと包みを開いてみると、そこには衣服や日用品が詰まっている。何気なく畳まれていた布を広げると——キールは無言でそれを元に戻した。
「なんだよ。神妙な顔で戻しやがって」
「わかってるくせに聞かないでください。……ええと、こちらはノヴァに頂いていいんですか」
「ええ、もちろん。服はお下がりになってしまうけど、まだ綺麗で使えるはずだから。足りなものがあったらルパートかあたしに言ってちょうだいね」
「ありがとうござます。何から何まで」
キールが深々と頭を下げると、背後からドタドタという足音が近づいてくる。何事かと振り返った彼らの視線の先で、ノヴァとロラン——それに加え、数人の子供たちが店内に駆け込んできた。
「ああ! キールちゃんたちずるい! ノヴァほっといて先にごはん食べてる!」
「母さん、それに叔父さんも! オレたちに黙って何面白そうなことしてんだよ!」
「あああああ! もうなんだいあんたたちは! 騒ぐなら出入り禁止だよ⁉︎」
ファナが声を張り上げると、子供たちは揃って大人しく「はーい」と返事をした。その輪にノヴァが馴染んでいるのに気づき、キールは変な顔をする。おそるべし子供の順応力。それだけなら特に言うことはないが、もしあれが何かしたとしたら——
「キールちゃん、どうしたのー? おなか、いたい⁇」
「ああいや。それよりノヴァ。君の身の回りのものを頂いたんだ。服とかもあるし、嫌じゃなかったら着てみるかい?」
「ほんと⁉︎ あたらしいお洋服……ノヴァ着たい! キールちゃんてつだって!」
「え。……え……あの、ファナさん」
困り顔を女主人に向ければ、呆れ半分の表情を返されてしまう。けれどそこは子供たちの母親でもある彼女のこと。ファナは笑顔を浮かべると、キラキラと目を輝かせているノヴァを手招く。
「仕方ないお兄ちゃんだねえ。ほら、ノヴァちゃんこっちおいで。おばちゃんが手伝ってあげる」
「ほんと⁉︎ じゃあね、ノヴァ、このヒラヒラしたの……」
楽しげに包みの中の洋服を取り出し始めたノヴァたちを見つめ、キールはそっとため息をつく。洋服に興味を示す様は普通の少女にしか思えない。だが、何度見てもノヴァの獣の耳も尻尾も消えることはなかった。
困ったことだ、と今更ながらにキールはひとり呟く。偉大なるオーリオールですらも辿り着けなかった境地——そこに立つことなど、出来損ないの魔法使いには過ぎたこととしか思えない。
だが、出来ないと言ったところで、誰も責めはしない。そのことが妙に癪に触って、キールは和やかな空気の中で瞳を閉ざしたのだった。
「……おいしい。塩気と甘みのバランスが絶妙ですね。それに、キノコと野菜の組み合わせもしつこくなくていい感じです」
「まるで評論家だな、キールちゃん? お前さんが他人の料理食べてるのも珍し気がするが」
「そうですね、基本自炊ですから。外食もほとんどしないですし……ああ、でも美味しいな。たまには外で食べるのもいいかも」
カウンター席に座ったキールは、同じく隣に腰掛けているルパートに頷いてみせる。和やかな食事風景の外側では、子供たちの笑い声が響いていた。平和だ。特に疑うこともなく独りごちて、キールは再びシチューを口に運ぶ。
「うーん。これで横にいるのがオヤジではなければ……」
「オイこらキールてめえぇ」
「コラ! ルパート! そうやっていちいち凄まないの! まったくあんたは昔っから、喧嘩っ早くて仕方ない」
「それを姉貴が言うか姉貴が。てか、いい加減本題にはいらねぇか。いい感じに腹も膨れてきたとこだし」
自分の皿を指差し、ルパートは姉であるファナに呼びかける。この姉弟も仲がいいのか悪いのか。少なくとも軽口を叩ける程度に信頼関係はあるのだろう。睨み合う二人に苦笑いを送り、キールは首を縦に振る。
「ええ、僕も十分頂きましたし。そちらが問題なければ、本題に入っていただければと」
「そう? なら手早く済ましちゃおうかねぇ。ほら、ルーピー! あんたはシャキッとしなさい!」
「なんで俺にいちいち文句を……あー、わかったよ。とりあえず、村の奴らに話した結果だが」
背筋を伸ばしつつ、ルパートはキールに向き直った。カウンターの向こうのファナも、見守るようにこちらを見つめる。二人の瞳の色はよく似ていて、ふとした瞬間に血の繋がりをあらわにしていく。
そんな繋がりを羨んでしまうのは、繋がりを絶たれた魔法使いの感傷だろうか。うっすらと滲んだ寂しさを隠しながらも、キールの笑みは不格好に歪んでしまう。
「あまり、良い感触はしませんか」
「正直に言えば、だな。だが、それが村長の意向であれば従うとは言っている」
「そうですか……まあ、そうですよね。それが常識的な考えでしょうから」
「しかし、ま。これは気休めだが……お前を受け入れた時ほどの反発は感じられなかったぜ。別のあのチビ助は村に危害を加えたわけじゃねえし」
「う。それは、そうですよね。むしろ、なぜ僕を受け入れてくれたのかが未だ疑問……」
