裏切られた公爵令嬢は、冒険者として自由に生きる

 公爵令嬢のヴァイオレットは、自身の断罪の場で、この世界が乙女ゲームの世界であることを思い出す。

 自分の前世と、自分が悪役令嬢に転生してしまったという事実に気づいてしまったものの、もう遅い。

 ヴァイオレットはヒロインである庶民のデイジーと婚約者である第一王子に嵌められ、断罪されてしまった直後だったのだ。

 彼女は弁明をする間もなく、学園を退学になり、家族からも見放されてしまう。


 信じていた人々の裏切りにより、ヴァイオレットは絶望の淵に立ったーーわけではなかった。


「貴族じゃなくなったのなら、冒険者になればいいじゃない」


 持ち前の能力を武器に、ヴァイオレットは冒険者として世界中を旅することにした。
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