5 / 152
第4話 軍師補佐
しおりを挟む
(どうして私はこんなところに……)
気がつけば、ルイセは紺の王国の王城の中、最も厳重な場所の一つである王女の部屋に連れてこられていた。しかも、その部屋の中、目の前にはルルー王女が、隣にはキッドが立っている。王族暗殺の依頼を受け、他国の王城に侵入した経験もあるが、こんなに容易く王族と対面するのは彼女にとっても初めてのことだった。
(この男は確か緑の公国にいたはず……。それが、今は紺の王国に仕えているのでしょうか? いや、そんなことより、どうしてこんな場所までほとんどフリーパスで入ってこられるですか? 途中、何人もの衛兵とすれ違ったのに、誰も私を止めることもなく、挨拶までされて……。この男だけならまだしも、私まで通したなんて……。ウェイトレス姿のこんな女が城内を歩いていれば、普通なら見咎められるはずでしょう? 一体、この城の衛兵はどうなっているのですか!? ……それとも、この男がそれほどまでに信用されているとでも? いや、まさか、他国の魔導士だったのに、そんなことあるわけないですよね……)
ルイセの心中の混乱をよそに、キッドとルルーは親しげに話を始めた。その様子は、彼女から見れば到底、王女と臣下の関係とは思えないものだった。
「ルルー王女、急にすみません」
「いえ、キッド様のお話であれば構いませんよ。それで、どうされましたか?」
「見つかったんですよ! この前話していた人材が!」
「本当ですか!?」
興奮気味のキッドの言葉に、ルルー王女の顔がぱっと輝いた。その表情は、まるで無邪気な少女のようで、王族らしい厳粛さを微塵も感じさせないものだった。
一方でルイセは、二人のやりとりから、自分がここに連れてこられた理由を改めて察する。
(人材? ああ、暗殺者のことですね。暗殺者を探していたのなら、私と出会ったのは僥倖だったでしょうね。まぁ、いいでしょう、仕事を受けてあげます。それで、あなたとは貸し借りなしですよ)
「自分でも戦える上に、かなりの魔法も使える人間です! この国にとって必要不可欠な人材ですよ! 必ず助けになります!」
「キッド様がそこまでおっしゃるとは、かなりの人物なんですね」
(ん? 何の話をしているのですか? 暗殺の話ではなかったのですか?)
盛り上がる二人とは対照的に、ルイセは置いてけぼりを食らったような感覚に襲われた。
「軍師である俺のサポートをしてもらうため、軍師補佐としてこの国に迎え入れていただけませんか?」
(この男は、宮廷魔導士の類ではなく、軍師だったのですか? いや、それよりもどんな者を迎えるつもりか知りませんが、素性もわからない相手を、王女が簡単に軍師補佐に任命するなんて、そんなことが……)
ルイセの戸惑いにもかかわらず、話はどんどん進んでいく。
ため息をつきながら、ルイセはキッドの言葉に耳を傾けた。
「わかりました。待遇に関しては、キッド様に準じる形にさせていただきますね」
「ありがとうございます!」
(ちょっと待ってください! 私に関係の話とはいえ、国にとって大事なことを、そんな簡単に認めてしまっていいんですか!? 私は国の人事には詳しくありませんが、食堂のウェイトレスを採用する時だってもうちょっと色々ありましたよ!?)
驚きの表情を浮かべたまま、ルイセはキッドとルルー王女の顔を交互に見たが、二人とも冗談を言っている様子ではない。しかし、彼女の驚きはこれで終わらなかった。
「というわけで、よろしく頼むな、ルイセ」
「……へ?」
ルイセは、自分でも驚くほど間の抜けた声を上げてしまった。
「あ、ルルー王女、まだ名前も紹介してませんでしたね。こちらがルイセです。腕は確かです」
「キッド様がそうおっしゃるのなら、疑う余地はありません。ルイセさんというんですね。とてもお綺麗なかたで、服装も独特なので少し驚きましたが、どうか我が国のためによろしくお願いしますね」
ルルーは、ウェイトレス姿のルイセに深く頭を下げた。
(なんですかこれは!? 一国の王女が暗殺者の私に頭を下げている!? 私は一体、どういう状況におかれているんですか!?)
