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●●男優の決意
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怜さんに怒られ、ハードなお仕置きをされてから気まずくなり、余り居たくもない自分の部屋に引きこもって1週間
寝付けない日々を過ごしていた
引っ越ししやすいように折り畳み式の簡易ベッドにローテーブル、服はラックに掛けれるだけ
あとは段ボールか2箱開けられずに置いてある
良く言えばシンプルだが、何もない、生活感のない部屋
シーツに包まりながら膝を抱えて座り、カーテンの隙間から入ってきた外の明るさに目を細める
「もう、朝なんだ...俺らしくないよな...こんなの」
ベッドに放り投げられたスマホが、チカチカと点滅し、不在通知があることを告げている
怜さんからの連絡を無視しているため、結構通知来てるんだろうなぁ...と眠りたくても寝れない頭でボーっと考える
怒られて拗ねているのもあるが、今は会うのが怖い
気持ちに余裕が持てず、いつもみたいに出来る自信がない...
マネージャーには、ちょっと体調悪いからゆっくり休むとだけメールしたから大丈夫なはず
大学は、多分実が代筆してくれてるはず。多分
自分の状況を順番に確認していく
大丈夫...、大丈夫....と自分に言い聞かせる
深く深呼吸をし、思い切って立ち上がる
少しクラッと立ちくらみがあるが、ベランダのカーテンを開けて朝陽を浴びる
眩しさに目を細めるも、徐々に元気を取り戻し
「大丈夫、怜さんとはちょっと会うのは控えるけど、多分大丈夫。
別れるとかは、今は考えたくないし...怖いけど、嫌いなわけじゃない」
声に出し、自分に言い聞かせるようにする
眠気を覚ますためにも少し熱い目のシャワーを浴びてさっぱりする
なんだか心もスッキリし、両頬をパンっと挟むように叩き
「よしっ!切り替え終わり!いつまでもウジウジしてるのは俺らしくないし、身体もそろそろ大丈夫だろ!」
事務所に顔を出し、テスト撮影などないか聞いてみる
顔色があまり良くないのと、クマが出来ているせいでかなり心配されたが、大丈夫といつものように笑うようにして撮影に漕ぎ着けた
「新ちゃん、ホントに大丈夫?
今日はオモチャの性能テストだから別に新ちゃんがやらなくても...」
「俺、これ一回やってみたかったんだよね。
ほら、いっつも撮影の本番でしか使う分しか見ないから、使ったことないやつが大半だし、どんなのあるのか気になるじゃん?」
並べられたバイブやローター、吸引器にオナホなど今まで使ったこともないモノも多数テーブルに並んでいる
「毎回こんな色々あるんですね」
平静を装っているものの、バイブを見るとなぜか冷や汗が背中を伝い、少し表情が硬くなる
今から順番にコレらを使って反応を確かめるって聞いたけど、身体が震えそうになる
いつも使ってるのと変わらないから、大丈夫。と自分に言い聞かせ
服を脱いでソファーにゆったり腰掛け、一つ目の小さいローターを摘む
「まずはコレですね?ちっこいから、乳首とかの刺激に良さそう」
ローターのスイッチを入れ、自分で乳首に押し当てる
「ンッ...これ、くすぐったいですね」
ビィィィーと震える振動音が室内に響く
しばらく当ててると擽ったいだけではない感覚にモゾモゾとし
「んふっ、ふぁ...ァッ、いいかも...」
スイッチを切り、ぷっくりと立ち上がった乳首からローターを離す
次のはどれにしようかと迷い、吸引器に手を伸ばす
「これって、乳首ぷっくりさせるヤツかな?」
使ったことがないやつのため、スタッフが装着してくれる
元々ぷっくりしている乳首に着けるも引っ張られている感じなだけでなんともなく
「これ、陥没してたらいい感じだったんだね。オレには不要なやつかぁ~」
あまり面白い感じにならずちょっとがっかりする
前にも入れたことのある球がボコボコとランダムに連なったバイブを手に取るも、何故か心臓がドキドキして気持ち悪い
「新ちゃん、次はどうする?そろそろお尻いっちゃう?」
いつもならノリノリでヤルと言うのだが、なんとなく今はそんな気分になれず困った笑顔になり
「ん~...、今日はちょっと辞めときます
なんか、やっぱり本調子じゃないからナカ以外で楽しみたいなぁ~」
バイブをテーブルに戻し、深く深呼吸する
「無理しちゃダメだよ?使って見たいのとか、やりたい事あるなら手伝うけど、調子が悪い時はゆっくりするのも手だからね
話せるなら、話しくらいは聞くけど...」
何かを察したのか、監督から心配されてしまう
「ありがとうございます。うん、今日はやっぱりここで辞めとこうかな...
