32 / 39
本編
28.頼れる人には頼りましょう
しおりを挟む
人通りの多い夕暮れの街を、クロエはひた走っていた。
狭い路地で馬を疾走させないだけの分別は残っていたが、気ばかりが急いている。
騎士団服のまま全力疾走するクロエに、街の人々は何事かと振り返ったり声をかけてきたりしたが、応える余裕などはない。
鍛えた肺と脚を酷使し、自宅への道のりを走り抜けて行く。
乗り合い馬車という手もなくはないが、順路は遠回りになるので近道さえ知っていれば走った方が早い。
「ふっ、っと」
普段は橋まで迂回している狭い水路を飛び越える。
これでいくらか道のりを省略出来た。
副団長に早退を申し出てそのまま飛び出してきたので、荷物は腰の剣と財布くらいだ。
あとは自席に置いてきてしまった。
だが、その分身軽に走ることが出来る。
「くっ、はぁ……はぁ……」
いつもの三分の一の時間で自宅に着いたクロエは、荒い息を吐きながら門を開ける。
肉眼では何も異常がないように見えるが、やはり結界は破られていた。
聖域にもほころびがあるようだ。
応急処置として簡易な結界を張り直し、クロエは家の中へ入った。
「リュカ!」
手当たり次第に部屋の扉を開けてリュカの姿を探す。
しかし、リュカの気配すら感じ取れない。
すべての部屋を確認し終えたクロエは、一度見て気になった台所へ戻ってきた。
台所には夕飯の支度の準備をしていたのだろう、調理器具や材料が作業台の上に出したままになっていた。
それらを見回して、眉根を寄せる。
「争った形跡はないわね。几帳面なリュカが出したままに行くとしたら……」
はっと気付いたクロエは、裏庭へと続く扉を開けた。
建物の横を通り裏庭に出ると、白い厳かな衣装を身にまとった長身の男性が立っているのが目に入った。
「精霊王!」
クロエは小走りに近寄る。
振り返った精霊王は、いつにも増して厳しい顔をしていた。
「貴様か……」
「リュカは!? リュカはどこに!?」
「我にも分からぬ」
精霊王の言葉は冷たく素っ気なかった。
だがそれは決して冷血だからではない。
その証拠に、精霊王の拳は硬く握り締められている。
「我が聖域にほころびが出来たと気付いて来た時にはもう、リュカの姿はなかった」
「そう、ですか……」
ギリッと奥歯を噛みしめるクロエに、精霊王が問いかける。
「貴様は何か知ってはおらぬか?」
「それが……」
クロエは呪符が仕込まれていた件から『リュカ・ラ・トゥールを鉄の魔女の毒牙から守る会』の会長が捕縛されたところまでのことを、精霊王にかいつまんで説明した。
話を聞いた精霊王が小さく唸る。
「その会長とやらに知恵や力を貸している者がおるかも知れぬということか。否……おそらく背後に居る者の方が首魁であろう」
精霊王は聖域にほころびのある方をちらりと見て、吐き捨てた。
「犯人は精霊、それも上位のものだ」
「上位精霊、ですか?」
クロエは慎重に問い返した。
薄々そんな気はしていたので、驚きはしない。
驚きはしないが、そうだとすると実に厄介だ。
精霊王も苦々しい顔で話を続ける。
「我の敷いた聖域を突破出来るものなど、ざらにはおらぬ。念写の件を聞いてから疑念を抱いていた。それとなく上位の精霊を見張らせていたのだが……。見張り選びを間違えたようだ」
「見張らせていた精霊もその上位精霊側についた、ということですか?」
「あぁ。残っていたこの家を住処としている精霊の証言からも、間違いはないだろう。……樹木の上位精霊の仕業だ」
「その上位精霊の居場所は分からないのですか?」
クロエの問いに、精霊王は首を横に振った。
「居場所が掴めぬ。……そんな目で見るな。我とて万能ではないわ」
「失礼しました」
目を伏せたクロエは、焦る気持ちをなだめて考えを巡らせる。
(どうしたらリュカの居場所を特定出来……………………あっ)
どうして忘れていたのかと顔を赤らめて、クロエはさっと手を振った。
宙に青く光る魔術陣が回転しながら浮き上がる。
「なんだ、それは」
いぶかしげに眉をひそめる精霊王に、クロエは早口で答える。
「リュカに渡した腕輪の位置を調べる陣です。あれを身につけていてくれれば場所が……分かりました!」
古代魔術文字で浮き上がった数値に、クロエと精霊王は同時に声を上げた。
「そんな遠くに!?」
