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呼び出し

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 両親から呼び出されたのは、その噂を流してから1週間が経過したころであった。


 噂は、学園を飛び出し大人たちの間でも広がっているはずだ。

 私は両親に告げ口をしていない。


 恐らく、彼らはその話を他所から聞いてきたのだろう。


 そのとき、私は部屋で宰相となるための自主勉強をしていた。


 学園ではたくさんの勉強をしているけれど、国のNo.2であるところの宰相になるためには、まだまだ知識や頭が足りない。


 もっと勉強して、賢くならなければ。


 そんなとき、メイドから、

「旦那様と奥様がお呼びでございます」

 と言われたので、勉強を中断して執務室へ向かう。


 執務室には、既にお母様とお父様がいた。


「失礼いたします」

 私は部屋に入り、2人に尋ねた。

「一体どうされたのですか?」

「まあ、待て」

 と、お父様。

「話はリリオーネが来てからだ」


 それを聞いて、私は色々と察した。


 しばらくして、妹のリリオーネが中に入ってくる。

「失礼しまぁーす」

 と、間延びした言い方。


 彼女は既にいた私を見た途端、満面の笑みを浮かべた。


 とても機嫌が良さそうだ。


「リリオーネ」

 と、お父様。

「ローゼリアの隣に立ちなさい」

「はぁい」


 彼女は、今にもスキップしそうなテンションだった。


 自分の勝ちを確信した顔だ。


「それで」

 彼女は、ニヤニヤと私を見ながら言った。

「一体、なんのお話ですの?」


「噂で聞いたぞ」

 お父様は、リリオーネに向かって言う。

「リリオーネ。お前、姉の婚約者であるフレデリック殿下と浮気をしているのか?」

 
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