監督、無理言って参加させて貰ったのにごめんなさい」
胸の吸引機を外してテーブルに置き、身支度を整える
コンコンっと扉の方からノック音がし、振り向くとそこには今一番会いたくない人の姿があり、青褪めていくのが自分でもわかる
「れ、い...さん...」
「お疲れ様です。新一くんの迎えに来たんですが、撮影は終わった感じですか?」
後退りするも、ソファーに足を引っ掛けて転んでしまい立ち上がろうにも足に力が入らない
近付いてくる気配に恐怖で顔を見ることができず、床を見つめ
「体調が悪いのに、仕事を頑張ろうとするのはキミの悪い癖だよ
今日は帰ったらゆっくりしようね」
優しい手付きで頬を撫でられるも、身体はビクンッと大きく跳ね、目をキツく瞑る
「怜ちゃん、新ちゃんのことよろしくね~。
やっぱり、体調悪いままだったんだね。今日は怜ちゃんにいっぱい甘えて看病して貰っちゃいなよ」
お姫様抱っこをされてしまい、逃げられない
監督がニヤニヤ笑っているのを見ると、怜さんに連絡した犯人がわかってしまった。
事情を知らないから、仕方ないだろうけど、必死に笑顔を作って頷き、震えそうな身体を抱きしめて抑える
「新一くん、大丈夫だよ。帰ろうか」
怜さんに連れられ、久々に戻ってきた部屋に動悸が激しくなる
「あ、あの...怜、さん...」
怯えきった目で恐る恐る声をかけるも擦れてしまう
リビングのソファーに座らされ、怜さんはオレの足元に跪き
「新一くん、本当にこの前はすまない...」
オレの手を握り、額に手を当てながら謝ってきた怜さん
「今、ここに居るのも嫌なのかもしれないが、どうしてもキミのことを手放したくなくて、ね...
情けないことなんだけど、他の誰にもキミを渡したくなくて必死だったんだ」
怜さんの弱気な姿に驚くも、それ以上に俺のことを思ってくれていたことに驚く
「俺も、ごめんなさい...
この前の、が...すっごく怖かったん、です。だから、怜さんのことは、今も好きだけど...震えちゃって...」
必死に言葉を紡ぐもうまく纏まらず、涙が溢れ出てくる
「ごめん。酷いこと、したよね...」
「抱き締めて貰ってもいいですか。また、一緒にいたいから...怖くならない為に、優しく...」
まだ表情は硬いが、なんとか笑顔で頼むことができた
怜さんは触れていいのか戸惑ってはいたが、本当に優しく、壊れ物を扱うように抱き締めてくれた
久々に感じる温もりと怜さんの匂いに安心する
大丈夫、やっぱり怖くないし、怜さんのこと大好きだ
キスを強請るように何度も軽く頬に口付けると、戸惑いながらもキスをしてくれ、徐々に舌が絡み合って深くなる
「っンッ、ふぁ...れ、さん...好き」
ゆっくりと名残り惜しげに唇が離れ、額を合わせる
「新一くん、愛してる。ずっと側に居させてくれないか?」
プロポーズのような言葉にまた涙が溢れる
小さく頷き、微笑む
「大切にしてくださいね。痛いのも苦しいのも、イヤですよ」
ふふっと笑い、また深く口付けを交わした
後日、また事務所に色んな報告と相談をしなきゃダメだろうけど、今はゆっくり休もう
憧れだった好きな人と一緒にいる為にも
寝付けない日々を過ごしていた
引っ越ししやすいように折り畳み式の簡易ベッドにローテーブル、服はラックに掛けれるだけ
あとは段ボールか2箱開けられずに置いてある
良く言えばシンプルだが、何もない、生活感のない部屋
シーツに包まりながら膝を抱えて座り、カーテンの隙間から入ってきた外の明るさに目を細める
「もう、朝なんだ...俺らしくないよな...こんなの」
ベッドに放り投げられたスマホが、チカチカと点滅し、不在通知があることを告げている
怜さんからの連絡を無視しているため、結構通知来てるんだろうなぁ...と眠りたくても寝れない頭でボーっと考える
怒られて拗ねているのもあるが、今は会うのが怖い
気持ちに余裕が持てず、いつもみたいに出来る自信がない...