「数字の羅列ではないか。これはどこだ?」
精霊王が渋い顔をする。
クロエは文字列を指でなぞりつつ目を眇めた。
「大陸の南端の方、馬でも一月はかかる場所です。詳しい場所は地図を見なければ分からないのですが……」
「もっと分かりやすくならなかったのか。それで地図は?」
「細い腕輪に細工するには、魔術の簡素化を計らなければならなかったので。座標入りの詳しい地図は騎士団の詰め所に行けば見られるかと」
「地図がないだと? そんな欠陥魔術でリュカの身を守ろうとは、驕ったものだ」
精霊王が嘲りの目を向けて言った。
正論ではあるが、クロエにも言い分はあるのだ。
こめかみに青筋を浮かべて言い返す。
「軍事上の理由から座標入りの地図は流通していないのです。あと物の場所を特定する魔術がどれだけ高度な技術か、精霊王はご存じないからそんなことが言えるのですよ。これは最新の魔術論文を元にした技術で」
言い争いかけた二人の頭上から、低い魅力的な声が聞こえた。
「おい、邪魔するぞ」
声とほぼ同時に、空から人が振ってくる。
明らかに高い位置から落ちてきたのに、すたっと軽い音で降り立ったのは漆黒の男。
東方大魔王国の国王、ゼウランだった。
東の魔王は険悪な雰囲気の二人を見回し、傲然と顎を上げた。
「聖域は穴が空いており、結界はやぶられている。そして、リュカの気配はない。どうなっているんだ?」
(先ほど張り直した結界は、今東の魔王陛下がやぶっておしまいになりましたけど)
と言いたいのを飲み込んで、クロエは端的に問う。
「東の魔王陛下は、どうしてこちらに?」
「前に来た時、クロエの結界にちょっとした細工を加えさせてもらった。破られるようなことがあれば、私にも分かるようにな。それが異常を知らせたので、大急ぎでやって来たというわけだ」
東の魔王が上空を指さす。
目を凝らして見るが、茜差す空には不審なものは見えない。
精霊王には見えるらしく、ふんっと鼻を鳴らした。
「古代龍か。大層なものを引っ張り出したものだ」
「あれが一番早い。隠密の魔術をかければ人には見えんしな。外交に支障をきたしたいわけではない」
この二人も顔見知りだと聞いていたが、仲が良いわけでもなさそうだ。
白と黒の長身の男たちの間には、冷ややかな空気が流れている。
そこに割り入るには勇気が要った。
しかし、そんなことで躊躇している場合ではない。
「東の魔王陛下はこの座標がお分かりになりますか?」
ずいっと近づいて、青い魔術陣を見せた。
東の魔王が目を細める。
「リュカの居場所か? あぁ、そういえば腕輪をしていたな。なるほど銀は魔術と相性が良い。……手を加えても良いか?」
クロエはうなずいた。
東の魔王の魔術の技量は、クロエの遙か上を行く。
それに、これから騎士団本部へ向かい、許可をとって地図を確かめるよりは余程手っ取り早い。
東の魔王が魔術陣へと手を伸ばした。
元あるものに手を加え、統合性を保つのはとかく難しい。
本来ならば机上での推論を繰り返し、実験を経て行うものだ。
しかし東の魔王は、あっと言う間に魔術陣の構成を組み替えていく。
「これで、よし」
魔術陣から伸びた鮮やかな青の光が一条、南を差した。
東の魔王が満足げにうなずく。
「これをたどればリュカのいる場所に行けるぞ」
「座標から推測するに、馬でも一月はかかる場所ですが……」
「迂遠なことだ。詳細な場所さえ分かれば、精霊の道をつなげるというのに」
精霊王のぼやきに、東の魔王が軽口を叩く。
「精霊王殿は座標も読めないからな。魔術で伝えるにしても、精霊と魔術は相性が悪い」
また険悪な雰囲気になりかけたところで喧嘩している場合ではないと、クロエは慌てて口を挟む。
「それで、東の魔王陛下はどちらまでお付き合い頂けますか?」
クロエの問いに、東の魔王がにぃっと笑う。
「無論、最後まで」
東の魔王が指さした空は、夜の帳が落ち掛けていた。
狭い路地で馬を疾走させないだけの分別は残っていたが、気ばかりが急いている。
騎士団服のまま全力疾走するクロエに、街の人々は何事かと振り返ったり声をかけてきたりしたが、応える余裕などはない。
鍛えた肺と脚を酷使し、自宅への道のりを走り抜けて行く。
乗り合い馬車という手もなくはないが、順路は遠回りになるので近道さえ知っていれば走った方が早い。
