女勇者に婚約者を寝取られたけど、逆に彼女の恋人を奪ってやった

 ジュリアナは頭を抱えていた。


 遠く離れた場所で旅をしているはずの婚約者――フランから、1通の手紙が届いたのだ。


 内容は、


「自分の所属しているパーティの女勇者と一緒になることに決めた。君には申し訳ないが、俺と別れてくれ」


 彼女は婚約者の信じられない行動に、呆れかえっていた。


 彼女と婚約者は、数ヵ月後に結婚するはずだったのだ。

 もうすでに式場の予約も式の内容も、ドレスだって注文済みである。


 そのすべての費用は彼とその両親に請求するとして、ジョアンナにとって我慢ならないのは、婚約者を寝取った「女勇者」という存在だった。


 彼女にも、恋人がいるはずだ。

 しかも、10年以上の付き合いらしい。


 ジョアンナは婚約者の手紙を握りしめたまま、その女勇者の恋人の元へと向かう。


 ――2人に復讐するために。
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