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毒
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いや、まさか。
まさかそんなことは。
でも、そのまさかは有りうる。
ユーリとヒメナがやったという確証はないが、2人の動機は簡単に想像出来た。
あの貴族新聞だ。
なんらかの事情で浮気事件をバラした犯人がパトリックだとわかり、それで彼をーー。
考えすぎかもしれないし、ただの憶測だけど。
有り得る。
それに、ユーリは化学的知識の豊富な人間。
そう言えば昔、彼の屋敷で『毒殺事典』というダークなサブカルチャー系の本を見かけた気がする。
そんな古代の毒を知っていて、かつそれを作れそうな者。
私たちの周りでは、ユーリくらいしかいない。
ーーでも。
ユーリがまさかそんなことをするなんて。
自分の元親友を殺そうとするなんて。
考えられない。
信じたくない。
パトリックの両親は、今回のことを警察沙汰にするらしい。
当然だ。
自分の息子が、しかも王位継承権第2位の人間が殺されかけたのだから。
第1発見者である私たちも任意調査を受けることになる。
多分聞かれる内容は、発見時の状況と犯人の心当たりだろう。
「誰が彼を恨んでいる人はいませんか?」
もしそう聞かれたとき、私はなんて答えれば良いのだろうか。
ユーリとヒメナの話をしても良いのだろうか。
私たちの考えはあくまで推論。
その程度の考えで、彼らを疑うなんてことをしても良いのだろうか。
ーーいや、覚悟を決めなければ。
今回のは警察も動き出す事態だ。
私の多少の情が、捜査の妨げになってはいけない。
それに、パトリックは私の友達だ。
友達が傷つけられたのだから、それを助けるのは私たちの役目だ。
言おう。
全部。
あのことに関して、もし今回の捜査で重要と判断されるなら。
あの浮気の件と私たちの推論に関して、警察に全部話そう。
まさかそんなことは。
でも、そのまさかは有りうる。
ユーリとヒメナがやったという確証はないが、2人の動機は簡単に想像出来た。
あの貴族新聞だ。
なんらかの事情で浮気事件をバラした犯人がパトリックだとわかり、それで彼をーー。
考えすぎかもしれないし、ただの憶測だけど。
有り得る。
それに、ユーリは化学的知識の豊富な人間。
そう言えば昔、彼の屋敷で『毒殺事典』というダークなサブカルチャー系の本を見かけた気がする。
そんな古代の毒を知っていて、かつそれを作れそうな者。
私たちの周りでは、ユーリくらいしかいない。
ーーでも。
ユーリがまさかそんなことをするなんて。
自分の元親友を殺そうとするなんて。
考えられない。
信じたくない。
パトリックの両親は、今回のことを警察沙汰にするらしい。
当然だ。
自分の息子が、しかも王位継承権第2位の人間が殺されかけたのだから。
第1発見者である私たちも任意調査を受けることになる。
多分聞かれる内容は、発見時の状況と犯人の心当たりだろう。
「誰が彼を恨んでいる人はいませんか?」
もしそう聞かれたとき、私はなんて答えれば良いのだろうか。
ユーリとヒメナの話をしても良いのだろうか。
私たちの考えはあくまで推論。
その程度の考えで、彼らを疑うなんてことをしても良いのだろうか。
ーーいや、覚悟を決めなければ。
今回のは警察も動き出す事態だ。
私の多少の情が、捜査の妨げになってはいけない。
それに、パトリックは私の友達だ。
友達が傷つけられたのだから、それを助けるのは私たちの役目だ。
言おう。
全部。
あのことに関して、もし今回の捜査で重要と判断されるなら。
あの浮気の件と私たちの推論に関して、警察に全部話そう。
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