己がしでかしたことを思い返して、キールの笑みは恐怖に引きつった。死人も怪我人は出なかったとは言え、常軌を逸した行動を起こしたのは確かなのだ。それがルパートに殴り飛ばされただけで帳消しなどというのは、今考えてもどこか奇妙である。
悩ましげに眉を寄せる青年に、姉弟は顔を見合わせる。そこには言葉に出来ぬ事情が秘められているようで、キールは俯き皿を見つめた。
「……まあ、受け入れてもらった事実がある以上、詮索すべきでないのは理解してます」
「それについては色々な。真面目に色々あってな。ここでいうのも野暮だろうから……姉貴? 村の意見は姉貴が取りまとめてくれたんだろ。こいつにもそれ伝えてくれるか」
「そうねぇ、ルパートの言ったこととほぼ同じだけど。問題を起こさない限り、追い出したりしないってところに落ち着いてるわよ。あと、キール君が責任持って監督するなら、ってところかしら」
言いながら、ファナはカップにお茶を注いでくれる。礼を言ってそれを受け取ると、キールは静かに口をつけた。淹れたてのお茶は少し渋みがあるが、爽やかな香りが胸の淀みをさらってくれる。一口飲んで落ち着きを取り戻した彼は、じっくりと言葉を吟味していく。
「……問題を起こさない、というのは、村の住民の安全が脅かされない限り、という?」
「そこまで広義に取られるとあれだが、一般的な考え方でいいと思うぞ。要するに、人に迷惑をかけない。ってとこ」
「じゃあ、ルーピーはこの村で暮らせないわねえ。クルスに言って追い出してもらわなきゃ」
「あのな~、俺がいないと困るのは、むしろそのクルスだと思われ~。てか混ぜっ返すな。話進まねぇ」
事実、ほとんど進んでいないのだが。あまりそこを突っ込むと本当に一日が終わってしまう。仕方なく舵取りをするために、キールは険悪な姉弟の間に割って入った。
「……ええと、つまり、ノヴァが他人に迷惑な行動を取らないように、僕が見守ればいいってことですよね」
「そうだな。そういうことであってると思う。なあ姉貴」
「そう、キール君は理解が早くて助かるわ。そういうことなの……だからこれをあなたに渡しておくわね」
突然、どん、と。カウンターに大きな包みが置かれる。軽々とそれを扱ったファナは、にこやかな顔をキールに向けた。説明を求めてルパートを見れば、彼は包みを指差し笑う。
「とりあえず開けてみ。これから必要になるだろうし」
「ええ、と。……もしかして」
ごそごそと包みを開いてみると、そこには衣服や日用品が詰まっている。何気なく畳まれていた布を広げると——キールは無言でそれを元に戻した。
「なんだよ。神妙な顔で戻しやがって」
「わかってるくせに聞かないでください。……ええと、こちらはノヴァに頂いていいんですか」
「ええ、もちろん。服はお下がりになってしまうけど、まだ綺麗で使えるはずだから。足りなものがあったらルパートかあたしに言ってちょうだいね」
「ありがとうござます。何から何まで」
キールが深々と頭を下げると、背後からドタドタという足音が近づいてくる。何事かと振り返った彼らの視線の先で、ノヴァとロラン——それに加え、数人の子供たちが店内に駆け込んできた。
「ああ! キールちゃんたちずるい! ノヴァほっといて先にごはん食べてる!」
「母さん、それに叔父さんも! オレたちに黙って何面白そうなことしてんだよ!」
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ファナが声を張り上げると、子供たちは揃って大人しく「はーい」と返事をした。その輪にノヴァが馴染んでいるのに気づき、キールは変な顔をする。おそるべし子供の順応力。それだけなら特に言うことはないが、もしあれが何かしたとしたら——
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「ああいや。それよりノヴァ。君の身の回りのものを頂いたんだ。服とかもあるし、嫌じゃなかったら着てみるかい?」
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「え。……え……あの、ファナさん」
困り顔を女主人に向ければ、呆れ半分の表情を返されてしまう。けれどそこは子供たちの母親でもある彼女のこと。ファナは笑顔を浮かべると、キラキラと目を輝かせているノヴァを手招く。
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楽しげに包みの中の洋服を取り出し始めたノヴァたちを見つめ、キールはそっとため息をつく。洋服に興味を示す様は普通の少女にしか思えない。だが、何度見てもノヴァの獣の耳も尻尾も消えることはなかった。
困ったことだ、と今更ながらにキールはひとり呟く。偉大なるオーリオールですらも辿り着けなかった境地——そこに立つことなど、出来損ないの魔法使いには過ぎたこととしか思えない。
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