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横暴

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 ティファニーの言う通り、彼女は確かにそういう調子に乗るような性格らしかった。


 ティファニーの言ったことが正しければ、彼女は男爵の庶子、つまり庶民である。

 引き取って育てているということは、これから先、正式に自身の娘として認知する可能性もあるだろうが、我々貴族にその話が来ていないということは、それはまだ確定ではない。


 彼女は今、貴族になるかどうかの試験期間真っ只中という状況なわけだ。


 しかしそんな状況下にいるはずの彼女の横暴ぶりは目に余るものだった。


 殿下と付き合うのはまだ良い。

 かつては、我が国でも庶民の女性が王族と結婚した例がある。

 当然、例外中の例外ではあるが。


 だが、はっきり言ってしまえば、庶民であるところの彼女が他の貴族を害するなんてことが、あって良いわけがない。


 彼女は、かなり調子に乗るタイプだった。


 私に対する態度のみならず、他の貴族に対しても、


「うるさ」

「邪魔なんだけど。あっちに行っててくれない?」

「消えろよ」


 というふうな暴言を連発し、こちら側が注意しようものなら、


「は? 私、殿下と付き合ってんだけど」

「うわ、嫉妬? キモー」


 と、どこまでも上から目線の態度。


 殿下がバックにいる手前、子息子女たちもあまり大きな声を出せないが、確実にイライラしている雰囲気は伝わってくる。


 殿下やその友人たちは、あくまで貴族だ。

 まあ貴族同士のやりとりだからと、我慢出来る人間も一定数いないことはない。


 しかし殿下の恋人はあくまで庶民であり、貴族である我々がなぜ庶民ごときに馬鹿にされなければならないのかと、日に日に彼女に対する鬱憤が高まっていっている。


 このままだと、学園内で大きな暴動が起きるだろう。


 貴族社会の中でも上位に位置する我々がなんとかしなければと、私たち公爵家に属する生徒たちは彼女に注意するために、生徒会と協力することにした。

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