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「お、お前は」
「久しぶりだね、君たち」
ライナーは気さくに挨拶をする。
しかし、その目は笑っていなかった。
「いつぶりだったかな? ――そうそう、君たちの浮気がバレて、婚約破棄をした次の日だったかな」
新たな刺客の登場に、ますます都合の悪くなる2人。
周囲に観衆がいるのも忘れ、貴族らしからぬ落ち着きのなさを見せた。
「お、俺たちは浮気なんかしていない!」
「本当に?」
「そうよ! 全部グレースの勘違いよ」
「へえ」
ライナーは冷たい目を向ける。
「そういえば僕、君たちがラブホ街を歩いてるとこ見ちゃったんだよね」
「ひっ」
さすがに庶民の間でも、そういう少しアブノーマルな言葉は禁句なのか、何人かが悲鳴をあげる。
「聞いちゃだめよ」
母親らしき女性が、両手を使って自分の子どもの耳を塞いだ。
「ねえ、グレース?」
ライナーに話を振られ、私は頷く。
「ええ、そうですわね」
「ちょっと待て」
イヴァンはライナーを睨む。
「ということは、あのときお前たちは一緒にいたということか!」
「そうだね」
悪びれることなくライナーは言った。
「僕たちが一緒にいたとき、ちょうど君たちが繁華街を歩いているのを見つけたんだ。本当、びっくりしたよ」
「じゃあ、あなたたち浮気してたってことじゃないの!?」
してやったりと言うふうに、ジェシーは叫んだ。
「そのときはまだ、グレースとイヴァンは婚約していたはずよ。それなのに一緒にいるなんて、浮気に決まってるわ!」
「そうだ! 最低だな、グレース」
「何を言ってるんだ、君たちは」
ライナーは首を傾げる。
「僕たちは浮気してないよ」
「いいや、したさ」
「婚約者がいる身で、他の男と一緒に歩くのは、それはもう浮気なのよ!」
勝ち誇った顔をする2人だが、自分に特大ブーメランが返ってきているのに気づいていない。
「あっはっはっ」
ライナーは声高らかに笑った。
「ということは、君たちはもう何年も堂々と浮気をしてたって認めるんだね。ようやく」
「えっ」
「だってそうだろ? 数年間、君たちは散々グレースを置いて2人で出かけていた。君たちの理論に合わせるならば、それは君たちが浮気をしてたってことに他ならないよね」
「久しぶりだね、君たち」
ライナーは気さくに挨拶をする。
しかし、その目は笑っていなかった。
「いつぶりだったかな? ――そうそう、君たちの浮気がバレて、婚約破棄をした次の日だったかな」
新たな刺客の登場に、ますます都合の悪くなる2人。
周囲に観衆がいるのも忘れ、貴族らしからぬ落ち着きのなさを見せた。
「お、俺たちは浮気なんかしていない!」
「本当に?」
「そうよ! 全部グレースの勘違いよ」
「へえ」
ライナーは冷たい目を向ける。
「そういえば僕、君たちがラブホ街を歩いてるとこ見ちゃったんだよね」
「ひっ」
さすがに庶民の間でも、そういう少しアブノーマルな言葉は禁句なのか、何人かが悲鳴をあげる。
「聞いちゃだめよ」
母親らしき女性が、両手を使って自分の子どもの耳を塞いだ。
「ねえ、グレース?」
ライナーに話を振られ、私は頷く。
「ええ、そうですわね」
「ちょっと待て」
イヴァンはライナーを睨む。
「ということは、あのときお前たちは一緒にいたということか!」
「そうだね」
悪びれることなくライナーは言った。
「僕たちが一緒にいたとき、ちょうど君たちが繁華街を歩いているのを見つけたんだ。本当、びっくりしたよ」
「じゃあ、あなたたち浮気してたってことじゃないの!?」
してやったりと言うふうに、ジェシーは叫んだ。
「そのときはまだ、グレースとイヴァンは婚約していたはずよ。それなのに一緒にいるなんて、浮気に決まってるわ!」
「そうだ! 最低だな、グレース」
「何を言ってるんだ、君たちは」
ライナーは首を傾げる。
「僕たちは浮気してないよ」
「いいや、したさ」
「婚約者がいる身で、他の男と一緒に歩くのは、それはもう浮気なのよ!」
勝ち誇った顔をする2人だが、自分に特大ブーメランが返ってきているのに気づいていない。
「あっはっはっ」
ライナーは声高らかに笑った。
「ということは、君たちはもう何年も堂々と浮気をしてたって認めるんだね。ようやく」
「えっ」
「だってそうだろ? 数年間、君たちは散々グレースを置いて2人で出かけていた。君たちの理論に合わせるならば、それは君たちが浮気をしてたってことに他ならないよね」
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