「ふっ、っと」
普段は橋まで迂回している狭い水路を飛び越える。
これでいくらか道のりを省略出来た。
副団長に早退を申し出てそのまま飛び出してきたので、荷物は腰の剣と財布くらいだ。
あとは自席に置いてきてしまった。
だが、その分身軽に走ることが出来る。
「くっ、はぁ……はぁ……」
いつもの三分の一の時間で自宅に着いたクロエは、荒い息を吐きながら門を開ける。
肉眼では何も異常がないように見えるが、やはり結界は破られていた。
聖域にもほころびがあるようだ。
応急処置として簡易な結界を張り直し、クロエは家の中へ入った。
「リュカ!」
手当たり次第に部屋の扉を開けてリュカの姿を探す。
しかし、リュカの気配すら感じ取れない。
すべての部屋を確認し終えたクロエは、一度見て気になった台所へ戻ってきた。
台所には夕飯の支度の準備をしていたのだろう、調理器具や材料が作業台の上に出したままになっていた。
それらを見回して、眉根を寄せる。
「争った形跡はないわね。几帳面なリュカが出したままに行くとしたら……」
はっと気付いたクロエは、裏庭へと続く扉を開けた。
建物の横を通り裏庭に出ると、白い厳かな衣装を身にまとった長身の男性が立っているのが目に入った。
「精霊王!」
クロエは小走りに近寄る。
振り返った精霊王は、いつにも増して厳しい顔をしていた。
「貴様か……」
「リュカは!? リュカはどこに!?」
「我にも分からぬ」
精霊王の言葉は冷たく素っ気なかった。
だがそれは決して冷血だからではない。
その証拠に、精霊王の拳は硬く握り締められている。
「我が聖域にほころびが出来たと気付いて来た時にはもう、リュカの姿はなかった」
「そう、ですか……」
ギリッと奥歯を噛みしめるクロエに、精霊王が問いかける。
「貴様は何か知ってはおらぬか?」
「それが……」
クロエは呪符が仕込まれていた件から『リュカ・ラ・トゥールを鉄の魔女の毒牙から守る会』の会長が捕縛されたところまでのことを、精霊王にかいつまんで説明した。
話を聞いた精霊王が小さく唸る。
「その会長とやらに知恵や力を貸している者がおるかも知れぬということか。否……おそらく背後に居る者の方が首魁であろう」
精霊王は聖域にほころびのある方をちらりと見て、吐き捨てた。
「犯人は精霊、それも上位のものだ」
「上位精霊、ですか?」
クロエは慎重に問い返した。
薄々そんな気はしていたので、驚きはしない。
驚きはしないが、そうだとすると実に厄介だ。
精霊王も苦々しい顔で話を続ける。
「我の敷いた聖域を突破出来るものなど、ざらにはおらぬ。念写の件を聞いてから疑念を抱いていた。それとなく上位の精霊を見張らせていたのだが……。見張り選びを間違えたようだ」
「見張らせていた精霊もその上位精霊側についた、ということですか?」
「あぁ。残っていたこの家を住処としている精霊の証言からも、間違いはないだろう。……樹木の上位精霊の仕業だ」
「その上位精霊の居場所は分からないのですか?」
クロエの問いに、精霊王は首を横に振った。
「居場所が掴めぬ。……そんな目で見るな。我とて万能ではないわ」
「失礼しました」
目を伏せたクロエは、焦る気持ちをなだめて考えを巡らせる。
(どうしたらリュカの居場所を特定出来……………………あっ)
どうして忘れていたのかと顔を赤らめて、クロエはさっと手を振った。
宙に青く光る魔術陣が回転しながら浮き上がる。
「なんだ、それは」
いぶかしげに眉をひそめる精霊王に、クロエは早口で答える。
「リュカに渡した腕輪の位置を調べる陣です。あれを身につけていてくれれば場所が……分かりました!」
古代魔術文字で浮き上がった数値に、クロエと精霊王は同時に声を上げた。
「そんな遠くに!?」
「数字の羅列ではないか。これはどこだ?」
精霊王が渋い顔をする。
クロエは文字列を指でなぞりつつ目を眇めた。
「大陸の南端の方、馬でも一月はかかる場所です。詳しい場所は地図を見なければ分からないのですが……」
「もっと分かりやすくならなかったのか。それで地図は?」
「細い腕輪に細工するには、魔術の簡素化を計らなければならなかったので。座標入りの詳しい地図は騎士団の詰め所に行けば見られるかと」
「地図がないだと? そんな欠陥魔術でリュカの身を守ろうとは、驕ったものだ」