助けを求めるようにキッドの顔を見つめるルイセ。彼女の困惑はピークに達していた。
「すみせん、キッドさん。状況が全然呑み込めていないのですが……。私はてっきり暗殺の話をされるのだと思ってついてきたのですが、一体何の話をしているのですか?」
「ん? 仕事の話なのは間違いないぞ。お前ほどの人間をウェイトレスとして放っておくのはもったいない。これからこの国の軍師補佐として、俺の仕事を手伝ってもらうからな。よろしく頼むぞ」
「……はぁ!? 軍師補佐!? 私がですか!? あなた、わかっているんですか!? 私は暗さ――」
言いかけたその瞬間、キッドの人差し指がルイセの唇に触れ、彼女の言葉を遮った。
「お前はルイセだろ? 剣も魔法も使えるウェイトレス。もっとも、今日からはこの国の軍師補佐だけどな」
「……本気で言っているんですか?」
ルイセは目を細め、鋭い視線をキッドに向けた。それは、暗殺者としての冷酷な視線だった。しかし、キッドはその視線にも動じることなく、にこやかに微笑んでいた。その様子から、彼が本気であることをルイセは悟る。
「王女の前で冗談を言うと思うか? むしろお前がウェイトレスしているほうが余程冗談みたいな話だぞ」
ルイセはため息をつき、心の中であれこれと考えを巡らせる。最終的に、彼女は覚悟を決めた。
「……わかりました」
(いいでしょう。私の顔も性別もバラさなかった借りがあります。その分、あなたのために働いてあげましょう。……ですが、その分だけです。私は暗殺者。影のように闇に潜み、風のように誰にも縛られない、シャドウウィンドと呼ばれる暗殺者なのですから)
「よし! 言質はとったからな! よろしく頼むぜ!」
キッドがルイセの細くて固い手を握りしめる。その温かさに、一瞬、ルイセは自分の冷たい手を意識したが、その熱が不思議と心地よかった。
「あ、そうだ。ルルー王女、街の食堂から無理やりヘッドハンティングしてきたから、代わりのウェイトレスを手配してもらうことってできませんか?」
「ウェイトレスですか? できるだけはやってみますが……剣と魔法を使えるようなウェイトレスが簡単に見つかるかどうかは……」
冗談か本気かつかめない様子でルルーは眉をひそめる。
「そんなウェイトレスはいないですって! あ、いや、いましたけど、……とにかく、普通に給仕できれば大丈夫ですから」
「ああよかった。それならなんとかなると思います」
抜けているのか懐が深いのか、いまいち掴めない人だと、ルイセは思った。
しかし、ルルーが微笑む姿を見て、ルイセはその人柄に少し惹かれるものを感じた。
(……不思議と嫌いにはなれない人ですね。キッドさんへの借りもありますし、このお姫様に力を貸すのも悪くないかもしれませんね)
こうして、元暗殺者は、紺の王国の軍師補佐として新たな道を進み始めることになった。
気がつけば、ルイセは紺の王国の王城の中、最も厳重な場所の一つである王女の部屋に連れてこられていた。しかも、その部屋の中、目の前にはルルー王女が、隣にはキッドが立っている。王族暗殺の依頼を受け、他国の王城に侵入した経験もあるが、こんなに容易く王族と対面するのは彼女にとっても初めてのことだった。
(この男は確か緑の公国にいたはず……。それが、今は紺の王国に仕えているのでしょうか? いや、そんなことより、どうしてこんな場所までほとんどフリーパスで入ってこられるですか? 途中、何人もの衛兵とすれ違ったのに、誰も私を止めることもなく、挨拶までされて……。この男だけならまだしも、私まで通したなんて……。ウェイトレス姿のこんな女が城内を歩いていれば、普通なら見咎められるはずでしょう? 一体、この城の衛兵はどうなっているのですか!? ……それとも、この男がそれほどまでに信用されているとでも? いや、まさか、他国の魔導士だったのに、そんなことあるわけないですよね……)
ルイセの心中の混乱をよそに、キッドとルルーは親しげに話を始めた。その様子は、彼女から見れば到底、王女と臣下の関係とは思えないものだった。
「ルルー王女、急にすみません」
「いえ、キッド様のお話であれば構いませんよ。それで、どうされましたか?」
「見つかったんですよ! この前話していた人材が!」
「本当ですか!?」
興奮気味のキッドの言葉に、ルルー王女の顔がぱっと輝いた。その表情は、まるで無邪気な少女のようで、王族らしい厳粛さを微塵も感じさせないものだった。
一方でルイセは、二人のやりとりから、自分がここに連れてこられた理由を改めて察する。
(人材? ああ、暗殺者のことですね。暗殺者を探していたのなら、私と出会ったのは僥倖だったでしょうね。まぁ、いいでしょう、仕事を受けてあげます。それで、あなたとは貸し借りなしですよ)
「自分でも戦える上に、かなりの魔法も使える人間です! この国にとって必要不可欠な人材ですよ! 必ず助けになります!」
「キッド様がそこまでおっしゃるとは、かなりの人物なんですね」
(ん? 何の話をしているのですか? 暗殺の話ではなかったのですか?)