マネージャーには、ちょっと体調悪いからゆっくり休むとだけメールしたから大丈夫なはず
大学は、多分実が代筆してくれてるはず。多分
自分の状況を順番に確認していく
大丈夫...、大丈夫....と自分に言い聞かせる
深く深呼吸をし、思い切って立ち上がる
少しクラッと立ちくらみがあるが、ベランダのカーテンを開けて朝陽を浴びる
眩しさに目を細めるも、徐々に元気を取り戻し
「大丈夫、怜さんとはちょっと会うのは控えるけど、多分大丈夫。
別れるとかは、今は考えたくないし...怖いけど、嫌いなわけじゃない」
声に出し、自分に言い聞かせるようにする
眠気を覚ますためにも少し熱い目のシャワーを浴びてさっぱりする
なんだか心もスッキリし、両頬をパンっと挟むように叩き
「よしっ!切り替え終わり!いつまでもウジウジしてるのは俺らしくないし、身体もそろそろ大丈夫だろ!」
事務所に顔を出し、テスト撮影などないか聞いてみる
顔色があまり良くないのと、クマが出来ているせいでかなり心配されたが、大丈夫といつものように笑うようにして撮影に漕ぎ着けた
「新ちゃん、ホントに大丈夫?
今日はオモチャの性能テストだから別に新ちゃんがやらなくても...」
「俺、これ一回やってみたかったんだよね。
ほら、いっつも撮影の本番でしか使う分しか見ないから、使ったことないやつが大半だし、どんなのあるのか気になるじゃん?」
並べられたバイブやローター、吸引器にオナホなど今まで使ったこともないモノも多数テーブルに並んでいる
「毎回こんな色々あるんですね」
平静を装っているものの、バイブを見るとなぜか冷や汗が背中を伝い、少し表情が硬くなる
今から順番にコレらを使って反応を確かめるって聞いたけど、身体が震えそうになる
いつも使ってるのと変わらないから、大丈夫。と自分に言い聞かせ
服を脱いでソファーにゆったり腰掛け、一つ目の小さいローターを摘む
「まずはコレですね?ちっこいから、乳首とかの刺激に良さそう」
ローターのスイッチを入れ、自分で乳首に押し当てる
「ンッ...これ、くすぐったいですね」
ビィィィーと震える振動音が室内に響く
しばらく当ててると擽ったいだけではない感覚にモゾモゾとし
「んふっ、ふぁ...ァッ、いいかも...」
スイッチを切り、ぷっくりと立ち上がった乳首からローターを離す
次のはどれにしようかと迷い、吸引器に手を伸ばす
「これって、乳首ぷっくりさせるヤツかな?」
使ったことがないやつのため、スタッフが装着してくれる
元々ぷっくりしている乳首に着けるも引っ張られている感じなだけでなんともなく
「これ、陥没してたらいい感じだったんだね。オレには不要なやつかぁ~」
あまり面白い感じにならずちょっとがっかりする
前にも入れたことのある球がボコボコとランダムに連なったバイブを手に取るも、何故か心臓がドキドキして気持ち悪い
「新ちゃん、次はどうする?そろそろお尻いっちゃう?」
いつもならノリノリでヤルと言うのだが、なんとなく今はそんな気分になれず困った笑顔になり
「ん~...、今日はちょっと辞めときます
なんか、やっぱり本調子じゃないからナカ以外で楽しみたいなぁ~」
バイブをテーブルに戻し、深く深呼吸する
「無理しちゃダメだよ?使って見たいのとか、やりたい事あるなら手伝うけど、調子が悪い時はゆっくりするのも手だからね
話せるなら、話しくらいは聞くけど...」
何かを察したのか、監督から心配されてしまう
「ありがとうございます。うん、今日はやっぱりここで辞めとこうかな...