精霊王が嘲りの目を向けて言った。
正論ではあるが、クロエにも言い分はあるのだ。
こめかみに青筋を浮かべて言い返す。
「軍事上の理由から座標入りの地図は流通していないのです。あと物の場所を特定する魔術がどれだけ高度な技術か、精霊王はご存じないからそんなことが言えるのですよ。これは最新の魔術論文を元にした技術で」
言い争いかけた二人の頭上から、低い魅力的な声が聞こえた。
「おい、邪魔するぞ」
声とほぼ同時に、空から人が振ってくる。
明らかに高い位置から落ちてきたのに、すたっと軽い音で降り立ったのは漆黒の男。
東方大魔王国の国王、ゼウランだった。
東の魔王は険悪な雰囲気の二人を見回し、傲然と顎を上げた。
「聖域は穴が空いており、結界はやぶられている。そして、リュカの気配はない。どうなっているんだ?」
(先ほど張り直した結界は、今東の魔王陛下がやぶっておしまいになりましたけど)
と言いたいのを飲み込んで、クロエは端的に問う。
「東の魔王陛下は、どうしてこちらに?」
「前に来た時、クロエの結界にちょっとした細工を加えさせてもらった。破られるようなことがあれば、私にも分かるようにな。それが異常を知らせたので、大急ぎでやって来たというわけだ」
東の魔王が上空を指さす。
目を凝らして見るが、茜差す空には不審なものは見えない。
精霊王には見えるらしく、ふんっと鼻を鳴らした。
「古代龍か。大層なものを引っ張り出したものだ」
「あれが一番早い。隠密の魔術をかければ人には見えんしな。外交に支障をきたしたいわけではない」
この二人も顔見知りだと聞いていたが、仲が良いわけでもなさそうだ。
白と黒の長身の男たちの間には、冷ややかな空気が流れている。
そこに割り入るには勇気が要った。
しかし、そんなことで躊躇している場合ではない。
「東の魔王陛下はこの座標がお分かりになりますか?」
ずいっと近づいて、青い魔術陣を見せた。
東の魔王が目を細める。
「リュカの居場所か? あぁ、そういえば腕輪をしていたな。なるほど銀は魔術と相性が良い。……手を加えても良いか?」
クロエはうなずいた。
東の魔王の魔術の技量は、クロエの遙か上を行く。
それに、これから騎士団本部へ向かい、許可をとって地図を確かめるよりは余程手っ取り早い。
東の魔王が魔術陣へと手を伸ばした。
元あるものに手を加え、統合性を保つのはとかく難しい。
本来ならば机上での推論を繰り返し、実験を経て行うものだ。
しかし東の魔王は、あっと言う間に魔術陣の構成を組み替えていく。
「これで、よし」
魔術陣から伸びた鮮やかな青の光が一条、南を差した。
東の魔王が満足げにうなずく。
「これをたどればリュカのいる場所に行けるぞ」
「座標から推測するに、馬でも一月はかかる場所ですが……」
「迂遠なことだ。詳細な場所さえ分かれば、精霊の道をつなげるというのに」
精霊王のぼやきに、東の魔王が軽口を叩く。
「精霊王殿は座標も読めないからな。魔術で伝えるにしても、精霊と魔術は相性が悪い」
また険悪な雰囲気になりかけたところで喧嘩している場合ではないと、クロエは慌てて口を挟む。
「それで、東の魔王陛下はどちらまでお付き合い頂けますか?」
クロエの問いに、東の魔王がにぃっと笑う。
「無論、最後まで」
東の魔王が指さした空は、夜の帳が落ち掛けていた。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
【R18】とあるあやしいバイトで美少年に撮影される
河津ミネ
恋愛
依(より)はいま何故か美少年の前で自慰をしていた。
とあるマンションの一室で、ベッドの上で足を開いて自分を慰めている姿を美少年がスマホで撮影している。
それというのも、同棲している彼氏がギャンブルにはまって依の大学の学費を使い込んでしまったからだ。
数日以内に前期の学費を振り込まなくては退学になってしまう。
そんな困っている依のところにあやしいバイトの話がやってきた。
一晩依頼主の言う通りにすれば大金が手に入るというのだ。
背に腹は変えられず、依はその依頼を受けることにしたのだったが――。
※キーワードにご注意ください。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる