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第3章
真実①
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念のため、俺は答え合わせをすることにした。
俺を守ってくれるとはっきり言ってくれた魔王に謁見する。
「本を読みました」
俺は、魔王に言った。
「本だと?」
「はいーー数百年前に、何があったのか。人間側の資料です」
「そうか……。本があるのか、人間界には」
魔王は、観念したようにため息をついた。
「人間が寿命の短さを失念していた。それを補うため、知識を子孫へ伝達する方法として、文字が発達したのだなーーあの件を知っているのは当時の者だけだと思っていたが、向こうでは、本によって語り継がれているのか……」
「魔界にはないのですか? 書籍とかは」
「あることはある。だが、ほとんどない。例えば我が父が何冊か本を執筆していたが、それは周囲に記念として配ったのみだ。非常に珍しいものだな。我々の間では、言葉だけの伝達で事足りるから」
魔族は、人間の進化バージョンと言っても差し支えない。
基本的な能力はすべて、人間を遥かに凌駕している。
その記憶力があれば、文字を使う機会はほとんどないだろう。
少なくとも、魔界専用のそれはないらしい。
医務室に前任者が残していってくれたたくさんの素材には、1つ1つラベリングがされてあった。
しかしそれは魔界用語ではなく、普通の人間界の文字を使用したものだった。
「で」
魔王は言った。
「お前はすべてを知っているというわけか?」
「そうとも言えません」
俺は答えた。
「人間界の書物は、どちらかの意見に偏りがちですからーー100年戦争の背景に、ザラ様と人間との婚約破棄があったということは書かれていました」
俺を守ってくれるとはっきり言ってくれた魔王に謁見する。
「本を読みました」
俺は、魔王に言った。
「本だと?」
「はいーー数百年前に、何があったのか。人間側の資料です」
「そうか……。本があるのか、人間界には」
魔王は、観念したようにため息をついた。
「人間が寿命の短さを失念していた。それを補うため、知識を子孫へ伝達する方法として、文字が発達したのだなーーあの件を知っているのは当時の者だけだと思っていたが、向こうでは、本によって語り継がれているのか……」
「魔界にはないのですか? 書籍とかは」
「あることはある。だが、ほとんどない。例えば我が父が何冊か本を執筆していたが、それは周囲に記念として配ったのみだ。非常に珍しいものだな。我々の間では、言葉だけの伝達で事足りるから」
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しかしそれは魔界用語ではなく、普通の人間界の文字を使用したものだった。
「で」
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「そうとも言えません」
俺は答えた。
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