監督、無理言って参加させて貰ったのにごめんなさい」
胸の吸引機を外してテーブルに置き、身支度を整える
コンコンっと扉の方からノック音がし、振り向くとそこには今一番会いたくない人の姿があり、青褪めていくのが自分でもわかる
「れ、い...さん...」
「お疲れ様です。新一くんの迎えに来たんですが、撮影は終わった感じですか?」
後退りするも、ソファーに足を引っ掛けて転んでしまい立ち上がろうにも足に力が入らない
近付いてくる気配に恐怖で顔を見ることができず、床を見つめ
「体調が悪いのに、仕事を頑張ろうとするのはキミの悪い癖だよ
今日は帰ったらゆっくりしようね」
優しい手付きで頬を撫でられるも、身体はビクンッと大きく跳ね、目をキツく瞑る
「怜ちゃん、新ちゃんのことよろしくね~。
やっぱり、体調悪いままだったんだね。今日は怜ちゃんにいっぱい甘えて看病して貰っちゃいなよ」
お姫様抱っこをされてしまい、逃げられない
監督がニヤニヤ笑っているのを見ると、怜さんに連絡した犯人がわかってしまった。
事情を知らないから、仕方ないだろうけど、必死に笑顔を作って頷き、震えそうな身体を抱きしめて抑える
「新一くん、大丈夫だよ。帰ろうか」
怜さんに連れられ、久々に戻ってきた部屋に動悸が激しくなる
「あ、あの...怜、さん...」
怯えきった目で恐る恐る声をかけるも擦れてしまう
リビングのソファーに座らされ、怜さんはオレの足元に跪き
「新一くん、本当にこの前はすまない...」
オレの手を握り、額に手を当てながら謝ってきた怜さん
「今、ここに居るのも嫌なのかもしれないが、どうしてもキミのことを手放したくなくて、ね...
情けないことなんだけど、他の誰にもキミを渡したくなくて必死だったんだ」
怜さんの弱気な姿に驚くも、それ以上に俺のことを思ってくれていたことに驚く
「俺も、ごめんなさい...
この前の、が...すっごく怖かったん、です。だから、怜さんのことは、今も好きだけど...震えちゃって...」
必死に言葉を紡ぐもうまく纏まらず、涙が溢れ出てくる
「ごめん。酷いこと、したよね...」
「抱き締めて貰ってもいいですか。また、一緒にいたいから...怖くならない為に、優しく...」
まだ表情は硬いが、なんとか笑顔で頼むことができた
怜さんは触れていいのか戸惑ってはいたが、本当に優しく、壊れ物を扱うように抱き締めてくれた
久々に感じる温もりと怜さんの匂いに安心する
大丈夫、やっぱり怖くないし、怜さんのこと大好きだ
キスを強請るように何度も軽く頬に口付けると、戸惑いながらもキスをしてくれ、徐々に舌が絡み合って深くなる
「っンッ、ふぁ...れ、さん...好き」
ゆっくりと名残り惜しげに唇が離れ、額を合わせる
「新一くん、愛してる。ずっと側に居させてくれないか?」
プロポーズのような言葉にまた涙が溢れる
小さく頷き、微笑む
「大切にしてくださいね。痛いのも苦しいのも、イヤですよ」
ふふっと笑い、また深く口付けを交わした
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