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7話

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 そんな話をしていたら、扉がノックされる音が聞こえた。がばりと起き上がると「はーい」と声を掛ける。扉が開くと、お父様とお母様がわたくしの部屋に入って来た。

「イザベラ、ちょっと良いかい?」
「はい、構いません」
「アリコーン様、お邪魔しますね」
≪いらっしゃーい! イザベラのパパとママ!≫

 お父様とお母様は、すっと、一通の手紙を渡した。わたくしはそれを受け取って、両親を見上げる。

「……これはお父様が神帝国に送った手紙なんだ。さっき、ランシリル様に渡してもらった」
「……お父様が男爵になったことにも関係あるのですか?」

 流石にあの場所で爵位が下がったことを口にするのは憚られた。

「神殿で暮らすのに爵位は必要ないだろう?」
「……ごめんね、イザベラ。お父様、一番ユニコーンの乙女の研究がしやすい爵位が良いって駄々を捏ねたのよ……」

 ……男爵は一番ユニコーンの乙女の研究がしやすいのかなぁ……?

「本来なら爵位要らないって書いたんだけどね! 流石にそれはって止められて、男爵の爵位をもらったんだ! これでもっともっと自由に研究が出来る!」
「あなた、それをイザベラに話すのを忘れていたのよね……」
「……あの、もしかして、かなり前から神帝国と文通してました……?」
「……そもそもお父さんが神帝国出身だし……」
「……初耳です!」

 待って、ちょっと待って。神帝国の出身? お父様が?

「……そうだっけ?」

 お父様……。言ったつもりだったのですね……。わたくしがゆっくりと息を吐くと、お母様も呆れたようにお父様を見た。

「それでね、それは最後の手紙なんだ。お父さんが送ったね。で、こっちがその返答」
「……わたくしが読んで、宜しいのですか?」

 そしてもう一通、多分神帝国の返事。それをわたくしに渡した。ちらりとお父様とお母様を見て、手紙の内容を読んだ。
 お父様の手紙には、神帝国の神殿で暮らすために必要なことを聞いたり、爵位のことについて。領地は要らないので神殿で暮らしたい、神殿でユニコーンの乙女についての研究を続けたい、使用人たちも……お父様、中々の要望を出していたのね。そして、神帝国の返事を読んでみる。
 すべてに関してオールオッケー。ユニコーンの乙女をお待ちしておりますって言うものすっごく短い返事だった……。

「まぁ、要するに、神帝国はイザベラが欲しかったんだよ」
「ユニコーンの乙女が神帝国に加護を与えることを期待しているのよね」
「……わたくし、加護の与え方なんて知らないのですが……」
「それは大丈夫! ユニコーンの乙女は国に居るだけで加護を与えられるから!」

 ……それが本当だとしたら、ヴァプール王国はどうなるのかしら……?
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