妹に婚約者を取られた挙句、デブの辺境伯と強制結婚させられましたが、せっかくなので自分好みに育て上げたいと思います

 公爵令嬢であるオリビアの悩みの種は、妹のロゼッタのことだ。


「お姉ちゃんはずるい」

「私にもちょうだい」

 と言って、何でもオリビアのものを取る。


 大事にしていたお人形、ドレス、宝石……。

 両親もロゼッタの方が可愛いようで、


「お姉ちゃんなんだから」

 という言葉を使ってオリビアから大事なものを奪っていった。


 ーーそしてとうとう。


「お姉ちゃんだけ王子と結婚出来るなんてずるい。私も殿下のこと好きなのに」


 といつもの駄々こねを行い出す妹。


 さすがに駄目だろと思っていたら、両親は嬉々としてそれを受け入れ、婚約者である王子も、


「ロゼッタの方が可愛いから」


 という理由でそれを快諾する。


 して、オリビアは王子の婚約者としての地位を降ろされ、妹がその座に登りつめたわけだったが。

 さらに妹は、

「せっかくだからお姉ちゃん、私の婚約者と結婚しなよ」

 と、無理やりロゼッタの元婚約者である辺境伯との結婚を進める。


「いいじゃん、お似合いだよ(笑)」


 オリビアはデブな辺境伯と結婚させられる羽目になったが、彼は太っている以外は完璧な人間だったようでーー。


「どうせだったら、この男。私好みに育ててやるわ」

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