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パーティ

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 本来はペアであるライナーと一緒に向かうのがマナーだが、ライナーは城に用があるらしく、私たちは現地集合することにしていた。


 私は公爵家の屋敷から馬車に乗り、城へと向かう。


 しかし私の生まれた星がが余程荒れた場所だったのか、それとも私の何かがすべて悪いのか、パーティが無事に終了することはもちろんなかった。


 その道中に関しては、問題なかった。


 ついてからが、一悶着あったのだ。


 私の苦手分野といえばイヴァンのジェシーなのだが、私に対して攻撃的な姿勢をとるのは、当然彼ら以外にも存在する。


 私は公爵令嬢であり、ましてや宰相の娘である。

 宰相の娘と結婚すれば宰相になれるかもしれないという至極安直な考えを持つ馬鹿は一定数存在するし、その馬鹿が群がってくるのを見て、あろうことか私に対して嫉妬する令嬢たちもいた。


 特に、宰相であるお父様のことをよく思わない連中にありがちなことである。


 1人で城に向かった私に、よくちょっかいをかけてくる男たちが早速、数人集まってきた。


「これはこれは」


 貴族男性たちは、私に向かって大袈裟な挨拶をする。

「グレース嬢ではありませんか」

「どうも」


 私は内心ため息をつきながら、素っ気なく答えた。

「お久しぶりですね」

「お久しぶりですねぇ」

 1人が手を揉みながら言った。

「なかなかお会いすることが出来ず」

「そうですね。色々忙しかったものですから」

「聞きましたよ」

 もう1人が言った。

婚約者とその恋人から、散々な目に合わされたというではありませんか」

「ああ、おいたわしや」

「私がもし、まだ学園に通う生徒だったら、すぐにでもグレース嬢をお助けしたのに」

「それにしても、本当に酷い連中でしたなあ」

「私は知っていましたけどね。ああいう人間だってこと」

「貴族として失格でしたよ。別れて正解!」


 私はげんなりした。


 イヴァンという婚約者がいなくなってから、政治目的で私に近づいてくる連中が格段に増えたのだ。

 婚約者がいなくなった今、次の後釜に自分を据えてもらおうという浅はかな計画。


 こいつら、イヴァンとジェシーのことを散々馬鹿にするけど。

 自分たちだって、同じ穴の狢なのに。
 
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