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間違い① ~レナの父親視点~
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一体どこで間違ったのだろうか。
どこをどうすれば、私はこんな目に遭わずに済んだのだろう。
どこまで時間を巻き戻せば、私は助かったのだろうか――。
私は男爵家の長男として生まれた。
下には私のスペアであるところの弟と妹がいて、妹はどこかの有力貴族へと嫁ぐ予定だった。
私の両親は非常に長男至上主義思想を持っていて、それゆえに私の天下はずっと続いていた。
私は王だった。
女にも苦労しなかった。
そんな数々の女の中で、ひと際美しかった使用人の娘を孕ませたのを覚えている。
その女と私はかつての恋仲だった。
しかし私は、その女を捨てた。
理由は単純明快。
私には婚約者がいたのだ。
未来の男爵であるところの私には、同じく男爵家の家柄である娘を妻とする予定だった。
私は結婚が近づくにつれ、その使用人の女が邪魔になった。
私は女をあっさりと捨てた。
その女はしばらく抵抗していたが、気づけばすぐにいなくなる。
女主人である妻がアレを追い出したのだろう。
妻もまた私の浮気には寛容で、どちらかと言えば私を誘惑した女が悪いのだと言っていた。
それが17年前の話である。
それから10数年の月日が経過したある日、妻は1人の娘を屋敷に連れてきた。
「誰だその小汚い娘は?」
「あなたの娘ですよ」
とうの昔に冷え切った関係となった妻と私の間には、子どもがいなかった。
妻はあの女の娘を引き取り、自分たちの子どもとして育てたいと妙なことを言い出した。
「あの女の娘だ。私の娘ではない」
「ですが、ちょうど良いでしょう。もはや私たちの間には子どもなど望めないのですから」
その娘の名前はレナと言った。
私は仕方なくそれを引き取り、自分の跡継ぎとするべく教育を施した。
――しかし。
レナは思わぬ成果を見せた。
あの女の娘は、なんとこの国の第一王子の心を射止めたのだった。
どこをどうすれば、私はこんな目に遭わずに済んだのだろう。
どこまで時間を巻き戻せば、私は助かったのだろうか――。
私は男爵家の長男として生まれた。
下には私のスペアであるところの弟と妹がいて、妹はどこかの有力貴族へと嫁ぐ予定だった。
私の両親は非常に長男至上主義思想を持っていて、それゆえに私の天下はずっと続いていた。
私は王だった。
女にも苦労しなかった。
そんな数々の女の中で、ひと際美しかった使用人の娘を孕ませたのを覚えている。
その女と私はかつての恋仲だった。
しかし私は、その女を捨てた。
理由は単純明快。
私には婚約者がいたのだ。
未来の男爵であるところの私には、同じく男爵家の家柄である娘を妻とする予定だった。
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私は女をあっさりと捨てた。
その女はしばらく抵抗していたが、気づけばすぐにいなくなる。
女主人である妻がアレを追い出したのだろう。
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「ですが、ちょうど良いでしょう。もはや私たちの間には子どもなど望めないのですから」
その娘の名前はレナと言った。
私は仕方なくそれを引き取り、自分の跡継ぎとするべく教育を施した。
――しかし。
レナは思わぬ成果を見せた。
あの女の娘は、なんとこの国の第一王子の心を射止めたのだった。
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