盛り上がる二人とは対照的に、ルイセは置いてけぼりを食らったような感覚に襲われた。
「軍師である俺のサポートをしてもらうため、軍師補佐としてこの国に迎え入れていただけませんか?」
(この男は、宮廷魔導士の類ではなく、軍師だったのですか? いや、それよりもどんな者を迎えるつもりか知りませんが、素性もわからない相手を、王女が簡単に軍師補佐に任命するなんて、そんなことが……)
ルイセの戸惑いにもかかわらず、話はどんどん進んでいく。
ため息をつきながら、ルイセはキッドの言葉に耳を傾けた。
「わかりました。待遇に関しては、キッド様に準じる形にさせていただきますね」
「ありがとうございます!」
(ちょっと待ってください! 私に関係の話とはいえ、国にとって大事なことを、そんな簡単に認めてしまっていいんですか!? 私は国の人事には詳しくありませんが、食堂のウェイトレスを採用する時だってもうちょっと色々ありましたよ!?)
驚きの表情を浮かべたまま、ルイセはキッドとルルー王女の顔を交互に見たが、二人とも冗談を言っている様子ではない。しかし、彼女の驚きはこれで終わらなかった。
「というわけで、よろしく頼むな、ルイセ」
「……へ?」
ルイセは、自分でも驚くほど間の抜けた声を上げてしまった。
「あ、ルルー王女、まだ名前も紹介してませんでしたね。こちらがルイセです。腕は確かです」
「キッド様がそうおっしゃるのなら、疑う余地はありません。ルイセさんというんですね。とてもお綺麗なかたで、服装も独特なので少し驚きましたが、どうか我が国のためによろしくお願いしますね」
ルルーは、ウェイトレス姿のルイセに深く頭を下げた。
(なんですかこれは!? 一国の王女が暗殺者の私に頭を下げている!? 私は一体、どういう状況におかれているんですか!?)
助けを求めるようにキッドの顔を見つめるルイセ。彼女の困惑はピークに達していた。
「すみせん、キッドさん。状況が全然呑み込めていないのですが……。私はてっきり暗殺の話をされるのだと思ってついてきたのですが、一体何の話をしているのですか?」
「ん? 仕事の話なのは間違いないぞ。お前ほどの人間をウェイトレスとして放っておくのはもったいない。これからこの国の軍師補佐として、俺の仕事を手伝ってもらうからな。よろしく頼むぞ」
「……はぁ!? 軍師補佐!? 私がですか!? あなた、わかっているんですか!? 私は暗さ――」
言いかけたその瞬間、キッドの人差し指がルイセの唇に触れ、彼女の言葉を遮った。
「お前はルイセだろ? 剣も魔法も使えるウェイトレス。もっとも、今日からはこの国の軍師補佐だけどな」
「……本気で言っているんですか?」
ルイセは目を細め、鋭い視線をキッドに向けた。それは、暗殺者としての冷酷な視線だった。しかし、キッドはその視線にも動じることなく、にこやかに微笑んでいた。その様子から、彼が本気であることをルイセは悟る。
「王女の前で冗談を言うと思うか? むしろお前がウェイトレスしているほうが余程冗談みたいな話だぞ」
ルイセはため息をつき、心の中であれこれと考えを巡らせる。最終的に、彼女は覚悟を決めた。
「……わかりました」
(いいでしょう。私の顔も性別もバラさなかった借りがあります。その分、あなたのために働いてあげましょう。……ですが、その分だけです。私は暗殺者。影のように闇に潜み、風のように誰にも縛られない、シャドウウィンドと呼ばれる暗殺者なのですから)
「よし! 言質はとったからな! よろしく頼むぜ!」
キッドがルイセの細くて固い手を握りしめる。その温かさに、一瞬、ルイセは自分の冷たい手を意識したが、その熱が不思議と心地よかった。
