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1:魔導師として宮廷入りしたので、そのお仕事はお引き受けしかねます!

身体を重ねて

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 胸をしゃぶられながらの指の抽挿は気持ちがいい。アルフォンシーヌは与えられる快感で嬌声を上げ続けていた。

「――これだけほぐれれば、ひとまずは充分ですかね……」

 どれだけ時間をかけてくれたのかよくわからない。三本に増えた指の存在をアルフォンシーヌは身体の中で感じる。

「充分……?」

 潤んだ瞳で見つめると、メルヒオールはふっと笑った。

「君の処女を奪うということです。優しくするつもりではありますが……痛かったら背中に爪を立てても構いませんから」

 言われても、頷けない。彼の美しい身体に傷をつけることなど、アルフォンシーヌには考えられなかった。

「始めますよ」

 ここまで来て引き返そうとは思わなかった。膝を持ち上げられて、その間にメルヒオールの下半身が割り込んでくる。腰がシーツから離れた。

 いよいよメルヒオールさまと一つに……。

 構えていると、熱い塊が溝を撫でる。そしてさっきまで指が入っていた蜜口にずぶりとそれが――メルヒオールの男性器が突き立てられた。

「ひぅっ!」

 思わぬ質量に、アルフォンシーヌの身体が強張る。それ以上の侵入を拒むように、蜜壺がぎゅっと締まった。

「痛みますか? アル」

 動きが止まって、メルヒオールの気遣う声が聞こえる。

 蜜口が大きく拡げられているらしく、まるで傷口に指を突っ込まれたような痛みがあった。アルフォンシーヌは碧い瞳を潤ませながら見つめ、小さく震えながらゆっくり頷いた。

「……魔法を使って痛みをやわらげる方法もありますが、それだと快感が薄れてしまうのですよね」

「これが……はぁ、気持ちよくなれるの?」

 痛いし苦しいのに、気持ちよくなれるものなの?

 額にうっすらと汗を浮かべたメルヒオールに、アルフォンシーヌは尋ねる。覚悟を決めたから、やめてほしいとは言わなかった。

「えぇ。男である俺にはその苦痛はわからないのですが、痛いのは最初だけだと聞いています」

「じゃっ、じゃあ、頑張って、我慢します」

「拒まないのですね。あれほど待ってくれと言っていたのに」

「それは……」

 この事態に陥ったのは、アルフォンシーヌが考える限り事故だ。だが、こんなふうに気遣ってもらえるなら、乗じてよかったと思っている。

 それに、あたしだってこの状況がどうして起こったのかわからないし。

 説明したくても説明できないのだ。ただ、この甘い誘惑に勝てなかっただけで。

 だって、メルヒオールさまのことが好きだから。師弟関係を解消してまでこうしたかったわけではないけれど、触れてほしいと思うくらい大好きなんだもの。

「――アル、申し訳ない。もう我慢できないようです。話はこのあとにさせてください」

 言い淀んでいると、切羽詰まった様子でメルヒオールが言う。苦しそうに見えるのは、彼の部分をアルフォンシーヌの蜜口がきつく締め上げてしまっているからだろうと思い至った。

「は、はいっ」

 我慢すると言った以上は耐えねばと構える。

 メルヒオールが今まで見たこともない優しい微笑みを浮かべた。

「アル……」

 何か言いたげに唇が動いたのが目に入る。だが、声は聞き取れない。尋ねようかとしたとき、唇が重なり、身体を穿たれた。

「んんっ!」

 身体を引き裂かれそうな強い痛みに涙がこぼれる。痛みから気をそらせようとしているかのように、丁寧で艶めかしい口づけをメルヒオールは施してくれた。

 あたたかいな……。

 すごく痛いのだけれども、愛する人が自分を求めている事実に幸せを感じていた。メルヒオールは師匠としてはかなり厳しいし、突き放すような冷たい言い方しかしないのに、今は違う。気遣ってくれるし、優しくしてくれる。だから、身体が悦んでいることを素直に受け止められた。

 ゆっくりとした抽挿が次第に勢いを増していく。ぐちゅぐちゅと中をかき混ぜられると内臓を抉り出されそうな恐怖はあるけれど、最奥を突かれるたびに甘い痺れが生まれるのがわかる。

「あっあっ……」

 全身を揺さぶられて、不思議な感覚が湧いてくる。メルヒオールと一つになれて、心から悦んでいる。

「アル、すまない」

 どうして謝るの?

 聞き間違いかと疑問を浮かべたとき、中で彼が急激に膨らむのがわかった。刺激が激しくなって――。

「あぁっ!」

「ぐっ……!」

 何かを超えたと感じた瞬間、どくどくと体内に注がれている感覚した。そして、その正体を確認することなく、アルフォンシーヌは意識を手放す。
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