「あ、そうだ。ルルー王女、街の食堂から無理やりヘッドハンティングしてきたから、代わりのウェイトレスを手配してもらうことってできませんか?」
「ウェイトレスですか? できるだけはやってみますが……剣と魔法を使えるようなウェイトレスが簡単に見つかるかどうかは……」
冗談か本気かつかめない様子でルルーは眉をひそめる。
「そんなウェイトレスはいないですって! あ、いや、いましたけど、……とにかく、普通に給仕できれば大丈夫ですから」
「ああよかった。それならなんとかなると思います」
抜けているのか懐が深いのか、いまいち掴めない人だと、ルイセは思った。
しかし、ルルーが微笑む姿を見て、ルイセはその人柄に少し惹かれるものを感じた。
(……不思議と嫌いにはなれない人ですね。キッドさんへの借りもありますし、このお姫様に力を貸すのも悪くないかもしれませんね)
こうして、元暗殺者は、紺の王国の軍師補佐として新たな道を進み始めることになった。
1
お気に入りに追加
404
あなたにおすすめの小説
クラスメイトのなかで僕だけ異世界転移に耐えられずアンデッドになってしまったようです。
大前野 誠也
ファンタジー
ー
子供頃から体の弱かった主人公は、ある日突然クラスメイトたちと異世界に召喚されてしまう。
しかし主人公はその召喚の衝撃に耐えきれず絶命してしまった。
異世界人は世界を渡る時にスキルという力を授かるのだが、主人公のクラスメイトである灰田亜紀のスキルは死者をアンデッドに変えてしまうスキルだった。
そのスキルの力で主人公はアンデッドとして蘇ったのだが、灰田亜紀ともども追放されてしまう。
追放された森で2人がであったのは――
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
牛人転生:オッパイもむだけのレベル上げです。
薄 氷渡
ファンタジー
異世界に転生したら牛人だった。外見は大部分が人間と大差なく、牛耳と尻尾がついている。
のどかなバスチャー村で、巨乳美少女達から搾ったミルクを行商人に売って生計を立てている。
9人家族の長男として生まれた少年カイホは、まったりとした日々を過ごしていたが1つの問題があった。ホル族の成人女性は、毎日搾乳しないと胸が張って重苦しくなってしまうのである。
女の乳房を揉むとLVが上がるニューメイジとしての才能を開花させ、乳魔術を駆使してモンスターとのバトルに挑む。愛するオッパイを守るため、カイホの冒険は続いていく。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【完結】スライム5兆匹と戦う男
毛虫グレート
ファンタジー
スライムくらいしか狩れない雑魚魔法使いレンジはまたパーティを追放された! もう28歳だよ。二十歳そこそこの連中に老害扱いされはじめてんのに、一向にレベルも上がらない。彼女もいない。なにやってんの。それでいいの人生? 田舎町で鬱々とした日々を送るそんなレンジの前に、ある日女性ばかりの騎士団が現れた。依頼はなんとスライムを倒すこと。
おいおい。俺を誰だと思ってんだ。お嬢ちゃんたち。これでも『雷を呼ぶ者』と呼ばれた偉大な魔法使い、オートーの孫なんだぜ俺は! スライムなんていくらでも倒してやるYO! 20匹でも30匹でも持って来やがれ! あと、結婚してください。お願いします。
............ある日突然、スライム5兆匹と戦うことになってしまった男の、絶望と灼熱の日々が今はじまる!!
※表紙画像はイラスト自動作成のhttps://www.midjourney.com/ にてAIが描いてくれました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる